【採用広報】成功事例10選!メリットやおすすめの手法も解説!

企業情報を積極的に発信し、適切な人材を引き寄せる「採用広報」。人材紹介会社や求人媒体を利用するよりも、より効率的な採用活動が可能なため、多くの企業が注力しています。

ただし、初めて採用活動に取り組む際、自社に最適な採用方法を見つけるのは容易ではありません。そこで、この記事では他社の成功事例を厳選してご紹介します。

さらに、SNSを活用した最新の採用活動トレンドや、その他の採用広報手法も取り上げますので、ぜひ参考にしてください。

目次

採用広報 事例10選

採用広報が成功している企業を13社紹介します。

1. 株式会社サイバーエージェント

株式会社サーバーエージェントは、インターネット広告業を中心に「広告代理店事業」と「アドテクノロジー事業」を運営しています。エンジニア採用広報では「note」を活用し、その他にも新卒採用向けに「YouTube」を運用したりと、多方面で採用広報に力を入れています。

【note】CyberAgent|エンジニア採用広報
【YouTube】サーバーエージェント新卒採用

2. freee株式会社

freee株式会社は自社の採用サイトを設けており、その中で採用ブログを出しています。主に新卒・中途入社の社員インタビューですが、freeeで働く人の魅力や雰囲気を知ることができるので、カルチャーマッチ採用において非常に効果があるでしょう。

【新卒】新卒採用ブログ
【中途】中途採用ブログ

3. 株式会社ベネッセコーポレーション

ベネッセコーポレーションは、2023年5月に「変革事業計画」を発表。、生成AIの活用、DX人財の採用・育成に注力し、IT人材の採用を強化する体制に。それに伴い採用広報も強化し、9月に公式noteを開始しました。生成AIや社員インタビューなど、採用にまつわること全般配信しています。

【note】ベネッセコーポレーション採用広報

4. Xtalent株式会社

Xtalent株式会社は、フェアな労働市場を作るをミッションにDEIの推進を支援する企業です。

Notionの採用サイトを構築しており、自社の魅力や強みについて書き記しています。Notion以外にもポッドキャストで事業が生まれた背景や今後のビジョンについて話したり、noteでは代表が直接記事を書いたりと、さまざまなチャネルを使って採用広報に力を入れている印象があります。

【Notion】Xtalent株式会社 公式Notion
【note】上原達也|XTalent代表
【ポッドキャスト】#DEIのカタチ

5. 株式会社Gaudiy

株式会社Gaudiyは「LLMを活用したエンタメ体験の開発」や「Web3を実現するためのブロックチェーンR&D」などの事業を展開しています。

中でもエンジニアとデザイナーの採用に注力しており、専用のコーポレートサイトが設けられているほどです。サイトを見てみると、組織図や技術スタックのデザインがおしゃれだったり、テックブログの掲載、これまで制作した作品が見れるなど、エンジニア・デザイナーが興味を惹くようなUI/UX仕様になっています。

【エンジニア】エンジニア採用ページ
【デザイナー】デザイナー採用ページ

6. 株式会社メルカリ

メルカリはスマホで簡単に物を売り買いできる「フリマアプリサービス」を提供しています。

そんなメルカリ社はグローバル採用を強化しており、コーポレートサイトも日本語もしくは英語を選択することができます。社風やメルカリの社員の働き方を知ることができるメディア「mercan」や、エンジニア向けテックブログの「mercari engineering」を運営しています。

【採用ブログ】mercan
【テックブログ】mercari engineering

7. LINEヤフー株式会社

LINEヤフー株式会社は、世界230以上の国と地域で利用されている無料通話・無料メールアプリ「LINE」を基軸として複数の事業を展開しています。

2019年7月からリファラル採用を強化し、結果として人材紹介を活用した時より10倍以上の成果を上げました。成功の鍵は「社員を巻き込んだこと」。具体的には毎週の定例会で募集ポジションを発表したり、リファラル手当を紹介者にも入社した社員にも支給するなどして、全500名以上の社員に協力してもらいました。

【リファラル採用】LINEがリファラル採用の徹底を発表。社員自らが「自分たちのチーム」を作る意義

8. 株式会社SmartHR

株式会社SmartHRは、業務業務を効率化するクラウド人事労務ソフトの事業を運営しています。

SmartHRは採用ピッチ資料を始めた会社でもあり、ネットに公開したことで「応募数が5.3倍に増加、閲覧数が40万回超」と応募数を大きく上げることができました。応募数の影響以外にも、事前知識を仕入れて面談に来てくれる応募者が増えたので、会社説明の時間が減り、質疑応答に多くの時間を割け、面談の効率も上がったとのこと。

【採用ピッチ資料】SmartHR会社紹介資料

9. トゥモローゲート株式会社

トゥモローゲート株式会社は、ブラックな社長で知られ、企業ブランディング事業を主軸に展開しています。

採用ではTikTokを積極的に採用し、社長へのインタビューやビジネスエンタメ動画を発信しています。Z世代はTikTokから情報収集することが多いため、若い世代を中心に注目されているアカウントです。

TikTokだけでなく、TwitterやYouTube人気も高い西崎社長は、自身のブランディングが非常にうまいことから採用に繋げることができました。

【TikTok】ブラックな社長 西崎康平
【X(Twitter)】西崎康平@ブラックな社長
【YouTube】西崎康平 ブラックな社長

10. 株式会社ギフト

「家系ラーメン」を全国および世界に広める株式会社ギフト。

当初は数千万円の予算をかけながらも、飲食業界の不人気が原因で、内定者が全くいないという状況でした。そこで大胆にも、企業の名前を「株式会社町田商店」から「株式会社ギフト」に変更。企業スローガンも「家系を、世界への贈り物に。」に刷新しました。

同時に、新しく採用サイトと採用パンフレットも作り直し、コンセプトの一新を図りました。さらに、独自のアプローチとして「ラーメン説明会」を開催。参加者は同社のラーメンを味わいながら説明を受け、世界展開に向けたワークショップに参加するユニークな企業説明会です。

その結果、初年度から高卒・大卒を合わせて15名の新メンバーを採用することができました。

【公式サイト】株式会社ギフト 公式HP

採用広報のメリット

ここまで採用広報の事例を解説してまいりました。続いては採用広報を行うことで感じるメリットについて解説します。

カルチャーマッチ採用ができる

採用広報の最も大きなメリットとも言える「カルチャーマッチ採用」。

媒体や人材紹介ですと、提供できる情報量が限られているので、自社の魅力を出しきれなかったり、どうしても年収や福利厚生などの待遇に惹かれて応募が集まるケースが多いので、カルチャーに共感してくれる人物の採用が難しいです。

ですが、採用広報は自社の魅力をさまざまなチャネルを用いて伝えることができるため、「ビジョン」や「価値観」に共感した人材を中心に採用することができます。

採用コスト削減

採用広報は媒体や人材紹介と異なり、採用をするためのツールではないため大きな費用がかかりません。

そのためNotionやnote、自社のオウンドメディアからの流入の場合、成功報酬が一切かからないため、採用コストを大幅に下げることができます。最初の立ち上げにかかり費用や、有料プランの場合別途費用がかかってしまいますが、それでも媒体や人材紹介よりはコストを安く済ませることができるのでおすすめです。

転職潜在層にアプローチ可能

コンテンツが良ければ色々な方に拡散してもらえるため、転職潜在層の目に留まる可能性もあります。特にX(Twitter)やTikTok、YouTubeなどのチャネルは拡散性が高いため、多くの方に見てもらうことが可能です。

また、優秀な人材ほど、常に複数の会社から声をかけられることが多いため積極的に転職活動を行なっていないため、そもそも媒体や人材紹介に登録していないことが多いです。このような人材にアプローチするためにも、採用広報を積極的に活用しましょう。

リファラル採用の活性化

リファラル採用は知人や友人に会社を紹介して、入社に繋げる採用のことを指します。

採用広報のために作ったコンテンツは全て資産となって残るので、リファラルで紹介した知人に自社の紹介資料として共有することができます。

長年働いていても自社の魅力を言語化するのが難しかったり、紹介する部署が違うと魅力が伝わりにくなったりするので、そのような場合には採用広報で作成した資料を活用しましょう。

採用広報の成功のコツ

続いて採用広報を成功させるためのコツについて解説します。

チャネル選定

どれを活用して採用広報を行うのか、自社に最も適したチャネルを決めましょう。

採用広報といってもさまざまな手法があります。文字、写真、動画、ラジオなど、色々な選択肢がある中で、運用できるリソースやコスト、その領域に詳しいメンバーがいるかどうかなど、自社に適した採用広報を行う必要があります。

また広報は継続が大事になるので、コンスタンスに投稿することが求められます。どのチャネルだと一番自社の魅力を伝えられるか検討した上で、まずは数を絞って始めましょう。

引きのあるアイキャッチ画像

コンテンツはキャッチコピーとアイキャッチ画像のデザインが非常に重要になります。

そのため、少しでも多くの人にクリックされるには「引きのあるタイトル」を設定しましょう。クリックされやすいタイトルは「実績が可視化されているもの」「共感を狙ったもの」「データのまとめ系」など、共感やオリジナル性のあるものがクリックされやすいです。

YouTubeのサムネを例に解説していきます。

比較すると、一目瞭然でクリックしたい画像がわかると思います。色味、キャッチコピー、文字の配置で引きのあるサムネイル画像を作成することができます。

コンテンツに力を入れても、サムネのデザインがあまりよくなかったらそもそも見てもらえないので、コンテンツの質、サムネどちらも力を入れて作成しましょう。

採用広報の種類

採用広報の種類について解説します。各チャネルごとに特徴があるので、こちらを参考に自社に最もマッチしたものを選んでみましょう。

Notion

画像引用:株式会社コークッキング

Notion一つで、求人票作成からメディアの掲載、候補者管理まで一括で管理することができます。管理だけでなく情報量も余すことなく伝えることができます。

求人媒体や人材紹介だと、必要最低限の情報しか記載できず、各種SNSの場合は更新するごとに流れてしまうので、残りづらくなります。

一方のNotionは採用サイトのように編集や更新を自由に行うことができ、また自社色にUI/UXを変更することも可能です。採用サイトを一から作るとなると、100万円以上のコストがかかってしまいますが、Notionは低コスト且つ、エンジニアがいなくとも作成することが可能なので、最近多くの企業で導入されています。

Instagram

画像引用:TBS採用公式インスタグラム

Instagramは20代を中心に活用されている媒体と思いがちですが、実は性別・世代関係なく多くの方が活用しているSNSです。拡散性は低いものの、アルゴリズムがしっかりしているので、ターゲットにリーチしやすいのが特徴です。

そんなInstagramは画像を用いて自社の魅力を視覚的にアプローチすることが可能です。また画像に統一性があれば、会社の色を出すことができるので、アカウントに統一性を出すことができます。

また、中途よりも新卒採用で利用する企業が多いです。
新卒は就活準備でSNSなどで事前に会社や就活情報を検索します。例えば「#新卒採用」といったハッシュタグで、上位を狙うことができれば多くの学生に認知してもらえます。

活用するときは、投稿に統一性を持ちつつ、ハッシュタグを活用しましょう。

X(Twitter)

画像引用:即戦力RPO 公式Twitter

X(Twitter)は拡散性が高いかつ、工数がかからないSNSなので、すぐに始めることができるのが特徴です。またSNSの中でも最も登録者数が多く、色々な層の方にアプローチすることができます。

近年、SNS採用がトレンドになり、自社のことを発信しつつ気になる候補者にDMでスカウトしたり、X(Twitter)上で求める人物像をツイートして募る手法が増えています。一方で候補者から「逆求人」という形でツイートすることもあり、特にエンジニアの中でX(Twitter)転職が流行っています。

採用広報に対するハードルが高い方は、まずはX(Twitter)から始めてみるのをおすすめします。

TikTok

画像引用:三和交通@TAXI会社

Z世代を中心に流行っているTikTokは、若手人材の採用手法として最近注目を浴びています。YouTubeよりも作成の手間がかからず、且つ拡散性の高い媒体です。

流行りの音源や撮り方があるので、その流行りに合わせてコンテンツを作ることで、多くの人からの興味を集める事ができます。

動画コンテンツはこれから流行ると予想されているので、この波を逃さず導入してみましょう!

YouTube

YouTubeは、テキストや写真では表現しきれないリアルな雰囲気を伝えることができ、企業の業務や社風を分かりやすく伝える手段です。

自社の雰囲気だけでなく、企業のPR動画としてプロの人に依頼して一つのCMを作成する企業もあります。

文字や写真で自社の魅力を伝えるのも重要ですが、動画コンテンツを取り入れることでよりるリアルさを伝えられるのでおすすめです。

note

画像引用:ベネッセコーポレーション 公式note

noteは文章だけでなく、画像、音声、動画と、様々な掲載方法で自社をアピールする事ができます。

記事を掲載すると「いいね」がもらえ、このいいね数が高いと上位に表示される仕組みです。また、SNSの連携機能がついているので、良質なコンテンツはいいねに拡散してもらうこともあります。

このような拡散性の高いメディアプラットフォームとして、最近はベンチャーから大手企業まで活用する企業が増えました。

オウンドメディア

画像引用:即戦力RPO オウンドメディア

オウンドメディアとは、企業が自社で保有するメディアのことを指します。そのためデザインや配置、掲載する内容など自由に決める事ができ、また掲載したものは資産として残ります。

オウンドメディアは作成やデザインに費用がかかりますが、それ以外は月数千円の維持費なので、採用単価を非常に抑える事ができます。

ただ自然流入が難しく、認知度が低い企業はあまりアクセスしてもらえず、オウンドメディアを作成してもみられる事が難しいです。そのため、他の採用広報も並行して行い、各所に自社のオウンドメディアのリンクを掲載しましょう。

Wanetdly

画像引用:株式会社ミギナナメウエ Wantedly

月額5万円から利用できるWantedlyは、採用広報の機能が備わっている求人媒体です。

採用広報の機能として、ストーリー記事という自社について自由に掲載できる機能があり、主に社員インタビューやプロダクトに対する思いなどを掲載している企業が多いです。このストーリー記事には順位が設けられており、PV数によって順位が決まります。

またWantedlyはSEO機能が強いので企業名を検索すると、自社サイトに次に表示される事が多いです。そのため違うサイトから自社のことを知って検索したが、Wantedlyを拝見して応募につながっるケースもあります。

まとめ

成功事例を見て「これを導入したい」と思っても、実現可能な予算やリソースなどを考慮することが肝要です。自社に合致する手法や、ターゲットに応じて最適な成果を出せる手段を見極めましょう。

また、単に応募数を増やすだけでなく、本当に自社に適した優秀な人材を獲得し、長期的な雇用を促進することも、採用広報の重要なミッションです。採用後の展開も見据えながら、採用広報施策を展開していくことが求められます。

採用数を増やすことに一喜一憂せず、採用の本質を考えた施策を打つためにも、この記事を活用してください。

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この記事を書いた人

井上愛海のアバター 井上愛海 株式会社ミギナナメウエ 執行役員

2022年9月東京大学大学院在籍中に株式会社ミギナナメウエの執行役員に就任。
即戦力RPO事業の事業責任者を担い、これまでに80社以上の採用支援に携わる。
【以下実績】
・シリーズBのスタートアップ企業の20名のエンジニア組織を40名まで拡大
・CTO、PM、メンバークラスを採用しゼロからのエンジニア組織を立ち上げに成功

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