YouTubeを使った採用活動は企業の魅力を動画で発信し、求職者にリアルな働き方を伝えることで応募につなげることができます。
YouTubeは10代~30代の利用率が9割を超えることから、若年層へのリーチが期待でき、関連動画のレコメンド機能を活用することで自社のことをまだ知らない潜在層へのアプローチも可能です。
今回はそんなYouTubeを使った採用活動について、そのメリットとデメリット、成功のポイント、そして企業事例などを詳しく解説していきます。
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YouTubeを使った採用活動とは?
YouTubeを使った採用では、専用チャンネルを開設し、コンテンツを企画・作成し、視聴者に企業への興味や理解を深めてもらって採用につなげる取り組みです。
動画では事業内容の説明や社員へのインタビュー、一日の仕事の流れ、オフィス環境の紹介などを発信し、動画の概要欄には自社サイトへのリンクや募集要項、応募フォームを設置することで視聴者がスムーズに応募ができる導線を作ることができます。
動画を使った採用活動が注目を集めている理由
近年、採用活動において求人要項や企業サイトに加え、YouTubeやInstagram、TikTokなどの動画共有サービスを活用する企業が増えています。
株式会社Candeeの調査によると、目標人数の採用を達成した企業の63.3%が採用活動で動画を活用しており、その効果として内定承諾率や選考通過率の向上、さらには採用後のミスマッチの減少が報告されています。
また、株式会社学情の調査では2026年卒の学生の8割以上が就職活動準備に動画を活用したいと考えており、株式会社Lumiiの調査でも採用動画視聴後に志望度が上がったと回答した学生が6割以上にのぼることが分かりました。
このような理由には学生の就職におけるニーズの変化があげられます。株式会社インタツアーの調査では、2025年卒の学生の49.8%が「社風に惹かれること」を企業選びの理由にあげています。そのような中で動画は文字だけでは伝えきれない企業文化や社員の人柄をリアルに伝えることができる手段となるのです。
採用活動にYouTubeを使うことで実現できること
本項では、採用においてYouTubeを使って実現できることについて紹介します。
動画や分析ノウハウを資産として蓄積できる
一つ目は、動画(クリエイティブ)や分析結果を資産として蓄積できることです。
YouTubeチャンネルは、投稿したら半永久的に残るため、継続的に情報を発信することができます。
Alphabet Incの2023年度の年次報告によると、YouTube広告の売上は2022年の29,243百万ドルから2023年には31,510百万ドルへと拡大を続けています。この売上推移から、YouTubeのサービスが近いうちに終了する可能性は極めて低いと考えられます。アップロードした動画がYouTubeのガイドラインに違反していなければ、企業にとって貴重な資産として残り続けるでしょう。
さらに投稿した動画のタイトルやサムネイル、内容から、どのような動画の反応数が高い傾向があるかを細かく分析することで、採用においてのノウハウも蓄積されます。
採用ターゲットである視聴者に需要のあるニーズを動画の投稿を行いながら分析し続けることで、より有益な動画をつくることができ、社内の採用ノウハウも蓄積されるのです。
10代~30代の使用率が高く、長尺で魅力を伝えられる
二つ目は、10代~30代の使用率が高く、長尺で魅力を伝えられることです。
総務省の令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査によると、YouTubeは全年代で使用率が65%以上を超えているのが特徴で、その中でも多い順に20代が97.2%、30代が97.1%、10代が94.3%となっています。
ちなみに他の動画を用いたSNSについて、Instagramは多い順に20代が78.8%、10代が72.9%、30代が68.0%、TikTokでは多い順に10代が70.0%、20代が52.1%、30代が32.0%となっており、他の動画を発信できるSNSと比べてもYouTubeの利用率は高いです。
つまり、新卒採用や20代~30代採用ターゲットに対してのYouTubeを活用したアプローチは効果的であるといえます。若年層は日常的にYouTubeを利用して動画を通して情報収集やエンターテイメントを楽しんでいるため、企業の採用動画も自然に受け入れられやすいです。
また、YouTubeは長尺な動画に対応しているため、企業の理念や仕事内容を深く掘り下げて説明することができます。
関連動画の自動表示で転職潜在層にアプローチできる
YouTubeには関連動画の自動表示により、転職潜在層に動画を表示できます。
YouTubeのアルゴリズムは視聴履歴や検索履歴などのデータに基づいて関連性の高い動画をユーザーにおすすめするため、自社のことを知らないユーザーにも関連動画を通じてリーチすることができるのです。
例えばその人が同じ業界の採用チャンネルを頻繁に視聴していれば、関連動画に自社のチャンネル動画が表示される可能性があります。
YouTubeの採用動画作成にかかる費用
実際にYouTubeチャンネルを開設した後に動画作成にどのぐらいの費用かをご紹介します。
株式会社グローバルメタバースが自社のYouTubeを運用している担当者110名に行った調査によると、動画1本あたりにかかっている費用は以下のようになりました。
- 3,000円未満:1.8%
- 3,000円~5,000円未満:17.3%
- 5,000円~10,000円未満:30.9%
- 10,000円~30,000円未満:21.8%
- 30,000円~50,000円未満:11.8%
- 50,000円~100,000円未満:8.2%
- 100,000円以上:1.8%
- わからない:6.4%
この数値には企業が動画制作を内製している場合と外部に委託している場合の両方が含まれています。
一方、株式会社ユーティルが行った調査では、同社の動画制作サービス「動画幹事」経由での発注費用が明らかになっています。その結果50~100万円が46%と最も多く、10~200万円までの発注が全体の約8割を占めていることがわかりました。
同社サービスのサイトでは動画の内容や規模によって費用は大きく変動しますが、一般的に以下の料金が目安として記載されています。
- 撮影・編集のみ 10万円~
- 企画・構成を含む 50万円~
- コンサルティング支援を含む 100万円~
また、撮影を行わない場合は編集のみで5,000円~からが相場です。企画・構成を含めたい場合は5万円~、コンサルティング支援を受けたい場合は30万円~が目安となります。
YouTubeを使用して採用活動を行うメリット
次にYouTubeを活用して採用活動を行うメリットを解説します。
社員の働き方や企業文化をリアルに伝えられる
一つ目は、社員の働き方や企業文化をリアルに伝えられることです。
YouTubeの動画を通して普段の仕事の風景や様々な職種についての一日の流れ、働いている社員の人柄やコミュニケーションの取り方、休憩時間の過ごし方など様々な情報をリアルに伝えられます。
候補者は動画を見ることで、感覚的にこの会社が合う、もし働いたらどのような人とどのような環境で過ごすのかをよりリアルにイメージできるのです。
候補者も企業とのマッチング度合いを考えられるようになり、企業とのミスマッチを防ぐことができます。
情報の量と質を高くして伝えられる
二つ目は、動画で情報の量と質を高くして伝えられることです。
アメリカの調査会社Forrester Research IncのJames McQuivey博士が発表した研究によると、1分間の動画が伝える情報は文字にすると180万語、Webページに換えると約3,600ページ分に相当するという事実が明らかになっています。つまり、動画はテキストに比べて短時間ではるかに多くの情報を伝達できるのです。
また、YouTubeは他のSNSと比較して長尺動画の投稿ができます。例えばInstagramの最大60分、TikTokの最大10分に対し、YouTubeでは最大12時間の動画投稿が可能です。社員インタビューや経営者のビジョン説明など企業の価値観や事業内容をじっくりと伝えるようなコンテンツは、長尺動画だからこそ実現できます。
社員同士の交流が深まる
三つ目は、社員同士の交流が深まることです。
動画の内容を決定するために動画の構成や紹介する職種はもちろんのこと、当社の魅力をどのように伝えるかなど、社員全員様々な点について議論して具体的な計画を立てていきます。
このような社員同士のコミュニケーションを通じて、議論から自社の魅力を再発見できたり、撮影したコンテンツは社内広報にも活用できるため、会社への帰属意識を高める機会になるのです。
企業のブランド力を強化できる
四つ目は、企業のブランド力を強化できることです。
YouTubeでの採用動画は求職者だけでなく、自社製品・サービスに興味を持つ潜在顧客への訴求にもなります。特に、取引先を探している企業や、自社製品・サービスの消費者は、その企業で働いている人が自社の強みを話している動画を見ると「信頼感」につながるでしょう。
YouTubeでの採用活動は、就職活動を目的としていない人にも認知度の向上や企業の魅力を伝えられるため、自社のイメージアップにつながり、新たな受注先の獲得や売上向上にもつながります。
他の媒体との連携により、相乗効果が期待できる
五つ目は、作成した動画を他の媒体と連携することで相乗効果が期待できることです。
例えば動画の著作権が企業にある場合、動画の一部を切り取ってSNSで内容を発信したりスカウトメールにリンクを載せたりなど、採用活動の様々な場面で活用できます。
「詳しく知りたい方は、YouTubeをご覧ください」と誘導することで、他の媒体で概要を掴んだ上で、YouTubeでより深く内容を理解できるような導線を作ることができます。
YouTubeを使用して採用活動を行うデメリット
次にYouTubeを活用して採用活動を行うデメリットを解説します。
すぐには効果を実感できない
一つ目は、効果が出るまでに時間がかかることです。
YouTubeのアルゴリズムはチャンネル登録者数、動画の総再生時間、高評価やコメント数など様々な要素を総合的に評価し、検索結果や関連動画での表示順位を決定します。そのためチャンネル開設当初は、著名人とコラボするなど特別な施策を行わない限り、すぐに多くの視聴者に動画を見てもらうことは難しいのが現状です。
効果を出すためには動画をSNSや自社の採用サイトで積極的に紹介し、視聴回数や高評価を増やすなどの地道な努力が欠かせません。
チャンネル登録者数を増やしてファンを獲得することで、YouTubeのアルゴリズムによる評価向上と動画への高い反応が見込め、採用活動の活性化につながります。
炎上する恐れがある
二つ目は、炎上する恐れがあることです。どうしても、SNSであるYouTubeは視聴者からの誹謗中傷や誤った情報に基づく風評被害を受けやすく、炎上し企業イメージが崩れる可能性があります。
このような事態を防ぐためにコンテンツ制作の初期段階から社内でガイドラインを作成し、誤解を招く表現や禁止用語を徹底的に避ける必要があります。
しかし、万全な対策を行っても意図しない形で炎上してしまうケースもあります。 一部の視聴者が動画の一部を切り取って拡散したり、悪意のある編集を加えたりすることで企業が意図しない形で炎上してしまうことがあります。
炎上リスクを完全にゼロにすることはできませんが、事前にできる限りの対策を行いながら炎上リスクを最小限に抑えましょう。
費用対効果が分かりにくい
三つ目は、費用対効果が分かりにくいことです。
YouTubeは直接応募を受け付ける媒体ではないため、費用対効果を明確に測定することが難しいです。
YouTube視聴後にインターンや会社説明会への参加、あるいは求人媒体での検索といった行動につながる可能性は考えられますが、これらの行動がYouTube視聴に起因するものかどうかを外部から正確に把握することはできません。
概要欄に直接応募フォームを掲載する方法も一つの手段ですが、この方法だけでは、YouTubeからの応募と他の媒体からの応募を完全に区別することはできません。
そこでそれぞれの動画内に異なるコードを挿入し、応募フォームにそのコードを入力してもらうことで、どの動画から応募したのかを特定することができます。
動画と応募者の行動を紐付けることで、YouTube広告の費用対効果をより正確に測定し改善につなげることが可能になります。
YotuTubeの採用チャンネル開設から動画公開、分析までのステップ
YouTubeチャンネルを開設する手順を紹介します。
Googleアカウントを作成してYouTubeにログインする
YouTubeチャンネルを開設するためには、まずGoogleアカウントの作成が必要です。
Googleアカウントの作成後、YouTubeを開き、またYouTubeでも同様に作成したGoogleアカウントでログインを行います。
チャンネルを作成する
次にYouTubeチャンネルの開設を行います。
右上のアカウントのアイコンをクリックし、表示されるドロップダウンメニューから「設定」を選択してください。 「設定」画面内の「YouTubeチャンネル」から「チャンネルを作成する」ボタンをクリックします。
次に、チャンネル名、ハンドル名、プロフィール画像を設定する画面が表示されますので、それぞれの事項を入力し、「チャンネルを作成」ボタンをクリックしたら完了です。
チャンネルをカスタマイズする
動画を投稿する前に、チャンネルをカスタマイズして、プロフィールを充実させましょう。
まず、YouTubeのトップ画面右上にある、自分のアカウントアイコンをクリックし、「基本情報」「ブランディング」「レイアウト」の3つのタブで、チャンネルデザインやプロフィールを変更しましょう。
基本情報
基本情報は、チャンネルの顔とも言える要素です。チャンネル名、説明文、リンクなど、6つの項目を設定することでチャンネルの第一印象を良くし、多くの視聴者にチャンネルを視聴してもらうことができます。
以下に設定できる要素とその概要をまとめましたので、参考にしてください。
名前 | ・コンテンツを表すチャンネル名のこと・会社名は必ず含める |
アカウント | ・@に続くハンドル名のこと・チャンネル名の下やURLに記載される・企業名を含めて作成している企業が多い(例えば、NTTデータは@NTTDATA、いえらぶGROUPは@ielove-recruitと設定している) |
説明 | ・チャンネルの概要欄に記載する説明文のこと |
チャンネルURL | ・自分のチャンネルの標準のウェブアドレスのこと |
リンク | ・チャンネルプロフィールと概要ページに表示される外部リンクのこと・企業や採用担当者のSNS、エントリーや応募フォーム、企業サイトなどのリンクを記入する |
連絡先情報 | ・チャンネルの概要セクションに表示される連絡先のこと・メールアドレスを入力すると視聴者から問い合わせを受け付けることができる・リンクでSNSや採用サイトのURLをつけており、それが連絡先としての役割を果たすため設定していない企業が多い |
ブランディング
ブランディングは、デザインやロゴなど視覚的な要素を使い、ブランドのイメージを作り上げられる要素で、以下の3つの項目を設定できます。
写真 | ・チャンネルのアイコン画像のこと・視聴者から最も目につくものでそのチャンネルのシンボルマークとなる |
バナー画像 | ・チャンネルを開いた際に上部に表示される画像のこと・チャンネルのテーマや内容を表現できる・チャンネルのアイコン画像と内容やデザインを統一することで、チャンネルのテーマをより明確に伝えられる |
動画の透かし | ・動画を再生している時に画面の右下に表示される画像・動画のこと・社名のロゴやアイコン、キャッチフレーズなどを挿入することで、企業の宣伝ができる・動画の著作権が自分にあることを示す証拠になり、不正利用の防止にも役立つ |
レイアウト
レイアウトは、チャンネルの構成やセクションの表示に関する要素で、以下の2つの項目を設定できます。
動画スポットライト | ・チャンネルのトップページで、特に視聴してほしい動画を大きく表示する機能のこと・チャンネル登録者向けと未登録者向けに、それぞれ異なるおすすめの動画の表示を設定できる |
注目セクション | ・チャンネルのトップページに設定できるセクションのこと・人気の動画や過去のライブ配信、作成した再生リスト、登録チャンネルなどのテーマから12個まで設定できる |
動画ファイルをアップロードして公開する
動画を投稿するには、 右上のカメラマークをクリックし、表示されるドロップダウンメニューから「動画をアップロード」を選択してください。
作成した動画ファイルを選択すれば、投稿できます。
公開後は視聴者の反応を分析する
動画を公開したら、視聴者の反応を分析しましょう。
チャンネル管理画面の右側にあるメニューから「アナリティクス」を選択すると、様々なデータを確認できます。
アナリティクスでは、視聴回数、総再生時間、チャンネル登録者数の推移をグラフで視覚的に確認できるほか、視聴者の年齢、地域、性別など、詳細な視聴者層の分析が可能です。
さらに、データが蓄積されると、視聴者がYouTubeにアクセスしている時間帯や、チャンネルの視聴者が興味を持っている他のチャンネルや動画など、より深い分析結果も得られます。
これらの分析結果を活用することで、視聴者の興味関心に合ったコンテンツを作成し、より多くの視聴者に動画を届けられるようになります。
YouTubeの採用動画の撮影・チャンネル運営のポイント
YouTubeの採用動画の撮影・チャンネル運営のポイントを紹介します。
ターゲットを明確にして絞り込む
一つ目はターゲットを明確にし、絞り込むことです。
母集団形成の数だけを重視して幅広い層にアピールしようとすると、かえって誰にも刺さらなくなる場合があります。
それよりも特定のターゲット層を明確にして、その層が求める情報をつきつめて考えることでより効果的な動画を作成できます。
例えば中途採用で特定の職種経験があり、将来はマネジメントポジションを目指している人をターゲットにするとしましょう。この層に対しては、実際に中途入社してマネジメントポジションで活躍している社員のインタビュー動画を作成し、入社後のキャリアパスややりがいを具体的に伝えることで、共感を呼び起こし、入社への期待感を高めることができます。
さらに、この職種を持つ人に対して「2年以内にプロジェクトリーダーへ、5年以内に部門長へ昇格」といった具体的なキャリアパスを示すことで、ターゲットのモチベーションを刺激し、応募につなげることができます。
相手のニーズに寄り添い共感を得られる情報を提供する
二つ目は相手のニーズに寄り添い、共感を得られるような情報を提供することです。
YouTubeではまだ自社を知らない潜在層に動画を見てもらい、興味を持ってもらう可能性があったり、すでに興味を持っている層に自社を深く知ってもらったりすることができます。
企業の宣伝だけでなく見てくれた人に汎用性の高い知識やノウハウを提供することで、視聴者は企業を知りつつ今自分が知りたいノウハウも得られるため、他の動画も積極的に視聴するようになるでしょう。
ターゲットがどのような知識を付けたいと思っているのかまで深く考慮することで、より一層視聴者の興味を引く動画を作成できます。
過度なエンタメに走らない
三つ目は、過度なエンタメに走りすぎないことです。
例えば、アットホームで親しみやすい企業の雰囲気を訴求しようとしてふざけすぎている動画は、視聴者に不真面目な印象を与えたり、悪い印象を与えてしまうことがあります。
実際この悩みは多くの企業が抱えており、株式会社グローバルプロデュースが自社のYouTubeを運用している企業担当者110名に行った調査では、27.3%の人が「どこまで企画をふざけていいか分からない」と悩んでいるという結果が出ています。
では、どこまでエンタメ性を加えれば良いのでしょうか。この線引きは難しいですが、チャンネル登録者数の多い企業の採用チャンネルの動画を参考にしたり、視聴者のコメントを分析したりすることで、どのようなエンタメ性が視聴者に好まれるのかを調査することができます。 また、投稿する際には社内で複数人の目を通し、様々な意見を聞くことで内容を精査してください。
情報の質を重視し、過度な編集は避ける
四つ目は、視聴者のニーズを第一に考えて情報の内容を吟味し、編集に手間をかけすぎないことです。
動画編集は投稿前に必ず行うべき作業ですが、編集にこだわりすぎると投稿が遅れてしまい、定期的に配信できない可能性があります。
視聴者の興味を引くための適切な編集を心がけることは大切ですが、それ以上に重要なのは、視聴者のニーズに合う動画を投稿し続けることです。
そのためには、構成や内容をしっかりと考え必要な人物を配置するなど、動画全体の設計を綿密に行うべきです。
編集も大切ですが、視聴者が求める情報を的確に伝えることが視聴者をより満足させ、動画を最後まで見てもらえる可能性を高めます。
また、あまりエフェクトや画像加工などの編集を加えすぎるよりも、編集は最低限に抑えてありのままを映している方が、視聴者に誠実な印象を与え好感を持ってもらいやすくなります。
継続的に投稿する
五つ目は、長期目線で育てていくことを考えて投稿を継続し、より需要のある効果が出せる動画を作るための分析や改善を繰り返すことです。
YouTubeは、半年~1年ほどで結果を出すことを見越して、投稿を続けていきましょう。
応募につなげるための投稿は、サムネイルやタイトルの付け方、動画の長さ、編集の仕方など、様々な要素が複雑に絡み合っています。
動画の投稿を重ねて各動画の反応を比較し分析を続けながら、視聴者に常に最良のコンテンツとは何かを考え抜いてください。
YotuTubeで採用活動を行っている企業事例
YotuTubeで採用活動を行っている企業事例を紹介します。
株式会社NTTデータ|NTT DATA採用
株式会社NTTデータは、電気通信や情報処理、情報通信のソフトウェア・システムの開発や販売事業を主軸とした事業を行っています。
同社の新卒・キャリアを対象とするYouTubeチャンネルでは、現役社員によるNGなしの座談会でP&G社や東京ガス社など他の業界との対談を実施。様々な部署で活躍できるのか、今後注力したいことなど、入社前に知っておきたいことや求めている人材といった採用に関する本音を語っています。
また、現役社員同士による座談会では入社前後のギャップや、文系からIT職種へ入社した方の志望理由や不安、そしてそれが払拭できたかなどの話もあり、志望者は実際にNTTデータで働く様子をリアルに知ることができます。
さらに1分間で企業紹介をしたり、各設問に10秒で答える一問一答形式の社員インタビューなど、短時間で端的に知りたい情報が得られる動画も多数用意されています。
株式会社いえらぶGROUP|【公式】いえらぶ採用チャンネル
株式会社いえらぶGROUPは、2008年に設立された不動産×ITのベンチャー企業で、不動産業務の管理システムの提供や住環境の総合ポータルサイトの運営を行っています。
同社の新卒・キャリアを対象とするYouTubeチャンネルでは、特定の職種同士の座談会や職種ごとの一日の流れを紹介する動画を通して、リアルな仕事内容ややりがいを視聴者に伝えています。また、トップセールスへのインタビューを通じて、営業手法や思考、若手社員からの悩みに対する回答などを公開し、スキルアップやノウハウ習得に役立つ情報を発信しています。
さらに、社員の仕事帰りの過ごし方などをVLOG形式で配信することで、社員同士の交流の様子やプライベートな一面も垣間見ることができます。
株式会社ジェーシービー|JCB採用公式チャンネル
株式会社ジェーシービー(JCB Co., Ltd.)では、日本発の国際カードブランド「JCB」を運営し、自社およびフランチャイズ店にてカードを発行しています。
同社の新卒・キャリアを対象とするYouTubeチャンネルでは、、社長の一日の流れや、様々な部署で活躍する社員の仕事紹介、新入社員や管理職の座談会など、JCBの仕事内容を様々な角度から紹介する動画を公開しています。
また、面接のポイントやOB・OG訪問の準備の仕方など、新卒採用に関するノウハウを幅広く発信しており、JCBを志望していなくても、新卒学生の就職活動に役立つ情報が満載です。
まとめ
本記事では、YouTubeで採用活動を行う方法について、そのメリットや撮影・運営のポイントや企業事例を解説しました。
YouTubeを使って採用活動を行うには、ターゲットを明確にし、企業の魅力やためになるノウハウなど、視聴者のニーズを満たす多角的な情報を発信することで、様々な動画に目を通してもらいやすくなります。
まずは、YouTubeで採用専用のチャンネルを作り、コンセプトや構成を練り動画をアップすることから始めてみてください。