中途採用が難しいと言われる3つの理由とは?採用担当がぶつかる5つの課題と改善のコツをご紹介!

中途採用を行う際に、

さらに、その背後にある原因が不明瞭で、戦略を見直すことさえも難しいと感じている場合も少なくありません。そこで、この記事では中途採用市場の状況や、中途採用特有の難しさを解説し、成功するコツをご紹介します。

  • 中途採用でとにかく苦戦している
  • 中途採用の課題感はあるが、具体的な改善策がわからない
  • 中途採用の成果を最大化したい

上記に当てはまる人事担当者、経営者の皆さんはぜひご覧ください。

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目次

中途採用が難しい3つの理由

中途採用が難しい理由は、大まかに以下の3つに分けることができます。

中途採用の困難さを理解せずに戦略的な採用計画や具体的な施策を策定することは難しいので、まずは「そもそもなぜ中途採用は難しいのか」という原因を把握しましょう。

即戦力人材の採用競争率の難化

「中途採用が以前より難しくなっている」という主張を裏付ける統計データの一つが、「有効求人倍率」です。この指標は、ハローワークに登録した求職者1人あたりに対する求人数を示しており、厚生労働省が毎月発表しているものです。

有効求人倍率が「1.0倍」を超えると、求職者に有利な状況とされています。近年、この倍率は1倍以上を維持しており、労働人口の減少も加わって、「人材の希少性」が年々高まっています。採用競争が激化する中で、それぞれの企業が優秀な即戦力人材を獲得しようとするため、中途採用は日に日に難しくなっていくのです。

実質的な転職人材の減少

企業がこぞって欲しがる経験者や優秀な人材は、ヘッドハンティングやスカウトなどを通じて、採用市場に出ずとも転職先が決定することが少なくありません。さらに、近年働き方が多様化していることもあり、独立やフリーランスとしての道を選ぶ人も増加しており、中途採用市場への人の流入が減少しています。

また、株式会社マイナビが2022年4月に発表した『中途採用状況調査2022年版』によると、企業の中で「経験者採用は積極的だが、未経験者採用にはは消極的」と回答した割合は、全体の45.9%でした(前年比:7.9ポイント増)。この数字は、2018年以降で最高値を記録しており、特に経験者の採用に対する意欲が高まっていることが分かります。

経験者や優秀な人材が中途採用市場に出現する頻度が低いこと、さらに中途採用内で経験者や優秀な人材の採用競争が激化していることは、中途採用が難しいと感じる大きな要因なのです。

採用手法の多様化

中途採用において、多くの採用担当者は「即戦力の確保」を目的としていることでしょう。しかし、労働人口が減少する中で競合他社も同様に即戦力を求めているため、採用競争が激化しているのです。候補者が多くのオファーを受ける中で、企業は自社が選ばれるために様々な工夫を凝らす必要があります。

また、ネームバリューがあったり「自社の価値を際立たせるための戦略」を持つ企業と、そうでない企業との間には大きな差が生まれるため「戦略設計(自社の魅力訴求)の難しさ」においても中途採用の難しさが顕著になっています。

中途採用で陥りがちな5つの失敗例

中途採用市場が厳しい中で、企業の戦略の設計が上手いかどうかによっ成功と失敗の差が顕著になってしまいます。以下では、中途採用でよくある失敗例5つを紹介します。

求人を掲載しても応募が集まらない

現在、中途採用は難しさを増しており、その最初の障壁は「応募者の獲得」です。

「求人を掲載しても応募が少ない」という場合、まず「採用要件や戦略などの基礎部分に課題があるのか」「媒体運用などの実働内容に問題があるのか」を明確に分析することが重要です。

例えば、そもそも求める人材が少ない採用要件や媒体を使用している場合、採用ターゲットや利用媒体を見直す必要があります。もしくは、求人が他社の求人に埋もれてしまっている場合、利用プランの改善やスカウトメールの送信時間、求人の露出向上のための対応が必要です。

もし「求人が閲覧されているのに応募が少ない」という状況であれば、訴求内容の調整が必要かもしれません。母集団形成が採用プロセスにおける最初で最大のハードルであるため、応募者数が少ない原因は様々なことが考えられます。

したがって、問題を特定し、具体的な対策を実行することが肝要です。母集団形成の効果的な戦略について詳しくは以下の記事で解説していますので、ぜひご参考にしてください。

選考回数やメッセージのやりとりが多い

選考プロセスが煩雑で長引くほど、求職者にとって負担が増える他、先に他社で内定が出てしまい離脱されてしまうリスクも高まります。

たとえば、面接回数が多すぎる場合、応募者が何度も日程調整をしたり時間を作ったりする必要があり、選考を他社に追い越される可能性があります。また、紙の履歴書の提出を求めるのも、求職者にとって大きな負担です。多くの企業がWeb履歴書を採用しているため、このような古い選考プロセスは見直すことを検討すべきです。

媒体選定や採用手法が適切でない

採用媒体や採用手法が適切でないと、成果を上げることが難しくなります。自社の目的に合ったターゲット層が登録しており、かつ「アクティブに動いている」媒体を選択し、自社のターゲットに適切にアプローチできる採用媒体なのかを検討しましょう。

また、中途採用においては、多様な手法が存在し、職種、業種、年齢、ポジションなどを考慮して手法を選択する必要があります。コストや手間を考慮しながら、リファラルやエージェントはもちろん、勉強会の開催やSNSでの認知拡大など、自社に合った手法を選択しましょう。

採用要件が正しく明文化できていない

採用要件・採用基準は、企業が求める人材を選考するための指標です。しかし中途採用の場合は応募者が多様化していることから、適切な要件設定が難しくなることがあります。そのため、求めるポジションの採用要件が明確でないことがよくあります。

例えば、”営業の経験者募集”という求人において、採用要件を “3年以上の営業経験” と設定したとします。これは一般的な採用要件によくある誤りです。なぜなら、経験年数だけで候補者を評価するのは、適切な判断基準とは言えないからです。企業によって1年間の経験がで得られるスキルや知識は異なるのです。

経験者であっても、実際にはほとんど何も成し遂げていない場合もあれば、新人でありながら驚くほど成功した経験を持つ人もいます。したがって、採用要件を明確にする際には、具体的なスキルや成果に焦点を当て、年数よりも何を達成できるのかに注目することが重要です。

採用要件を検討する際には、ポジションの性質や業界に応じて異なる要件があるかもしれません。どのスキルや資質が必須で、採用によって自社にいい効果をもたらすのかをよく検討し、要件を具体的かつ明確に定義することが重要です。

詳細な採用要件の策定方法については、以下の記事で詳しく説明しています。

採用上の競合と差別化できていない

求人を掲載する際に、同じエリアや職種で他の企業も求人を出している可能性があります。これらの求人は、採用市場においてライバル(競合)となります。したがって、ライバルの存在を考慮し「求人の戦略」を練ることが重要です。

例えば、ある企業が「月に20時間以内の残業」を強調していたとしましょう。しかし、同じエリアで競合他社が「月に10時間以内の残業」と謳っていた場合、応募者にとっては前者の求人は不利に映る可能性があります。ライバル求人のポジショニングや給与水準と比較し、自社の求人をより魅力的にアピールできる要素を考えましょう。

中途採用の成功率を高める7つのポイント

「中途採用が困難で、どのようにして成功率を向上させられるか」とお悩みの経営者や人事・採用担当者は多いことでしょう。これまでに説明したように、課題に応じてさまざまな解決策が考えられます。

このため、今回は特に見直すべき「中途採用の成功率を向上させるためのポイント」を厳選し、7項目でご紹介いたします。

適切な採用手法・採用媒体を選ぶ

採用活動は、「適切な採用手法や媒体の選択」から始まります。人材紹介、求人広告、地方求人誌、ハローワーク、コミュニティでの宣伝など、採用手法はそれぞれ得意分野や不得意分野があります。

例えば、人材紹介は登録人材の経験やスキルが豊富な反面、採用にかかる費用が高く、大量応募には難しいことがあります。また、エージェントを介するため、採用決定までに時間がかかる場合もあります。求人広告は工夫次第で多くの応募を獲得できますが、応募の質や適切さにも気をつける必要があります。

同様に、採用媒体も特長が異なります。若手向けの媒体、主婦向けの媒体、特定の職種に特化した媒体など、登録メンバーに特有の特性があります。求める人材像に合わせて、最適な採用手法や媒体を選択することは、成功の鍵です。

自社に最適な採用手法の選び方については、以下の記事で詳しく説明しています。

求人の情報量を適切に整える

転職は人生において重要な選択です。求職者にとっては、企業をより深く理解するために、より詳細な求人情報を必要としています。求人広告のスペースを最大限に有効活用しましょう。

しかし、求人での訴求内容は「ターゲットが求める情報+α」程度のボリュームで抑えるのがおすすめです。過度な訴求や長すぎる文章は求人の時点での離脱の原因になり、肝心な応募率を低下させてしまいます。ターゲットの趣向性や「転職に何を求めるか」を意識し、情報を記載しましょう。

ターゲットにとって魅力的に見える求人にする

たとえば、企業が「目標達成にこだわる人材」を求めるとしましょう。このような人材は多くの企業が必要とするプロフィールです。そのため、単に条件を提示するのではなく、「目標達成に情熱を傾ける人なら、歩合給を通じて高い年収を実現できるチャンスが待っている」といった訴求をすることで、応募数を増やしやすくなります。

具体的には、以下のようなポイントで訴求をすることができます。

・コアメンバーの経歴、想い
・他社と差別化できるポイント(事業/待遇/環境など)
・実績
・活かせるスキル
・事業の展望
・福利厚生などの条件
・提示できるキャリ事例

向いている人・向いていない人を明記する

求人情報において、率直に「この仕事に向いている人と向いていない人」を伝えることは非常に重要です。母集団形成においてより多くの人に刺さる求人を作成するのはもちろん重要ですが、それよりも「適切な求人」を作成し、いわゆる「書類選考で落ちる人」を減らすことで応募者の質を向上させることができ、それに比例して採用担当の工数も減らすことができる効果的な方法です。

求職者にとっても、どのような人材が求められているか、また逆にどのような人材が適していないかについての情報が正直に明記されていることで、求人全体が「信頼できる情報」として認識されるようになります。

スカウトメールやダイレクトリクルーティングを活用する

求人広告や人材紹介は、応募者からの反応を「待つ」のが通常の方法です。しかし、媒体にある「スカウトメール機能」を活用したり、スカウトに特化した採用媒体を利用することで、ターゲットの人材に直接アプローチすることができ、応募を得やすくなります。

選考フローを短縮する

前述の通り、長期間の選考は離脱の可能性を高めます。理想的な候補を見つけたなら、できるだけ早く面接の段階へ進むように選考フローを整えましょう。できれば、希望の候補者に対しては面接当日に内定を出すくらいのスピード感が重要です。

応募から内定までの期間は、一般的に「平均2週間以内」とされています。この期間を短縮することは、採用成功に大いに影響します。例えば、もし選考プロセスに3回の面接が含まれている場合、そのうちの1回を省略し、選考回数を減らすことができないか見直して見てください。

求人で伝えきれない魅力を採用ページで伝える

求人情報と同様に、求職者が企業を理解するためには採用サイトやリクルートページの存在が重要です。採用ページは、自社の魅力を伝えるための貴重なツールです。一般的に、求人広告には決まったフォーマットがありますが、採用ページは自社が自由に情報を発信できる場所です。

たとえば、企業のビジョンや価値観、サービスへの情熱など、特に重要視しているポイントを強調し、共感を呼び起こす人材からの応募を促進したり、働く環境やチームの雰囲気を写真とともに紹介したり、求人情報だけでは伝えきれない魅力を採用ページで伝えることが有効です。

また、サイトの構築にはお金も時間もかかるため、広報要素のある採用媒体を利用したり、役員陣がSNSで発信することも効果的です。

まとめ

現在、ほとんどの職種において中途採用が難しい状況にあることは事実です。しかし、これまで述べてきたように、適切な戦略と戦術によって、企業の規模にかかわらず採用成功のチャンスは必ず存在します。

逆に言えば、適切な対策を講じないまま中途採用を試みても、成功確率はかなり低いでしょう。「中途採用の成功率を高めたい」「中途採用の課題を克服したい」という目標があるのであれば、今回お話しした内容を自社の採用に当てはめてみてください。

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参考:中途採用成功のポイント/ビジネス・ソリューション株式会社

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この記事の監修者

井上愛海のアバター 井上愛海 株式会社ミギナナメウエ 執行役員

2022年9月東京大学大学院在籍中に株式会社ミギナナメウエの執行役員に就任。
即戦力RPO事業の事業部長を担い、これまでに150社以上の採用支援に携わる。
【以下実績】
・シリーズBのスタートアップ企業の20名のエンジニア組織を40名まで拡大
・CTO、PM、メンバークラスを採用しゼロからのエンジニア組織を立ち上げに成功

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