採用活動において、「採用計画」は非常に重要なポイントで、ここをどこまで緻密に細かく行うかによってその後の採用活動の成果に大きく影響していきます。
DX化やAIの普及によって業務の効率化ができている企業も多いですが、そうはいっても企業が拡大していくには新たな人材の確保が必要不可欠です。つまり、企業は事業計画と並行して採用計画も考えていく必要があるのです。
ただ、近年の人口減少や働き方の変化、コロナウイルスの蔓延など、予測できない世界情勢などによって採用市場も大きな影響を受けているため、企業はそのような採用市場の変化に合わせて計画を練らなければいけません。
このように、一言で「採用計画」と言っても考えることが多く奥が深いので、本記事では「採用計画を立てる基本的なフロー」「採用計画の時点で想定しておく外部ツール」「採用を失敗しないようにするポイント」などを詳しくご紹介します。
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採用計画とは?
採用計画とは、事業計画などから割り出した人的リソースに基づいて、どの部署に、いつまでに、何人、どのような人を、どのような方法で採用するかをスケジュールや動き方なども含めて設計したものです。
数値的な採用計画を立てていないと、採用がうまくいった、あるいはうまくいかなかった時に「具体的にどのくらい基準からずれているのか」を知ることができないので、採用活動が感覚的かつ不安定になってしまいます。
また、求める人材の要件や理想像(ペルソナ)を設計していないと、入社後のミスマッチを引き起こしてしまう可能性が高く、場合によっては早期離職につながってしまいます。
このような事態を防ぐためにも、ざっとの想定でも良いので数値的/定量的な採用計画と定性的な採用計画を決めておくことが重要なのです。
採用計画と採用戦略の違いとは?
「採用計画」と「採用戦略」はかなり似たニュアンスの言葉なので同じ意味として混同されることもありますが、厳密には違ったニュアンスがあります。
採用計画と採用戦略の違いは、下記の通りです。
採用計画:
事業計画と合わせて、必要な人材を集めるスケジュールや目標値を設計する(When・What)
採用戦略:
採用の目標値やコストをもとに、具体的な媒体や運用方法など「どのような手段を用いて採用していくか」を考える(How)
つまり、採用計画をで目標人数やスケジュール感を設計し、採用戦略でさらに施策レベルまで落とし込んでいくというイメージです。
採用計画を立てる7つのステップ
では早速、採用計画を効率的に立てるためのステップを7つ紹介します。
STEP①採用目標と採用目的を明確にする
採用計画を練る前に、「そもそもなぜ採用活動を行うのか」を振り返りましょう。
なぜ今その人材が必要なのか、外注ではなく採用しなければいけないのか、その人を採用して実現したいことなどを言語化することによって「どのようなスキルを持った人が必要なのか」「いつまでに採用しなければいけないのか」「採用における優先順位」を理解することができます。
この始めの採用目標や目的を疎かにしてしまうと、この後の計画にズレが起きてしまいます。正解がないテーマなので簡単に終わらせてしまいがちですが、なるべく深堀りしていきましょう。
STEP②理想とする採用ターゲットを決める
採用目標や目的を定めたら、「具体的にどんな人を採用したいのか」という理想とする採用ターゲット像(ペルソナ像)を決めましょう。また、その人物像が自社で採用できるのかどうか、採用市場においてどれくらい難易度が高いのかを客観的に確認しましょう。
採用要件・ペルソナ設計
まず、採用ターゲットは、「スキル」と「人間性」に分けて考える必要があります。また、それぞれ「MUST(必須要素)」「BETTER(あったらより良い要素)」と「NG要素(1つでも当てはまったら除外対象になる要素)」に分解するのがおすすめです。
それぞれの例を下記でご紹介します。
<スキル>
■MUST:
- toC/toB向けに3年以上の営業経験
- 目標から逆算したKPI設計の経験
■BETTER:
- マネージャーor事業責任者の経験
- IT商材に携わった経験
■NG:
- CRMツールを使ったことがないこと
- 計画性なく体当たり的に商材を売っていたこと
<人間性>
■MUST:
- 20~35歳
- 競争が好きで強い向上心があること
■BETTER:
- 子育ての経験
- スポーツの経験
■NG:
- ギャンブルが好き
- 他責思考が強い
採用ターゲットの採用難易度の調査
採用ターゲットが決まったら、その人材が採用市場においてどのくらい採用難易度が高いのかを知っておく必要があります。
採用難易度をはかる方法はいくつかあり、例は以下の通りです。
- 職種を採用媒体で調べて、求人数を見る(=採用競合の多さがわかる)
- 同じような要件で出している求人の年収をみる(=年収相場が高いほど難易度が高い)
- すでに媒体を導入していたら、要件で絞ってヒットする人数を確認する
「ITエンジニアだから採用が難しい」「若手営業職だから割と簡単に採用できる」などと感覚値で判断するのではなく、しっかりと数値を見た上で判断するようにしましょう。
また、採用緊急度と合わせてこれらの採用難易度も加味した上で採用計画(スケジュール)を立てていくことで、後々焦る可能性を減らすことができるので、ぜひ一度見直してみてください。
STEP③大まかな採用スケジュールを決める
採用ターゲットまで決定したら、いよいよ採用スケジュールを立てましょう。
スケジュール感としては、基本的に「採用期日から余裕を持って逆算したスケジュール」を立てることが重要です。採用期日ギリギリにしてしまうと、採用活動に滞りがあったり内定辞退が発生した際にかなり焦ることになります。
上記はざっくりとしたフローを出したスケジュールですが、採用手法が決まった後であれば下記のようにもっと細かくtodoベースでスケジュールを立てることもできます。
こちらのテンプレートは、Googleスプレッドシートの一覧画面上部にある「ガントチャート」をクリックすることで無料ダウンロードできます。
スケジュールを決めておくことで、最適解を求めすぎて採用活動が遅延したりすることも防げますし、todoと期日が明確になることで社内の体制も整えやすくなりますので、ぜひ作成してください。
STEP④採用手法を選定する
採用スケジュールが決まったら、採用手法を決めましょう。採用手法は母集団形成の質や効率を大きく変えることになるので、自社の採用スケジュールやリソース、予算に合わせて慎重に選ぶ必要があります。
主な採用手法が以下の通りです。
- 転職サイト(求人広告)
- 人材紹介
- 転職フェア
- 人材派遣
- ハローワーク
- 自社ホームページ
- ダイレクトリクルーティング(スカウト採用)
- ソーシャルリクルーティング(SNS採用)
- リファラル採用
- ヘッドハンティング
- ミートアップ
- アルムナイ採用
- web広告
それぞれのコストや特徴、メリット/デメリットをしっかりと理解した上で自社の採用予算やリソースに合う手法を選択しましょう。
また、採用手法を選択してからも「じゃあ具体的にどの媒体/業者を使うのか?」によって採用成果は大きく変わりますので、どの手法を選ぶにしても慎重に進めていくのが大切です。
STEP⑤採用体制を整える
採用手法がある程度決まったら、採用にかかるリソースの洗い出しと採用体制の構築をしましょう。
リソースを洗い出す方法
まず、採用を開始した時点から内定者フォローまでにかかる工数を箇条書きで洗い出します。
<例:採用媒体/ダイレクトリクルーティング/SNSを利用する場合>
- 採用媒体の初期設定を行う
- 求人を作成する/社内確認
- スカウト文章を作成する
- スカウト候補者のピック/社内確認(週2回)
- スカウト送信(毎日)
- SNSアカウントの作成
- クリエイティブ作成(週3回)
- 定期的な投稿
- 応募者確認
- 日程調整
- DM対応
- 書類選考
- 面接
- 内定オファー
- 内定者フォロー
上記はあくまでもざっくりなので、もう少し詳細に記載する必要がありますが、このようにtodoベースで洗い出すことで「現在の採用チームで対応可能か」「社内の他のリソースが必要か」「外部のツールや代行業者が必要か」が分かるようになります。
採用体制を構築する方法
次に、採用体制を具体的にどう構築するかをご紹介します。
上の図はあくまでも一例ですが、基本的には「全体を統括する採用責任者or CHRO」がおり、その下に「業務を管理したり表に立つメイン担当者」がおり、さらにその下に「指示を受けて手を動かすメンバー」がいるという構造です。
すごく小さい会社であれば「ひとり人事」や「経営者が採用活動を兼務している」という場合もありますが、基本的に採用活動自体がそのような少ないリソースで回せるほどの工数ではないので、下記でお伝えする諸々の方法を利用しながらきとんと体制を構築した上で役割分担をしておくことをおすすめします。
■人事以外のメンバーに協力してもらう場合
採用体制は、採用担当だけで構成しなければいけないわけではありません。IT人材の採用ならエンジニア、営業担当なら営業の現場メンバーなどに協力してもらうことで、より候補者目線で質の高い採用活動ができるようになります。
また、一時的にインターン生を雇うことも1つの手です。
日程調整などの仕組みがある程度決まっている業務については、あまり難しいことを考えずに業務を進めることができるので、採用経験のない学生やパートの方にも任せることができます。
■外部のリソースを活用する場合
社内にリソースがない場合は、「採用代行サービス(RPO)」を利用するのもおすすめです。
採用代行とは、その名の通り採用業務の一部または全てを委託することができるサービスで、採用の知見を幅広く持っているプロの担当者に自社のリソースを代わってもらうことができます。
一言で採用代行と言っても
- 業務の代行のみを行う
- 戦略設計などの上流から可能
- ダイレクトリクルーティングやIT人材などに特化している
などと、それぞれの企業が得意とする領域は様々です。
採用代行の導入を迷われている方は、ぜひ下の記事もご覧ください。
STEP⑥母集団形成〜入社までのフローを整える
採用体制がととのったら、母集団形成から入社までの準備をしてフローを整えましょう。
フローの整備は採用スケジュールの整備とも似ており、”必ずやらなければいけないこと”ではありません。ですが、フローを整えておくことでイレギュラーなことが起こってもスムーズに対応できたり、より効率的に採用活動を進められます。(ひとり人事の方や、採用に関わる人数がすくない企業であればスキップしても大丈夫です)
やることとしては以下の通りです。
- スカウト業務や求人票作成などのベース文章作成
- 採用管理ツールの使用方法の確認
- イレギュラー事案が起こった際の一次対応者の決定
- 採用担当者以外のメンバー・経営者との連携方法の確認
それぞれ、求人掲載などの母集団形成を本格的に始める前に改めて確認しておくことで「こういう時ってどう管理するんだっけ?」「この場合、誰が対応すればいいかな?」といった採用活動の中での滞りを最小限に抑えられます。
STEP⑦社内のチェックを通す
最後に、改めてここまでに決定したことを採用に関わる社内の人全員に確認してもらいましょう。
採用ターゲットはもちろん、採用スケジュール、一番大々的に訴求する文言の確認など、30〜1時間のミーティングなどで確認してもらうことで、採用活動における認識のズレをなくすことができます。
また、ここで社内のメンバーからの客観的なフィードバックをもらえると、採用活動の生産性や質を挙げられるチャンスなのでぜひ行ってみてください。
新卒採用、中途採用の採用計画の立て方の違い
新卒採用・中途採用の採用計画の違い
以下は、新卒採用と中途採用の相違点をまとめた表です。目的から採用基準、採用手法、そしてマナー研修の有無まで、両者の異なる要素が明確に示されています。これらの違いに留意しながら、効果的な採用計画を策定しましょう。
新卒採用 | 新卒採用 | |
---|---|---|
目的 | ・企業文化の継承 ・将来のリーダーポジションを育成 | ・人員増強 ・新たな知識の導入 |
採用対象 | 来年or再来年卒業予定の学生 | 社会人 |
採用基準 | ・企業文化に共感している ・○年に大学を卒業予定 | ・自社が求めているニーズを満たしている ・即戦力となる知識を持っている |
募集時期 | 毎年6月~12月 ※通年採用している企業もいる | 通年採用 |
採用手法 | ・説明会やインターンシップ ・採用媒体 ・リファラル採用など | ・採用媒体 ・リファラル採用 ・人材紹介など |
マナー研修の有無 | あり | 企業によってはあり |
新卒採用の場合
学生が社会に出る前に、会社や仕事について理解を深めるためには、十分な情報提供が不可欠です。また、実務経験のない学生が自社に適しているかどうかを判断するには、双方が理解を深める機会を多く持つことが重要です。このような理由から、新卒採用のプロセスは通常、中途採用よりも時間がかかる傾向があります。
中途採用の場合
中途採用計画を策定する際に重要なのは、採用要件と入社時期です。特に入社時期は、急な欠員などの状況に応じて変更されることがあります。また、転職希望者は選考段階で既存の企業に在籍していることが一般的です。そのため、内定後に勤め先との退職交渉を行い、業務の引継ぎを経て退職する必要があります。このプロセスには通常、内定から1~2ヶ月程度かかることが一般的です。採用スケジュールは、内定から入社までの期間も考慮して設定することが重要です。
採用計画立案後の具体的なアクション
採用計画を立案したら、実際にアクションを行なっていきます。
社員の協力を得て採用活動を進める
リファラル採用はもちろん、採用イベントや面接においても現場の社員の協力は不可欠です。採用サイトやSNSの採用ページにおいても、「先輩社員」の存在が重要です。
現場に協力を依頼する際には、単にその場その場での支援を求めるのではなく、採用戦略の概要を説明し、「なぜ彼らの協力が必要なのか」を十分に理解してもらうことが重要です。
また、協力を得た後も、その成果や結果について丁寧に報告することが大切です。
採用サイトやSNSの定期的な更新
採用広報のページを設けても、定期的な更新がなければ、候補者の流入も止まってしまいます。採用広報はコンテンツ設計が最も時間のかかる部分なので、解説から数ヶ月後には運用が止まっているケースも多数あります。
採用ページは採用ブランディングの重要な部分です。求人票だけでは伝えきれないコアな情報を、採用広報で伝えることにより、自社のファンをつけたりカルチャーマッチ採用を行うことが可能です。
もし採用媒体や人材紹介を利用しているにも関わらず、応募が来ない企業は、採用広報を見直してみましょう。
「どんな人材が働いているのか?」「どんな経営理念があるのか?」など、入社後のイメージがわくコンテンツや、企業のビジョンを伝えると効果的です。
採用活動を始める
採用手法が確定したら、実行に移していきます。
種類によってはたくさん工数がかかるものから、一切かからないものなど、大きな差があります。リソースがいっぱい過ぎて最終的に中途半端な運用になってしまうのは勿体無いので、足りない場合はアウトソースしたり、手法を減らすなど工夫することが重要です。
採用手法の中でも、近年注目を集めているのは「ダイレクトスカウト」です。
ダイレクトスカウトの作成に際しては、一般的なテンプレートではなく、個々の候補者に合わせたメッセージを送ることが重要です。候補者がなぜスカウトされたのかが明確であり、入社のメリットが明確に伝わるような内容にすることで、返信率も向上します。
しかし、ダイレクトスカウトは運用に大きな工数がかかってしまうので、業務の一部または全てを外注する企業が増えています。効率的に運用を行いたい企業は、採用代行(RPO)にアウトソースしてみるのもいいでしょう。
選考を行う
通常、応募があると次の段階は選考に進むことが一般的ですが、自社からアプローチした場合や候補者の志望度によっては、「カジュアル面談」からスタートするなど、接点の取り方を柔軟に調整しましょう。
カジュアル面談は、お互いをよく理解し合うための情報交換の場であり、コミュニケーションを深める機会です。企業側の利点としては、転職を考えていない層にもアプローチできる点や、自社の魅力をアピールできる点、ミスマッチを防げる点が挙げられます。
さらに、選考や面接では、募集要項で明示した「Must」と「Want」を具体的に評価し、採用基準を明確にしておくことが重要です。これにより、面接官ごとに採用基準が異なるという混乱を避けることができます。
内定・入社フォローを行う
辞退を防ぐためにも、選考中および内定後のフォローアップは極めて重要です。候補者の疑問や不安を解消するためには、彼らが必要とする情報を遠慮なく提供し、会社のリアルな姿を率直に示すことが必要です。
さらに、候補者が抱えている「働く上での懸念や問題」に対する解決策を、自社が提供できることを明確に伝えることで、志望度を高めることができます。
まとめ
採用計画を立てる際のポイントや手順、そして実行後の取り組みやテンプレートの活用方法についてご紹介しました。
入念に計画を練り上げ、堅実な基盤の下に採用計画を築くことは、採用力の向上に繋がり、優秀な人材との出会いを促します。ぜひ本記事の手順やテンプレートを参考にしながら、採用計画の立案に役立てていただければ幸いです。
最後に弊社即戦力RPOでは、マーケティング視点を活用して採用の戦略設計から運用まで行っています。採用計画の立案でお困りの企業は、まずは無料相談かからお問い合わせください。