スタートアップの採用では、企業独自の強みを分析しながら人手や資金など限られたリソースの中で自社の魅力を最大限伝えられる戦略を練ることが大切です。
今回は、スタートアップの採用が難しい理由や戦略を立てるうえで重要なポイント、適した手法や採用媒体を紹介します。重要な採用基準や人事担当者に求められる能力を解説しますので、ぜひご覧ください。
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スタートアップの採用が難しい理由
スタートアップの採用が難しい理由は、主に次の項目があります。
- 予算やリソースが限られているため、広い範囲に採用戦略を展開するのが難しい
- 大企業に比べて魅力的な条件を訴求できない
- 専任の人事担当者がおらず、採用ノウハウが不足している
- 安定したキャリアを求める人材に刺さりづらい
スタートアップ企業の採用を行う際に上記のような課題があっても、戦略的なアプローチや適切な手法を活用することで理想の人材を採用できます。
例えば、企業文化や成長の可能性を前面に押し出し、候補者が自社に魅力を感じるような採用ブランディングを強化することが有効です。また、ユニークな働き方や柔軟な労働条件をアピールすることで、大企業にはない魅力をアピールできます。
スタートアップ企業の採用戦略に重要なポイント
スタートアップ企業の採用戦略に重要なポイントを5つ紹介します。
採用ペルソナを設計する
どんな採用活動を行う際にも、必ず最初に採用ペルソナを明確に定義することで、効果的なアプローチ方法や採用プロセスを考えるのに役立ちます。
まずは、今後の事業展開や経営ビジョンを実現するうえで、理想とする人物像を明確にしましょう。次に、自社の中核人材にヒアリングを行い、自社で活躍する人材に共通した行動特性を分析してください。
例えば、目標達成意欲が高い、チームワークを大切にする、常に学び続ける姿勢を持つなど、自社で求められる行動特性を明らかにしましょう。
その後、ペルソナが持っておくべきマインドやスキルを定義することで、採用ペルソナが作成しやすくなります。
多くの企業には、たとえば「技術力が高いエンジニアが欲しい」といった抽象的なペルソナが存在します。今後の事業展開や経営ビジョンを考えながらより具体的にすることで、採用ターゲットをより正確に捉えられます。
採用市場における競合他社を確認し戦略を練る
次に、採用市場における競合他社の採用戦略を調査し、他社の訴求や自社と異なる点を把握しましょう。
競合他社を確認して差別化できる自社の強みをリストアップして整理したうえで、それを活用しながら採用の戦略を設計しましょう。
例えば、競合他社が特定の技術分野でエンジニアを積極的に採用している場合、自社もその技術分野での採用を強化するか、または異なる分野で独自性を持つ人材を採用する戦略を立てる必要があります。
競合他社が提供している待遇や福利厚生を上回る、または異なる魅力を提供することで優秀な人材の注目を集められます。
採用ブランディングに注力する
採用ブランディングを行うことで、自社の魅力や強みを伝えてターゲットに合った人材を採用しやすくなります。
採用ブランディングを行うポイントは、「自社が一番欲しい人材(ペルソナ)からの関心を引ける訴求」をあらゆる角度から考え、その一貫した訴求及びブランディングをもとに企業のホームページや募集要項、SNSなどで訴求を行うことです。
採用ブランディングがハマるかズレるかによって、特にベンチャー・スタートアップ企業のような規模の小さい企業は採用結果が大きく左右されるので、できるかぎり丁寧に行うようにしましょう。
採用CXで独自価値を提供する
スタートアップ企業は、候補者に対しての採用体験(=採用CX)にこだわることで、候補者を自社の「ファン」にし、認知から選考フェーズを通して自社への熱意を高めてもらうことが大切です。
採用CXの向上については、以下のような具体例があります。
- 応募後すぐに確認メールを送り、選考状況について定期的にフィードバックを行う
- 面接後すぐにフィードバックを提供し、次のステップについて迅速に連絡する
- 候補者にオフィスツアーを行い実際に働く環境を見せてカジュアルな交流の機会を作る
転職潜在層にアプローチする
多くの転職潜在層は新しい仕事を選ぶ際に、労働環境や仕事の充実感など具体的な情報を求めています。
しかし、いざ転職欲が高まった際に、すぐにそのような情報を得られないケースも多く、転職活動や企業選びに迷いが生じてしまうことがあります。
そこで、スタートアップ企業は、自社の労働環境や仕事の充実感など具体的な情報を発信することで、日常的に転職潜在層にも認知を広めながら、転職活動を促すことができます。
例えば、スカウトメールやSNSを通じて転職潜在層に直接アプローチすることや、日頃からLinkedInやTwitterなどで業界のトレンドや自社のカルチャーに関する情報を共有することで、自社に興味を持ってもらう基盤を作るなどが効果的です。
また、既存の社員のネットワークを通じてリファラル人材にアプローチすることも有効です。
スタートアップの採用に適した採用手法
スタートアップ企業におすすめの採用手法について、次の7つを紹介します。
- リファラル採用
- SNS採用
- ダイレクトリクルーティング
- 転職エージェント(人材紹介)
- 採用広報
- ヘッドハンティング
- インターン
リファラル採用
リファラル採用は信頼できる人材を比較的低コストで採用できるため、スタートアップの初期段階で特に役立ちます。
既存社員を通して職場の雰囲気や仕事内をリアルに伝えられるため、求職者の入社後のギャップをなくし定着率の向上を目指せます。
SNS採用
SNS採用はコストをかけずに広範囲にアプローチしたい企業に適しています。
例えばTwitterやInstagramを使って自社の文化やミッションを発信することで、応募者に自社の価値観を伝えられます。日々の活動や社員の声を共有すれば求職者が具体的に働く姿をイメージしやすくなります。
ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングでは、求職者だけでなく転職を考えている潜在層にもアプローチすることができます。
メッセージを送る際は、候補者に良い印象を与えられるよう前向きなコミュニケーションを心掛けましょう。候補者が興味を持った場合は「カジュアル面談」を行うのが有効です。
候補者の履歴書などの作成の手間がかからないカジュアル面談は、候補者が話を聞くハードルが下がり、優秀層と出会えるメリットがあります。
転職エージェント(人材紹介)
転職エージェントは成功報酬型の料金体系であるため、基本的に採用が成功するまではコストが発生しません。エージェントと要件をきちんとすり合わせできていれば、自社の工数を下げながら理想の人材を探すことができます。
採用広報
採用広報では、ブログ記事、SNS、採用動画、セミナーなど様々なコンテンツを活用しましょう。社員のインタビューや職場環境、事業内容や将来のビジョンなどを紹介し、自社の求めるターゲットに魅力を伝えてください。
ヘッドハンティング
ヘッドハンティングでは、外部のヘッドハンティング会社を通じて自社のターゲットに合う人材に直接アプローチしてもらうことができます。
リソースやノウハウがないスタートアップ企業にとって、あらゆるチャネルを活用してターゲット人材をピンポイントで見つけてくれるヘッドハンティング企業はぜひ必要に応じて活用していただきたいです。
インターン
新卒の採用に力を入れたい企業であれば、インターンシップを行うことで、多くの学生や求職者に自社を知ってもらえるため、将来的なエントリー数の増加にもつながります。インターンは学生や求職者にとっては自身のキャリアについて考え、企業文化を体験する貴重な機会です。
スタートアップの採用で大切にするべき採用基準
スタートアップ企業は、事業展開や市場への対応など様々な変化に柔軟に対応しながら、自走できる人材を取ることが企業成長につながります。
スタートアップの採用には、次の3つの採用基準を大切にしてください。
・変化への適応力
・カルチャーマッチ度合い
・成長意欲の高さ
変化への適応力
スタートアップ企業の環境は変化のサイクルが速いため、新しい課題に素早く対応して最適な解決策を導き出せる能力が求められます。
例えば新技術が出てきたとき、適応力のある人材はすぐにその技術を学び仕事に活かす方法を考え出すでしょう。市場の動向が変わった際には、変化をチャンスと捉えて新しいビジネスモデルを提案するかもしれません。
採用を行う際には、応募者が過去にどのように変化に対応してきたか、面接や適性テスト、実務経験を行い評価しましょう。
カルチャーマッチ度合い
スタートアップ企業において、カルチャーマッチ度合いを重視した採用は非常に重要です。組織規模が小さく、一人あたりの与えるインパクトが大きいスタートアップ企業では、企業理念に共感できる人材は、企業の成長に大きく貢献するからです。
求人広告に企業理念を明確に記載したり、面接で人間性を深掘る質問をしたりしましょう。
例えば、「イノベーションで社会を変える」という理念を掲げていれば、「前職のプロジェクトやプライベートの活動で、創造力を発揮してイノベーションを起こしたことを教えてください。その取り組みがどのように周囲に影響を与えたかも説明してください。」といった質問ができます。
成長意欲の高さ
成長意欲の高い人材は、企業が直面する新たな課題や機会に迅速に対応できます。
成長意欲の高さを判断するために、面接時に次の質問をして判断しましょう。
- 最近、自分を成長させるために取り組んだことや学んだことは何ですか?
- これまでのキャリアの中で、最も成長できた経験を教えてください。
- 新しいスキルや知識を学ぶために、どのような方法を利用していますか?
スタートアップの採用時に求められる能力
スタートアップの採用担当者は、次の3つの能力が求められます。
・マーケティング思考
・コミュニケーション能力
・人物評価能力
マーケティング思考
スタートアップ企業の採用担当者は、マーケティング思考を持つことでターゲットに刺さるコンテンツを作成できます。マーケティング思考を養うためには、日頃から競合他社の採用戦略や成功事例をインプットして、各社がどんなペルソナに対してどんな仮説のもと施策を行っているのかなどを探しましょう。
コミュニケーション能力
応募者との円滑なコミュニケーションは、採用選考がスムーズに進められる他にも、ポジティブな印象を与えることにもつながります。
求人情報や面接スケジュールをわかりやすく整理し、メールなどのやりとりを効率的に行えるようにしたり、候補者からの興味を惹きつけるような話し方を意識しましょう。
人物評価能力
スタートアップ企業は、一人が組織に与えるインパクトが大きいので、採用担当者はポテンシャルを見る能力が必要です。
例えば、面接時には単に技術スキルや経験を確認するだけではなく、「過去に直面した困難な状況とそれをどのように解決したか」などを質問することで、応募者の適応力や問題解決能力を評価します。また、チームでの働き方やコミュニケーションの取り方について具体的なエピソードを聞くことでその人物が企業文化にフィットするかどうかを判断しましょう。
さらに、面接以外にも実務テストやグループディスカッションを行い、応募者の実際の行動や反応を観察することも有効です。
スタートアップ採用の採用媒体
スタートアップ採用の募集サイトを紹介します。
・Wantedly
・Findy
・YOUTRUST
・Green
それぞれの概要を解説します。
Wantedly|カルチャーにフィットする人材を集められる
Wantedlyは、スタートアップ企業特有の理念や文化を訴求するのに効果的なサイトです。給与や福利厚生の情報を載せることが禁止されているため、より企業カルチャーに共感した人材からの応募が期待できます。
採用広報としても活用できる「ストーリー機能」では、企業の魅力をブログのように発信できます。SNSでのシェアも可能で、多くのユーザーにアプローチできるのが特徴です。
また、新卒、中途、パート、業務委託、副業など求める就業形態をタグで設定して求人を掲載できるため、柔軟な働き方を求める人材を見つけられるでしょう。
Findy|エンジニアに特化
Findyは、エンジニアの採用に特化した企業とのマッチング転職サービスです。人材のプロフィールと企業の求人票をAIが分析し、最適な人材をマッチングさせるサービスです。
プロフィールを見て気になった人に直接メッセージを送付できるため、企業側から直接人材にアプローチできるのが特徴です。
さらに、面談はユーザーサクセスと呼ばれるFindyの担当者に行ってもらえます。企業の意図を汲みながら代わりに面接の代行をお願いできるため、採用に時間がかからないのがメリットです。
YOUTRUST|「友達の友達」をスカウトできる
YOUTRUSTは、SNSのようにネットワークのつながりから採用につなげられるキャリアSNSです。
友達のつながりを活用して、より信頼性の高い様々な人材にアプローチできるのが特徴です。その返信率は約50%で、リファラル採用やダイレクトリクルーティングを検討している方におすすめです。
企業の求人募集の掲載自体は無料ででき、有料プランを使用すると友人と「友達の友達」までスカウトを送信することができます。
Green|IT/Web系の人材が50%以上
Greenは、IT/Web業界の経験者採用に強い成功報酬型の求人メディアです。120万人以上の求職者にアプローチでき、特にIT/Web系の人材が50%以上を占めています。採用実績の約70%は25歳〜39歳の若手経験者です。
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まとめ
今回はスタートアップ採用について、採用戦略に重要なポイントや適した手法などを解説しました。
スタートアップの採用は、その性質により課題が多いですが、適切な戦略とツールを用いることで難しさを克服できます。
本記事を参考に、スタートアップの人材獲得に役立てていただければ幸いです。