近年トレンドな採用手法で注目されているアルムナイ採用。アルムナイとは英語で「卒業生」「同窓生」を指し、採用の文脈では自社を退職した元社員を再雇用することを指します。このアプローチはもともと欧米で始まったものです。日本では転職に対するネガティブなイメージが根付いている一方で、アメリカでは転職がキャリアアップやスキルチェンジの一環として前向きに捉えていることが一般的です。そのため、以前勤めていた企業に戻ることもめずらしくありません。それではアルムナイ採用のメリット・デメリット、成功させるためのポイントについて見ていきましょう!アルムナイ採用とはアルムナイ採用は、自社を退職した人材を再雇用する手法です。在職中の上司や同僚が直接アプローチして採用に繋げるほか、アルムナイネットワークを通じて告知し、応募を待つ手段もあります。この手法の利点は、求人広告や人材紹介会社を介さずに採用活動を進めることができ、それにより採用コストを抑えられる点です。また、自社での業務経験があるため、教育コストの削減も期待できます。調査によれば、7割の企業がアルムナイ採用を導入した経験があり、今後さらに注目される採用手法となるでしょう。再雇用制度との違い通常の再雇用制度は、従業員が定年退職後に再び同じ企業に雇用される「継続雇用」を促進するための制度です。一方で、アルムナイ採用は、従業員が一度は外部での職務経験を積んだ後、再び同じ企業に採用されることを指します。再雇用という点では同じ意味を持ちますが、外部での雇用を挟んでいるかどうかが最も大きな違いです。アルムナイ採用が注目された背景アルムナイ採用が注目された背景にはさまざまな理由がありますが、その中でも「労働人口の減少」が最も大きな要因と言われています。少子高齢化が及ぼした労働人口の減少少子高齢化が進む中、日本の社会問題となっている人手不足は、企業の採用に大きな影響を与えています。現在、多くの企業が求人数に対して適切な候補者が足りていないという課題に直面しています。この課題に対処するため、従来の採用手法に加えて、リファラル採用やSNS採用など、時代に合わせた新しい手法を取り入れる必要があります。そしてその中で注目されるのが、元従業員を再雇用するアルムナイ採用です。即戦力人材の採用過去に自社で優れた実績を上げた即戦力人材を再度採用することができます。スキルだけでなく、自社のカルチャーを深く理解しているため、新たに新人を教育する手間やコストを省くことができます。これは企業だけでなく、再雇用してもらう従業員にとってもメリットがあります。転職の場合、新たな環境に適応する必要がありますが、馴染みのある以前の企業に再び身を置くことで、入社のハードルを低くすることができます。アルムナイ採用のメリットここからは、アルムナイ採用のメリットについて紹介します。|即戦力人材として活躍してくれる当たり前ですが、アルムナイ採用の対象となる候補者は、「過去に自社で多くの実績を残した」または「カルチャーマッチしている人材」など、自社にいい影響をもたらした人材が対象となります。そのため、基本的に採用のミスマッチは起こりにくく、自社のことを深く理解している即戦力の人材を採用することができます。|新しい環境で習得したスキルを発揮できる一度自社を退職し、新しい環境で経験を培って戻ってくるケースが多いです。同じスキルをさらに磨くこともあれば、異なるスキルを身につけて復帰することもあります。いずれの場合も、これらの貴重な経験は現場にとって有益であり、そのノウハウを積極的に活かすことができます。|採用・教育のコスト削減につながる最近では一名人材を採用するのに数十万円〜数百万円のコストがかかりますが、アルムナイ採用は退職者から直接連絡があったり、または現在在籍しているメンバー経由で紹介されることが主な経路なため、コストを最大限に抑えて採用することができます。さらに、企業の働き方を十分に理解しており、基本的なスキルも既に身についているため、教育にかかるコストが軽減される点も大きな利点と言えます。|企業のリブランディングにつながる退職には悪いイメージが付きがちですが、アルムナイ制度の拡充により、「再び働きたいと思える会社」という新たな印象を構築することができ、企業のイメージアップにつながります。また、アルムナイ採用の成功事例がSNSで広がれば、これを目にした元社員からの応募や、またはアルムナイネットワークに参加する人が増えるなど、アルムナイ採用を促進させることができます。アルムナイ採用のデメリット続いてアルムナイ採用のデメリットを紹介します。|在籍中の社員に悪影響を及ぼす「辞めても戻ることができる」という認識が広まると、“転職”のハードルが低くなり、既存社員の退職を促進するリスクが生じます。このような状況をなくすためにも、まずはアルムナイ採用の”基準”をしっかり定め、誰でも簡単に戻ってこれるわけではないということを、自社の社員に明確に伝えることが重要です。基準を定めることで、応募に対して全員に面接を実施しなくてもいいので、面接の工数も削減することができます。|採用までに時間がかかるいくら企業が再雇用を歓迎しても、一度退職した会社に戻るのは相当なハードルがあります。また、在籍経験のある社員が全員アルムナイの対象とは限りませんので、母集団も限られてしまいます。そのため、アルムナイだけでなく、人材紹介や求人媒体運用など複数の採用手法を同時に活用することが重要です。|制度が整うまで時間と工数がかかるアルムナイ作用に限ったことではありませんが、新しい採用手法を取り入れてから母集団形成につながるまで、一定の時間と工数がかかります。例えばアルムナイ採用の場合、在籍中の社員に協力してもらい、過去に在籍していた社員の交渉を手伝ってもらうのでは、在籍中の社員の時間を奪ってしまうのと同様です。さらに、プライベートでも連絡をとっているとは限りません。そのため、社員の人脈だけに頼るのではなく、採用広報に力を入れ、SNSなどで拡散してもらえるようなコンテンツを作ることが重要になります。アルムナイ採用を成功させるポイント4選最後にアルムナイ採用を成功させるために抑えるべきポイントを4つご紹介いたします。イグジットマネジメントの強化アルムナイ採用を活発化させるためには「イグジットマネジメント」に力を入れることが重要です。イグジットマネジメントとは、人材の退職を戦略的に行い、ハイレイヤー人材の離職防止や、赤字人材の円滑な転職など退職に関する取り組みだけでなく、在籍中に最大限の能力を発揮できるよう、主体的にキャリアを考えさせるなどの過程も含みます。イグジットマネジメントは大きく「離職の引き止め」「アルムナイ制度の採用」「離職の促進」の3つに分かれます。|離職の引き止め優秀な人材の退職は企業にとって大きな打撃となるため、退職理由を聞いて引き止めることが一般的です。多くの場合、「給与を上げる」「役職を昇進させる」などの手法が使われますが、人それぞれ退職理由は異なるため、その理由を理解し改善に繋げることが重要です。成長や挑戦などの前向きな退職理由の場合は、タレントプールを作成したり、OB/OGのネットワークに登録させたりと、アルムナイ採用に繋げられるようにしましょう。|アルムナイ制度の採用アルムナイネットワークや、在籍中の社員の繋がりを活かして人材を確保しましょう。実際にアルムナイ採用の7割が自己応募と、ある調査から明らかになりました。このようにアルムナイ採用を促進するためには、アルムナイネットワークでの積極的な情報発信や、社内紹介制度に関連するインセンティブの設計などを充実させることが重要です|離職の促進自社のカルチャーにマッチしない人材や、成果を出せない赤字人材は、会社に悪影響を及ぼすことがあります。こうした人材に転職を促すことで、無駄な人件費を削減できるだけでなく、ミスマッチ人材を減らすことができるため、会社の風土を醸成することができます。雇用形態を多様化させるいくら馴染みのある会社だとしても、転職すること自体が候補者にとってはハードルが高いため、早急な意思決定をすることは難しいでしょう。このような場合、雇用形態を正社員にこだわらず、副業や業務委託などを柔軟に導入することで、アルムナイの採用率を向上させることができます。実際に副業から携わり、正社員に転換した例も珍しくありません。アルムナイの採用条件を定める自社での経験があるだけでアルムナイの採用対象にすると、カルチャーマッチの不一致で退職した人や、在籍中に成果を出していなかった人など、対象でない人からも応募がくる可能性があります。応募が殺到しても、採用に適さない応募者が多い場合、スクリーニングに工数がかかるため、応募の条件を定めることが重要です。ただ、条件が厳しすぎても母集団が集まらないため、現場と人事で相談して条件を設定しましょう。アルムナイ採用の成功事例3選アルムナイ採用の成功事例を集めた「アルムナビ」では、アルムナイネットワークや再雇用システムをつくった理由、アルムナイや従業員からの反応、今後アルムナイとどのような関係を築いていきたいのかなどを記しています。では実際にアルムナイ採用を用いた成功事例について見ていきましょう。|日本ビジネスシステムズ株式会社日本ビジネスシステムズ社で開催される交流会は、アルムナイと現役社員どちらも参加できるのが魅力ポイントです。お互いの近況を報告し合ったり、ビジネスに対して熱い議論を交わしたりと、定期的にフラットな交流会を開催しています。環境が変わっても、こうした交流の場を通じて人脈を築き続けることは、アルムナイ採用の機会を創出しやすくなります。参考URL:https://xn--alumnavi-543ga.com/jbs-event/|パナソニックグループ以前からアルムナイ採用はありましたが、あまり社員間で認知されていなかったり、事例がなかったため積極的に活用されていませんでした。しかし、日本Microsoftの会長を歴任した経歴を持つ樋口氏がパナソニックにカムバックしたことがきっかけで、「パナソニック=カムバックキャリアOK」といった認識が広がり、アルムナイ制度の浸透につながりました。この事例から、アルムナイ採用を成功させるためにはまず社内での認知拡大が重要であることが示唆されます。参考URL:https://saponet.mynavi.jp/column/detail/tysaiyot30alumni221206.html|トヨタ自動車株式会社トヨタ自動車は、2005年から「プロキャリア・カムバック制度」を導入していますが、2023年に条件を緩和し、新施策として「アルムナイ採用」を導入しました。キャリアアップの理由で自己都合退職された方や、やむを得ない事情で退職された方など、対象範囲は広く、またキャリア採用と同様の採用手法です。対象範囲を広くすることで、アルムナイ採用の母集団形成が容易になり、より多くの候補者と出会うことができます。参考URL:https://alumnavi.com/toyota/さいごにアルムナイ採用は、以前に自社で活躍した優秀な人材を再雇用できる制度です。 「採用コストの削減」「即戦力人材の雇用」など、複数のメリットがありますが、一方で短期間で成果を上げることは難しく、現職の社員に悪い影響を及ぼす可能性もあります。始めるにあたって特にコストがかからないため、ぜひこの機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。%3C!DOCTYPE%20html%3E%0A%3Chtml%3E%0A%3Chead%3E%0A%20%20%20%20%3Ctitle%3EButton%20Example%3C%2Ftitle%3E%0A%3C%2Fhead%3E%0A%3Cbody%3E%0A%20%20%20%20%3Cdiv%20style%3D%22text-align%3Acenter%3B%22%3E%0A%20%20%20%20%20%20%20%20%3Ca%20href%3D%22https%3A%2F%2Fsaiyo.migi-nanameue.co.jp%2Fcontact-1%22%20target%3D%22_blank%22%20style%3D%22background-color%3A%23FF5B27%3B%20color%3Awhite%3B%20font-size%3A15px%3B%20font-weight%3Abold%3B%20text-decoration%3Anone%3B%20border%3Anone%3B%20width%3A300px%3B%20height%3A50px%3B%20display%3Ainline-block%3B%20line-height%3A50px%3B%20font-family%3A'Arial'%2C%20'Helvetica'%2C%20sans-serif%3B%22%3E%0A%20%20%20%20%20%20%20%20%20%20%20%20%E5%8D%B3%E6%88%A6%E5%8A%9BRPO%E3%81%AE%E7%84%A1%E6%96%99%E7%9B%B8%E8%AB%87%E3%81%AF%E3%81%93%E3%81%A1%E3%82%89%0A%20%20%20%20%20%20%20%20%3C%2Fa%3E%0A%20%20%20%20%3C%2Fdiv%3E%0A%3C%2Fbody%3E%0A%3C%2Fhtml%3E