エンジニア向けの採用広報を成功させるポイント3選|実施の手順と事例

近年、エンジニア採用は企業の拡大において、重要な要素の1つとなっています。しかし、さまざまな理由から、自社で即戦力となるエンジニアの採用は難しくなっています。

そこでポイントとなるのが、エンジニア向けの採用広報です。

本記事では、企業がエンジニア向けの採用広報を実施する手順やポイント、実際の企業事例などを解説します

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目次

採用広報とは

採用広報とは、求人票だけでは伝わりにくい企業の事業内容や職務の魅力、社内文化や従業員の性格、そして企業の理念などを、企業が求職者に向けて発信する活動を指します。

採用広報を行う目的には、採用のための母集団形成や応募者の企業への関心を深めることなどがあります。

文章で伝えることがほとんどの求人票と違い、採用広報では画像や動画、音声といった多様な媒体を利用できるため、企業の個性を存分に発揮した魅力的なアピールを行えるのです。

エンジニアの採用が難しい理由

続いて、そもそもなぜエンジニアの採用が難しいのか?について、理由を3つお伝えします。

理由①:即戦力になるエンジニアの母数が少ないから

エンジニアの採用が難しい理由の1つ目は、即戦力になるエンジニアの母数が少ないからです。

近年、さまざまな業界においてエンジニアの需要は増加しており、即戦力となる人材の不足が指摘されています。

どの企業もエンジニアを必要としている上に、即戦力として活躍してもらえそうな人材となると、その人数はさらに少なくなり、採用が難しくなります

理由②:フリーランスに転向する人材が増えているから

エンジニアの採用が難しい理由の2つ目は、フリーランスに転向する人材が増えているからです。

現在、エンジニアの働き方は多様化し、給料面や時間の自由さなどを求めてフリーランスになるエンジニアが増えています。

その理由としては、フリーランスの方が正社員として働くよりも手取りが増え、好きなときに好きな場所で仕事ができるという点に魅力を感じる人が増えているからではないか、と言われています。

そのため、「正社員」でのエンジニア採用は、今後益々難しくなっていくことでしょう。

出典:政策課題分析シリ-ズ 17日本のフリーランスについて|内閣府

理由③:条件・待遇面でマッチしづらから

エンジニアの採用が難しい理由の3つ目は、条件・待遇面でマッチしづらいからです。

例えば、高いスキルを持つエンジニアはその分市場価値が高く、自身の市場価値も認識しているので、相応の報酬を期待しています。しかし、企業の予算がそれに追いつかないケースも少なくありません。

そのため、いくら事業内容やカルチャーに共感してもらえても給料や待遇面などの条件面でのマッチがしづらいという点で、エンジニアの採用が難しくなっているのです。

エンジニア向けの採用広報を成功させるポイント

続いては、そんなエンジニア採用において広報活動を成功させるポイントを3つお伝えします。

ポイント①:技術広報を採用する

エンジニア向けの採用広報を成功させるポイント1つ目は、技術広報を採用することです。

技術広報とは「エンジニアの知識や経験を持った広報担当」を指しており、エンジニアの視点から、エンジニアはどんなことに関心があり、どんな企業で働きたいと思っているかなどを解像度高く理解しています。。

そういった技術広報を中心に、自社の技術に関する発信や開発者向けイベントを開催することで、よりエンジニアに刺さる内容で広報活動を行うことができるのです。

ポイント②:エンジニア専用の採用ページを作成する

エンジニア向けの採用広報を成功させるポイント2つ目は、エンジニア専用の採用ページを作成することです。

自社に興味を持っているエンジニアは、会社が使用している技術や開発環境、働いているエンジニアなどについて詳しく知りたいと考えています。

そのため、使用している技術やプロジェクトの紹介ページをエンジニア専用の採用ページにまとめて掲載することは、エンジニアの採用広報の一つとして有効です。

そのページをエンジニアに見てもらうことでエンジニアは自身のスキルが活かせるかどうか、入社後にどんなスキルを身に付けられるのかなどが具体的にイメージでき、より志望度を高めてもらうことができるのです。

ポイント③:現場のエンジニアに協力してもらう

エンジニア向けの採用広報を成功させるポイント3つ目は、現場のエンジニアに協力してもらうことです。

実際に自社で働いているエンジニアの声は、エンジニアではない営業担当や経営陣の言葉よりも説得力があり、エンジニアの候補者達に共感してもらいやすいです。

例えば、社内のエンジニアが自社の技術の強みや開発環境をまとめた記事や、技術イベントで講演した際の様子をレポートにまとめたものなどは、エンジニアにとって自社を理解してもらうために有効です。

自社の働き方やプロジェクトへの熱意を実際に働いているエンジニアの視点から伝えることで、よりエンジニアが自社で働くイメージが湧き、「応募したい」と思ってもらえるのです。

エンジニア向けの採用広報を行う手順

続いては、エンジニア向けの採用広報を実施する手順についてお伝えしていきます。

手順①:ターゲット層を決定する

一口にエンジニアと言っても、ソフトウェアエンジニア、ハードウェアエンジニア、データサイエンティスト、システムアーキテクトなど、専門分野によってその種類は多岐にわたります。

そして、各エンジニアごとに、関心を持ってもらいやすい訴求方法は異なるため、まずはじめに、どの種類のエンジニアを採用したいかという採用ターゲットを考えましょう

手順②:発信内容を決定する

ターゲットとなるエンジニアの層が決まったら、続いては、ターゲット層に適切に響く発信内容を考えます

発信内容を考える際には、ターゲット層のニーズや関心を徹底的に調査します。例えば、エンジニアを対象とする採用広報では、キャリア成長の機会、プロジェクトの影響力、チームでの働き方、学びの環境、そして企業文化など、仕事に関する具体的な内容を盛り込むことが重要となります。

また、現在のエンジニアチームが直面している課題や過去の成功事例を共有することで、実際にどのような環境で働くことになるのかを候補者に具体的にイメージさせることが可能になります。

手順③:発信媒体を選定する

最後に、発信する媒体を選定します。

発信する媒体は自社のWebサイトやSNS、Web広告など多岐にわたりますが、各媒体ごとに抱えているユーザー層が異なるため、エンジニア、もしくはエンジニアを志望する方を多く抱えている媒体を選定することが重要です。

例えば、自社のWebサイトはもちろん、GitHubやStack Overflowといった技術者コミュニティ、LinkedInやFacebookといった多くのビジネスパーソンが使用するSNSなどは、有効な選択肢となる可能性が高いです。

また、オフラインの媒体も重要な役割を果たすことがあります。例えば、大学のキャリアイベントや業界のセミナー、ワークショップなども、特に効果的な戦略となり得ます。

エンジニア向けの採用広報に取り組んでいる企業事例3選

最後に、企業がエンジニア向けの採用広報を実施する手順についてお伝えしていきます。

事例①:株式会社サイバーエージェント

エンジニア向けの採用広報に取り組んでいる企業事例1社目は、株式会社サイバーエージェントです。

株式会社サイバーエージェントは、通常の広報とは別でエンジニア向けの採用広報としてXを活用しています。

Xではイベント情報や最新のAIに関する情報、技術者ブログを発信し、エンジニアへのアプローチを増やしています。

Xは拡散されやすいSNSでもあるためエンジニア向けの採用広報で活用することを検討してみてください。

事例②:note株式会社

エンジニア向けの採用広報に取り組んでいる企業事例2社目は、note株式会社です。

note株式会社は技術広報を採用しており、自社メディアの運営やイベントへの出展、求める人材に対する情報発信をしています。

元々エンジニアの広報担当者を採用することで「エンジニアの自分からみてどう見えるか」を視点に起きエンジニアに刺さる広報活動ができています。

エンジニア採用がうまく行っていないという企業様は技術広報を採用することも検討してみてください。

事例③:株式会社メルカリ

エンジニア向けの採用広報に取り組んでいる企業事例3社目は、株式会社メルカリです。

メルカリは「メルカン」というオウンドメディアを運用し、エンジニアの採用をしています。

メルカンでは社内のプロジェクトやエンジニア育成プログラム、経営人の考えていることなど幅広く発信しています。

オウンドメディアで自社の情報を開示していくこともエンジニアの採用広報として効果的な施策の1つです。

まとめ:効果的な広報でエンジニアを採用しよう

今回は、エンジニア向けの採用広報について解説しました。

採用が難しくなっているエンジニア採用の人数を安定させることは、今後の企業の成長を左右する大きな要因の1つです。

エンジニア採用の広報に取り組まれる企業の担当者様は、本記事を参考にして、ぜひエンジニア向けの採用広報を実施してみてください。

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この記事の監修者

井上愛海のアバター 井上愛海 株式会社ミギナナメウエ 執行役員

2022年9月東京大学大学院在籍中に株式会社ミギナナメウエの執行役員に就任。
即戦力RPO事業の事業部長を担い、これまでに150社以上の採用支援に携わる。
【以下実績】
・シリーズBのスタートアップ企業の20名のエンジニア組織を40名まで拡大
・CTO、PM、メンバークラスを採用しゼロからのエンジニア組織を立ち上げに成功

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