急速な事業成長が求められるベンチャー企業にとって「エンジニア及びIT人材の採用」は必須と言っても過言ではありません。
しかし、人口減少とIT人材の需要拡大に伴い、IT人材の採用は日に日に困難になっています。そんな中で、いちベンチャー企業が大手企業と真っ向から勝負しても、採用ターゲットを採用するのはなかなか厳しいでしょう。
そこで本記事では、ベンチャー企業がエンジニア採用に成功するためのポイントについて、よくある失敗例をもとに採用フローに沿って解説します。
これからエンジニアを採用しようと考えているベンチャー企業の方々にとって、有益な情報となっておりましたら幸いです。
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ベンチャー企業がエンジニアを採用する際の課題
まずは、「なぜベンチャー企業にとってエンジニア採用が難しいのか」を3点に分けてご紹介します。よくある課題を理解することは、この後の「施策のポイント」を実行する上で非常に重要ですのでぜひご覧ください。
①他の職種に比べて採用難易度が高い
1つ目は、そもそもエンジニア採用は他の職種に比べて採用難易度が高いということです。
参考資料:厚生労働省の「一般職業紹介状況調査」
まず、厚生労働省の「一般職業紹介状況調査」によると、IT人材の有効求人倍率は年々上昇しており、今後も上昇すると予想されています。現状だけでもIT人材全体でみて有効求人倍率は4倍を超えており「1人を4社以上が取り合っている状態」です。
上記はあくまでもエンジニア全体の一般数値であり、ハイスキルな人材やもっと領域を狭めた場合はさらに求人倍率が高くなります。
株式会社ウォンテッドリーの「デジタル人材に関する調査」より引用
また、株式会社ウォンテッドリーが行った調査によると、約150社のうち2/3以上の企業が「デジタル人材が不足している」と回答しています。この調査結果からも、多くの企業にとってエンジニア需要が高まっていることが分かります。
また、経済産業省が発表したデータでは、現在までの需要と供給をもとに2030年にはIT人材が70万人以上不足すると試算されています。
②条件面で他社に負けやすい
エンジニアの採用戦線は依然として候補者主導で推移しており、優秀な人材は複数の企業からオファーを受けることが珍しくありません。
企業は同じような待遇を提供していても、働きやすさや職場の魅力で差別化を図らなければ、エンジニアに選んでもらえない可能性があります。そのため、時には条件面での合意形成に至らず、希望する人材を確保できないことも生じています。
③カルチャーマッチ人材を見つけづらい
企業にとって「エンジニア採用が成功することの本質」とは、「双方が長期的に満足する関係を築くこと」です。そこで重要なのが、カルチャーマッチ人材を見つけることです。
採用にあたって、大前提として技術力は必須ですが、まだ組織が小さく一人一人のインパクトが大きいベンチャー企業では「いかにカルチャーマッチしているか」という点も重視しなければいけません。
コミュニケーション・協調性・仕事に対しての熱量・趣向などスキル以外にも見るべきポイントが増えてしまうため、より採用ターゲットが絞られてしまい、ドンピシャの人材を見つけて採用に繋げることが難しいのです。
専門職であるエンジニア人材の見極め方について、さらに詳しく知りたい方は下の記事をご覧ください。
ベンチャー企業がエンジニア採用を成功させるポイント
①エンジニアが求める条件の理解
成功するエンジニア採用戦略を構築するためには、まずエンジニアが求める条件について理解を深めていくことが必要です。
以下に一般的なエンジニアが求める条件を表にまとめました。
エンジニアが求める条件 | 詳細 |
---|---|
技術的な挑戦 | 新しい技術を学び、使う機会 |
成長機会 | スキルアップやキャリアアップの機会 |
柔軟な働き方 | リモートワークやフレックスタイムなど |
これらの条件を理解し、それを満たす職場環境を整備していくことで、ベンチャー企業はエンジニアの採用に成功することができます。
②求人広告の改善・最適化
求人広告は、ベンチャー企業がエンジニアを採用する上で重要な手段です。しかし、中には効果的な広告作りが難しく、結果を出せない企業も少なくありません。
まずは、ターゲットとなるエンジニアが求める要素を明確に把握することが大切です。それは技術面だけでなく、職場環境や福利厚生、企業のビジョンなども含まれます。
それを基に、次の2つのポイントを考慮して求人広告を改善・最適化しましょう。
- シンプルで分かりやすい文章:技術的な言葉を過度に使用すると、読む側が理解しづらくなります。分かりやすさを追求しましょう。
- 魅力的なビジュアル:画像や動画を活用し、視覚的にも魅力を伝えると効果的です。
上記の取り組みを通じて、より適切なエンジニアを採用するための第一歩を踏み出しましょう。
③自社の魅力の発信
ベンチャー企業がエンジニア採用を成功させるためには、自社の魅力を正確に伝えることが重要です。自社の技術力、開発環境、取り組んでいるプロジェクトの魅力など、エンジニアにとって興味深い情報を発信しましょう。
例えば、以下のような情報があります。
- 技術スタック:使用しているプログラミング言語やフレームワーク
- 開発環境:フレキシブルな勤務体系、リモートワークの導入状況など
- プロジェクト内容:あらたな技術にチャレンジしているか、社会貢献性が高いか等
また、企業文化や働きがいについても伝えましょう。ベンチャー企業ならではの自由度や裁量、風通しの良さなどが魅力的なポイントになります。
このような魅力を具体的に伝え、エンジニアが「そこで働きたい」と思える環境をアピールすることが重要です。
このようにエンジニア採用の戦略を立てていくには「エンジニア達の趣向や転職動機を解像度高く理解すること」が必要不可欠です。エンジニア採用に必要なIT知識については下の記事でわかりやすく解説していますのでぜひご覧ください。
ベンチャー企業におすすめなエンジニア採用手法
①求人媒体/サイト
採用活動において、もっとも一般的な採用手法なのが「求人媒体や求人サイトに掲載すること」です
近年はエンジニアに特化した求人サイトも多く、それぞれに特徴やターゲット層が異なります。例えば、「Wantedly」は自社のビジョンに共感した人材を探すことができる一方、「Forkwell Jobs」はGitHubの活動からスキルが評価されており、視覚的に新しい形式の求人サイトです。
また、一般的な求人サイトでも、エンジニアの求人は多数掲載されています。リクナビやマイナビなどの大手求人サイトは、高い認知度と多くの利用者数を誇ります。
このような外部求人サイトを活用する際は、自社の求めるエンジニア像に合わせて適切なサイトを選び、具体的な求職条件や仕事内容を明確に掲載することが重要です。
2024年のおすすめエンジニア採用媒体については、下の動画でわかりやすくご紹介していますのでぜひご覧ください。
②ソーシャルリクルーティング
ソーシャルリクルーティング(SNSを活用した採用)は、情報社会である現代においてエンジニア採用のための効果的な手法の一つで、LinkedInやX(旧Twitter)などのSNSを活用し、求職者に直接アプローチすることで、自社の魅力を伝えることが可能です。
ベンチャー企業がソーシャルリクルーティングでエンジニア採用を成功させるためには、ターゲットとなるエンジニアの興味・関心に合わせた情報発信がカギとなります。
以下の表は一般的にソーシャルリクルーティングの際に利用する媒体です。
ソーシャルメディア | 手法 |
---|---|
企業ページを活用しエンジニアに特化した情報を発信 | |
X(旧Twitter) | ハッシュタグを利用して求人情報を広める |
グループ機能を活用し、エンジニアコミュニティとつながる |
SNS採用については「今話題のSNS採用とは?導入ステップやメリット、成功事例を紹介!」で詳しくご紹介していますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
③人材紹介会社(エージェント)
人材紹介会社(エージェント)は、企業が直接求人を公開せず、特定のスキルセットを持つエンジニアを直接探し出して紹介してもらうことができます。
IT人材専門の人材紹介サービスを利用すると、採用媒体などに登録していない優秀な人材にを見つけることもできます。
人材紹介サービスを利用する上でのフローは以下の通りです。
- 担当者との面談:採用ターゲットの要件を理解し、求める人材像をすりあわせる。
- 候補者のリストアップ:担当者が候補者を見つけ出し、企業に紹介します。
- 候補者と接触〜本選考:担当者の推薦状をもとに選考に移ります。
人材紹介サービスを利用すると、企業側があまり動く必要がないので工数の削減にはつながりますが、採用決定後に成果報酬が発生するので大量採用やコストをなるべくかけたくない企業はあまりおすすめしません。
エンジニアの人材紹介サービスについては下の記事で詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。
④リファラル採用
ベンチャー企業のエンジニア採用で有効なのが「リファラル制度」です。これは、既存の社員が新たな人材を推薦し、その人材が採用された場合に社員に報酬が出るという制度です。
具体的には、以下のような流れとなります。
- 既存社員がエンジニアの知人を推薦
- 採用担当者が推薦者と面談を行い、選考を進める
- 入社が決まった場合、推薦者に報酬が支払われる
この制度のメリットは、採用したエンジニアにとって、社内にすでに顔見知りがいることで馴染みやすくなる点です。逆に、デメリットとしては社内の人間関係に配慮が必要になることや「推薦したい」と思ってもらえるような社風や環境を確立しておく必要があるということです。
採用のミスマッチ防止と人材定着への取り組み
(1)採用面接での注意点
エンジニアの採用面接では、技術力を評価するだけではなく、その人物が企業のビジョンやカルチャーに適合するかも重視することが大切です。
具体的には以下の通りです。
- 技術力:専門知識を問う問題を出したり、実際のコーディングを課題とすることで評価します。しかし、ベンチャー企業では新しい技術を学ぶ意欲や柔軟性も重要視されます。
- カルチャーフィット:企業の価値観や働き方に対する理解・共感度を確認します。直接的な質問だけでなく、過去の経験や思考プロセスを掘り下げることで判断します。
以上の点を見落とさずに、面接を行うことが大切です。
採用面接でエンジニアを見極めるポイントは下の記事でまとめてご紹介していますので、ぜひご覧ください。
(2)新たな働き方への対応(リモート、フレックスなど)
エンジニアは新たな働き方を求めています。コロナ禍で多くの企業がテレワークを導入し、エンジニアもその恩恵を受けています。ここでは、リモートワークとフレキシブルな勤務時間への対応について掘り下げていきます。
リモートワークは、通勤時間の短縮や自身のペースで仕事ができるというメリットがあります。
メリット | 説明 |
---|---|
時間節約 | 通勤時間が減り、生産性が向上します。 |
自由度 | 自身のペースで仕事を進められます。 |
このような働き方を尊重し、導入することで、エンジニアとしてのパフォーマンスを引き出すことが出来ます。一方で、フレキシブルな勤務時間は、個々のライフスタイルに合わせた働き方を可能にします。
採用時にこれらの新たな働き方への対応を明確に示すことで、より多くのエンジニアの注目を集め、ミスマッチを防止することができます。
エンジニア採用のミスマッチを防ぐ方法をもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
まとめ
ベンチャー企業におけるエンジニアの採用は、企業成長の大きな鍵となります。そのため、根本的にエンジニアが求める条件を理解し、そのニーズに対応した採用戦略を構築することが重要です。
具体的には、求人広告の改善・最適化や、自社の魅力を発信することが求められます。さらに、外部求人サイトの活用、ソーシャルリクルーティング、専門的なヘッドハンティングといった方法を組み合わせることで、より効果的なエンジニア採用が可能になります。
また、ミスマッチ防止のための面接や、新たな働き方への対応も、エンジニアの定着に繋がります。
採用は一度きりのものではなく、定着までが一連の流れです。ベンチャー企業では、柔軟性と創造性を持って採用戦略を進めていくことが求められています。