近年、トレンドの採用手法で注目されている「アルムナイ採用」。
アメリカ発祥の採用手法でしたが、日本でも大手企業を中心に徐々に広まりつつある採用手法です。
今注目をあつめているアルムナイ採用について、メリット・デメリット、社内で導入する方法や成功している企業の事例などをくわしく解説していきます!
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アルムナイ採用とは
アルムナイとは英語で「卒業生」「同窓生」を指し、採用の文脈では自社を退職した元社員を再雇用することを指します。
在職中の社員が、元同僚や先輩、後輩などに直接アプローチして採用に繋げるほか、専用のアルムナイネットワークを通じて告知し、応募を待つパターンもあります。
この手法の利点は、求人広告や人材紹介会社を介さずに採用活動を進めることができるため、採用コストを大幅に抑えることが可能です。また、過去に勤めていた経験があるため、教育期間を設けなくとも、即戦力人材として活躍してくれます。
再雇用制度との違い
再雇用制度は、定年を超えた従業員が再び同じ企業に雇用される「継続雇用」を促進するための制度です。
一般的な定年は60歳と定義されていますが、再雇用制度は、定年から65歳まで1年契約で有期雇用を更新する制度です。希望すれば誰でも利用できるため、アルムナイのように再雇用の条件が設けられておりません。
一方のアルムナイ採用は、一度、外部で経験を積んだ社員が、再び同じ企業に採用されることを指します。再雇用という点では同じ意味を持ちますが、一度退職したか経験があるかどうかが最も大きな違いです。
アルムナイ採用が注目された背景
アルムナイ採用が注目された背景について、以下にまとめました。
少子高齢化が及ぼした労働人口の減少
少子高齢化が加速し、日本の社会問題となっている人手不足は、企業の採用に大きな影響を与えています。特に幹部クラスやエンジニア採用などの、売り手市場が激しい職種は、どこの企業も深刻な人手不足が続いています。
この課題を対処するためにも、従来の採用手法に加えてリファラル採用やSNS採用など、時代に合わせたトレンドの採用手法を取り入れる必要があります。
アルムナイ採用以外にもトレンドの採用手法をまとめましたので、下記の関連記事も併せてご覧ください。
即戦力人材の採用
アルムナイ採用は、過去に自社で高い実績を残してくれた人材を、再雇用することができます。スキルだけでなく、自社のカルチャーを深く理解しているため、新たに新人を教育するよりも手間やコストを省くことができます。
また、企業だけでなく、従業員にもメリットがあります。
転職の場合、新たな環境に適応する必要がありますが、馴染みのある前職に再び身を置くことで、入社のハードルを下げることができます。
アルムナイ採用のメリット
ここからは、アルムナイ採用のメリットについて紹介します。
即戦力人材として活躍してくれる
自社を退職するということは新たな挑戦を求めて環境を変えている場合があります。
他社で培ったスキルや知識を、自社に復帰後生かしてくれる可能性があるため、高いパフォーマンスを発揮してくれるでしょう。
また、既に自社での業務経験があるため、業務内容を熟知しています。さらに、カルチャーに共感しているケースも多く、採用のミスマッチが発生しにくいといえるでしょう。
新しい環境で習得したスキルを発揮
一度自社を退職し、新しい環境で培った経験を発揮してくれます。
アルムナイ採用で戻ってくる社員は、同じスキルをさらに磨いてくることもあれば、異なるスキルを身につけて復帰することもありますが、どちらの場合でも、これらの経験は現場にとっては非常に有益であり、他社で使われていたノウハウを自社なりにアレンジして使う事ができます。
採用・教育のコスト削減につながる
近年はどこも人材不足が続いていることから、一名採用するのに数十万円〜数百万円のコストがかかります。
しかし、アルムナイ採用の場合は、退職者から直接連絡があったり、または現在在籍しているメンバー経由で紹介されることが主な経路なため、採用のコストを最大限に抑えることができます。
さらに、企業の働き方を十分に理解している、且つ基本的なスキルも既に身についているため、教育にかかるコストが軽減されます。
企業のリブランディングにつながる
日本の場合だと、退職の回数が多いと悪いイメージが付きがちですが、アルムナイ向けの採用を強化することで、「再び働きたいと思える会社」という新たな印象を構築することができます。
また、アルムナイ採用の成功事例をSNSに掲載することで、これを目にした元社員からの応募や、アルムナイネットワークに参加する人が増えるなど、アルムナイ採用を促進させることができます。
アルムナイ採用のデメリット
続いてアルムナイ採用のデメリットを紹介します。
在籍中の社員に悪影響を及ぼす
アルムナイ採用は、「辞めても戻ることができる」という認識が広まると、転職のハードルが低くなり、既存社員の退職を促進するリスクを生じてしまいます。
このような状況をなくすためにも、アルムナイ採用の“基準”をしっかり定め、誰でも簡単に再雇用できるわけではないということを、自社の社員に明確に伝えることが重要です。
基準を定めることで、退職のリスクを減らせることはもちろん、面接の工数を省く事ができます。企業によっては「一度在籍した経験がある従業員は皆対象」というように、基準が緩い場合もありますが、これはのちに手間が発生する可能性があるため、アルムナイ採用の応募基準をしっかり定める事が重要です。
採用までに時間がかかる
いくら企業がアルムナイ制度を促進しても、一度退職した会社に戻るのは相当なハードルがあります。また、在籍経験のある社員が全員アルムナイの対象とは限りませんので、母集団京成にも時間がかかってしまいます。
そのため、アルムナイ制度を導入する際には、人材紹介や求人媒体などその他採用手法を同時に活用すると良いでしょう。
制度が整うまで時間と工数がかかる
アルムナイ採用に限ったことではありませんが、新しい採用手法は、導入してから安定的な母集団につながるまで、一定の時間と工数がかかります。
アルムナイ採用の場合、在籍中の社員に協力を依頼することが一般的となりますが、元従業員とプライベートで連絡をとっているとは限らないです。
そのため、社員の人脈だけに頼るのではなく、専用のアルムナイネットワークなどを構築し、SNSなどで拡散してもらえるようなコンテンツを作ることが重要になります。
過去在籍時との待遇の差
企業ごとに評価制度や給与体系は異なるため、転職時期給与がアップした社員や、次の企業で昇給した場合は、アルムナイの希望年収と企業の提示額にギャップが生じることがあります。
当然ながら、評価基準は公平に適用されるべきであり、アルムナイにだけ特別な扱いをしてしまうと、他の従業員から不満が生じる可能性があります。一方で、他社で得たスキルや経験を正確に評価し、それに基づいて適切なオファー金額を決定しないといけないため、人事はかなり頭を抱えてしまうでしょう。
アルムナイ採用を成功させるポイント4選
最後にアルムナイ採用を成功させるために抑えるべきポイントを4つご紹介いたします。
イグジットマネジメントの強化
アルムナイ採用を活発化させるためには「イグジットマネジメント」に力を入れることが重要です。
イグジットマネジメントとは、人材の退職を戦略的に行い、ハイレイヤー人材の退職防止や、赤字人材の転職促進など、退職に関する取り組みのことを指します。
ほかにも、在籍中に最大限のパフォーマンスを発揮できるよう、主体的にキャリアを考えさせるなどの過程も含みます。
イグジットマネジメントは大きく「離職の引き止め」「離職の促進」「アルムナイ制度の採用」の3つに分かれます。
1. 離職の引き止め
優秀な人材の退職は企業にとって大きな打撃となるため、引き止めることが一般的です。具体的には「給与を上げる」「昇格させる」など、現状よりも待遇を上げる施策を行いますが、人それぞれ退職理由が異なるため、理由を聞いた上で適切な施策を提供する事が重要です。
キャリアの成長や新たな分野の挑戦など、前向きな退職理由の場合は、タレントプールを作成したり、OB/OGのネットワークに登録させたりと、アルムナイ採用に繋げられるようにしましょう。
2. 離職の促進
自社にマッチしない人材へ離職を促進することで、良い組織風土を醸成する事ができます。
特にベンチャー・スタートアップ企業は、カルチャーマッチ採用や事業を急成長させてくれるような人材を求めていることもあり、自社にマッチしていない企業はかなりダメージを与えてしまいます。
強引に退職を促すのではなく、1on1など話の場を設けて、これからどんなキャリアを積みたいのかをヒアリングする事が重要です。
3. アルムナイ制度の採用
アルムナイネットワークや、在籍中の社員の繋がりを活かして人材を確保しましょう。
実際にアルムナイ採用の7割が自己応募と、ある調査から明らかになりました。
アルムナイネットワークでの積極的な情報発信や、紹介制度のインセンティブの設計などを充実させることで、自己応募の増加に繋げることができます。
そのほかにも社員に協力を経て、元従業員にコンタクトをとってもらうなど、会社全体で協力する必要があります。
既存社員に協力を求める
アルムナイ採用と似ている採用手法法の一つが、リファラル採用です。どちらも既存社員の人脈から採用に至るケースが多いので、社員への協力依頼は欠かせません。
協力を依頼する際には、「なぜアルムナイ採用を導入する必要があるのか」「導入することで既存社員はどのようなメリットを得られるのか」など、理解してもらえるように説明する事が重要です。
このように、導入の背景を伝えることで、積極的に協力をしてくれたり、アルムナイが入社しても不満を持たずに歓迎してくれるでしょう。
雇用形態を多様化させる
日本は転職に対して、あまり良いイメージを持っている人が少なく、積極的に転職活動をしている人が少ないです。そのため、前向きにアルムナイを検討している場合でも、早急な意思決定をすることは難しいでしょう。
そのため、雇用形態を正社員にこだわらず、副業や業務委託などのポジションを設けることで、アルムナイの採用率を向上させることができます。
実際に副業から携わり、正社員に転換した例も珍しくありません。
優秀な人材ほど現職からの引き止めがあるので、条件を調整しましょう。
アルムナイの採用条件を定める
アルムナイ採用を円滑に進めるためには、採用条件を定める事が重要になります。
自社で経験があるだけでアルムナイの採用対象にしてしまうと、カルチャーマッチの不一致で退職した人や、在籍中に成果を出していなかった人など、対象でない人からも応募がくる可能性があります。
応募数が多いと、スクリーニングや面談に工数がかかってしまうため、応募の条件を定めることが重要です。ただ、条件が厳しすぎても母集団が集まらないため、現場の方と相談して条件を定義しましょう。
アルムナイ採用の成功事例3選
アルムナイ採用の成功事例を集めた「アルムナビ」では、アルムナイ制度を導入した理由や、導入後の反応などを記しています。成功事例を3社ご紹介します。
日本ビジネスシステムズ株式会社
参考URL:JBSファミリーとしての垣根を越えたつながり
日本ビジネスシステムズ社(略称:JBS)で開催されるアルムナイ交流会は、アルムナイと既存社員どちらも参加できるのがポイントです。
お互いの近況を報告し合ったり、ビジネスに対して熱い議論を交わしたりと、定期的にフラットな交流会を開催しています。
環境が変わっても、こうした交流の場を通じて人脈を築き続けることで、アルムナイ採用の機会を創出しやすくなります。
パナソニック ホールディングス株式会社
参考URL:二度目の入社だからこそわかるカムバック採用の本当の価値
以前からアルムナイ制度は設けていましたが、あまり社員間で認知されていなかったり、事例がなかったため積極的に活用されていませんでした。
しかし、日本Microsoftの会長を歴任した経歴を持つ樋口氏がパナソニックにカムバックしたことがきっかけで、「パナソニック=カムバックキャリアOK」といった認識が広がり、アルムナイ制度の浸透につながりました。
この事例から、アルムナイ採用を成功させるためにはまず社内での認知拡大が重要であることが示唆されます。
トヨタ自動車株式会社
参考URL:トヨタ自動車が取り組む「アルムナイネットワーク」退職者との関係構築で人材の多様性を創出する
トヨタ自動車は、2005年から「プロキャリア・カムバック制度」を導入していますが、2023年に条件を緩和し、新施策として「アルムナイ採用」を導入しました。
キャリアアップの理由で自己都合退職された方や、やむを得ない事情で退職された方など、対象範囲は広く、またキャリア採用と同様の採用手法です。
対象範囲を拡大したことで、アルムナイ採用の母集団形成が容易になり、より多くの候補者と出会うことに成功しました。
さいごに
アルムナイ採用は、過去に自社で活躍した優秀な人材を再雇用できる制度です。
「採用コストの削減」「即戦力人材の雇用」など、複数のメリットがありますが、一方で即時の効果を期待できないため、違う採用手法を組み合わせて活用する事が重要になります。
即戦力RPOでは、採用におけるあらゆる課題解決を行なっています。まずは無料相談からお気軽にお問い合わせください。