採用代行サービス(RPO)の費用相場は?業務ごとの料金や費用対効果も紹介

人手不足が深刻な現在、求める人材を効率的に採用することは企業の存続や拡大にとって最重要事項になっています。

「採用担当者の負担が重すぎる」

「採用予算を効率よく活用したいが、正解がわからない」

などと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回ご紹介する採用代行(RPO)は、採用に関するノウハウを保有している専門業者に一部または全体の採用業務をアウトソーシングできるサービスです。そんな、採用効率を向上させながらコストを最適化できるとして注目されている採用代行サービスについて、費用相場費用対効果などを中心にを詳しくご紹介していきます。

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目次

採用代行(RPO)とは?

採用代行(RPO:Recruitment Process Outsourcing)は、採用活動にまつわる業務の一部または全体を委託できるサービスで、「採用アウトソーシング」や「採用支援」とも呼ばれています。

具体的には、採用代行サービスは採用戦略の構築や応募者対応、面接代行、内定者フォローまであらゆる業務を委託することができます。

採用代行サービスを一気に比較検討したい!という方は、随時更新している下の記事をぜひご覧ください。

採用代行(RPO)サービスの相場【報酬形態】

まず、採用代行サービスにおける費用について下記2つの報酬形態別にご紹介します。

  • 月額固定型
  • 従量課金型

①月額固定型

毎月支払う金額が決まり、予算の範囲内で特定の業務を定額で委託できるのが、月額固定制の特長です。

月額固定制の費用相場は、通常月額5万円から100万円までの範囲となっています。

企業のニーズに合わせたパッケージプランが用意されていることが多く、3ヶ月、6ヶ月、1年などの期間を選んで契約することが一般的です。また、オプションを追加しない限りは予算外の追加費用が発生しないので、年間予算が明確に設定されている企業や定期的に依頼したい業務が決まっている企業におすすめです。

②従量課金型

「スカウト業務と日程調整」や「採用戦略設計と母集団形成」など、特定の業務を頼んだ際にその「業務単位」で料金が決定する価格形態です。

例えば、初月は戦略設計と媒体の初期設定などの基盤となる業務を依頼して、翌月からはスカウト業務や数値分析などの運用側のを頼んだり、採用計画が急に変わってイベント企画を依頼したりと、その時々に合わせた依頼を行うことができます。

長期的な依頼の目処が立っていない企業や、変化の多いベンチャー企業などにおいてメリットの多い報酬形態です。

成果報酬型

成果報酬型では、採用が決定した際や面接が実施された際に報酬が発生します。

費用相場は、内定を承諾した求職者の「年収の15〜45%」や、求人票から応募された件数「1件あたり○万円」など、費用が発生するポイントによって様々です。

両社が決定した条件を満たすまで料金が発生しないので、企業は損出を最小限に抑えることができます。採用を外部に委託したいけど費用対効果が合うか不安という企業に、特におすすめです。

スカウト通数課金型

最近活用する企業が増えている「スカウト採用(ダイレクトリクルーティング)」において、送付した通数で費用が計算される料金形態です。

相場は1通2,000円で、パーソナライズ化などを行うような比較的高額なサービスだと5,000円程度です。採用が難しいハイレイヤー人材やエンジニアなどの専門職人材においてはスカウトの1通1通が非常に大切なため、経験値の高い採用代行業者に任せるのがおすすめです。

運用媒体数課金型

WantedlyやGreenなどの「運用型媒体」の数によって課金額がかわる報酬形態です。

相場としては、大体1媒体15~30万円から運用を委託することができます。運用型の媒体は、採用できた時の費用対効果は高いものの、「運用ノウハウの有無」「採用リソースの有無」によって採用に成功するかどうかが大きく変わるため、プロとして多くの知識を保有している採用代行の力を借りるのが賢明です。

稼働時間型

必要な業務のみを委託でき、その業務に実際に掛かった「時間」が費用として換算される報酬形態です。

稼働時間型は、大体時給3000〜4000円で設定されることが多く、特定の採用業務にだけ注力したい場合や、月ごとに業務量に変動がある場合などに適しています。

また、従量課金型と似ているようですが、従量課金型は「業務単位」で金額が変動するのに対して稼働時間型は「時間単位」で金額が変動するという違いがあります。

採用代行(RPO)サービスの相場【雇用形態】

次に、新卒・中途/パートアルバイトという2種類に分けてご紹介します。

新卒・中途採用

同じ「正社員採用」でも新卒と中途だとアプローチ方法が全く異なるため、選択する手法もかかる工数も変わってきます。

一般的に、新卒採用と中途採用の委託相場は下記の通りです。

  • 新卒採用:5~70万円/月
  • 中途採用:10~70万円/月

パート・アルバイト採用

パートやアルバイトを採用する場合にも採用代行サービスの導入は有効です。パートやアルバイトは募集が集まりやすいため、正社員の採用代行よりも比較的相場が低く、月額1~30万円が一般的です。

採用代行(RPO)サービスの相場【業務別】

採用代行は業務単位で委託することができるので、以下では実際の採用フローに沿ってそれぞれにかかる一般的な委託相場についてご紹介します。

▼採用業務別 委託金額相場表▼

業務            料金       ポイント
採用戦略立案10万円〜/回採用の軸となる戦略立案は、慎重に設計する必要があるため費用がかかりますが、基本的には1回のみです。
要件定義5万円〜/回募集ポジションが多ければ多いほど追加料金が発生する場合があるので注意。
説明会代行1万円〜/回事前に会社説明の資料が作成してある場合であれば、比較的安く委託できます。
求人作成3万円〜/回求人は会社紹介などのベースができていればもう少し費用を抑えられる場合もあります。
DM・スカウト配信1000円〜/回スカウト業務は前述した通り従量課金型のサービスが多く、1通当たり1,000円程度が相場であると言えます。つまり、月に200通のスカウトを送りたい場合は20万円程度の費用が発生します。
応募者スクリーニング2,500円~ / 回採用要件に合わせて応募者のスクリーニングを行い、採用担当者の負担を減らしてもらえます。特に、判断の難しいハイレイヤー人材の場合は依頼をお勧めします。
採用管理システム運用10万円~/月GreenやWantedlyなどの運用型媒体だとさらに価格が上がりますが、通常の求人媒体であれば月10万円未満で依頼できるサービスもあります。
応募者対応2万円〜月応募者対応は事務的の割に丁寧さが求められるため、アウトソースして効率化することが重要です。
面接日時設定5,000円/10件面接担当者とそのカレンダーやzoomなどを委託し、全ての選考で日程調整をしてもらうことができます。基本的に、10件ごとなどで計算されます。
各種発着信対応5万円~/月コールセンターなどを保有している採用支援業社であれば、夜間でも対応してもらえるため非常に便利です。
面接代行2万円〜/回面接代行は基本的に自社で行うことをおすすめしますが、もし外注する場合は、候補者を見極めつつ、離脱されないような魅力訴求がをする必要があるため、難易度が高く、最低でも15万円程度は見込んでおく必要があります。
内定者フォロー3万円~/月内定後も定期的にコンタクトを取ったり研修をする必要がありますが、その部分を委託することができます。
スポットコンサル5万円〜/回採用戦略を立て直したい、新しいポジションを追加したいという際に、スポットで壁打ちなどのコンサルを入れる場合は約5万円〜依頼が可能です。

採用業務にはコア業務とノンコア業務があり、例えば選考中の日程調整やメール対応などはノンコア(重要ではない)業務で、面接などはコア(重要な)業務として分類されます。

事務的なノンコア業務に比べて、1つ1つの業務が与えるインパクトが大きいコア業務は比較的1件あたりの相場が高くなりますが、採用業務のプロである採用代行サービスに依頼することで採用活動を効率よく進めることができ、結果的に採用コストに対する採用成果の最大化も期待できます

採用代行(RPO)サービスに依頼できる業務

採用戦略の策定

  • 課題の洗い出し
  • 採用戦略の評価
  • 採用競合や市場の分析
  • 採用ターゲットの明確化

「いつまでに、どういう人が、何人必要か」などの採用目標に基づいて、採用ターゲットの要件を明確にし、採用戦略を設計することができます。

また、採用競合や採用ターゲットごとの市場の調査・分析も委託できるため、手間を減らしつつもデータに基づいた効果的な採用戦略を設計することができます。

母集団形成

  • 求人媒体への掲載
  • 求人広告原稿の作成
  • ダイレクトリクルーティング業務
  • 説明会などのイベントの企画運営

採用ターゲットに合わせた採用媒体(求人広告)の選定や求人原稿・の制作を外部に任せることで、応募者の量を増やしながら、質の向上も期待できます。また、ダイレクトリクルーティング(スカウト採用)や説明会などの企画・実施を社内で行っている企業は、手間を大幅に減らすことができるでしょう。

応募者の対応/管理

  • 日程調整
  • 書類選考
  • 適性検査の案内
  • 合格/不合格の通知

応募者数が増えると、応募者への対応や選考などの作業に時間がかかります。

こうしたノンコア業務を外部に委託することで、効率的な業務遂行が期待できます。

また、要件などを伝えておけば書類選考までも委託することができるので、応募が集まりやすい時期などは非常に手間を省くことができます。

面接の実施

面接を直接行いたくても求職者が遠隔地で直接会うことができない場合や、面接官の時間がとれない、面接経験が乏しくて人材を見抜く自信がないなどの場合には、面接官代行を活用するのがおすすめです。

また、自社の面接に同席してもらい選考の方法や、質問の仕方などのアドバイスなどをおこなってもらうこともできます。

内定者のフォロー

  • 内定通知
  • 入社手続きや必要書類の整備
  • 入社日程の調整

入社手続きや書類の作成、内定者懇談会の開催までも委託することができ、内定者との円滑なコミュニケーションによって、内定者の不安解消をサポートすることができます。

特に内定辞退率が課題であればこの部分を採用代行に委託すると良いでしょう。

実は損?採用代行を利用しない場合の費用対効果とは

採用代行サービスを利用するということは、一定の費用が発生します。その上、予期せぬ追加費用が発生することもあります。しかし、採用代行を利用しない場合の方がコストがかかっているかもしれません。以下では、3つのパターンに分けて採用代行に伴う費用を比較します。

採用担当を新たに雇う場合

リソースの補充としてほぼ未経験の採用担当を採用する場合、「人件費」として福利厚生としての支出、社会保険料、個人に支給する備品などで給与が22万の人材でも30万円以上の固定費がかかかります

また、採用計画が一時的なものである場合、その採用計画を達成したらリソース補充として雇った人材を辞めさせるわけにもいかず「どう活かすか」という問題も発生してしまいます。

採用が難航した場合

採用がうまくいかず、当初の計画よりも採用が長引いてしまった場合は「媒体費用の延長」や「他部署の面接担当者の時間的コスト」などがかかります。また、一度入社した人材が早期離職してしまった場合は育成コストなどもかさんでしまいます。

人材紹介会社(エージェント)を利用した場合

採用が難しい人材を採用する場合、人材紹介会社を利用する企業も多いと思います。しかし、基本的に人材紹介会社は成果報酬(相場は30%)のため、年収400万円の人材を採用すると120万円の費用が発生してしまいます

ただ、人材紹介会社は初期費用がかからないケースがほとんどのため「採用代行はやり取りが面倒」「ハイレイヤー人材を一人採用したい」と考えている企業にとってはマッチする可能性が高いです。

人材紹介(エージェント)との利用を迷っている方はこちらの「採用代行と人材紹介の違いとは?見極め方や費用感などを徹底比較」もご覧ください。

採用代行を利用するメリットとデメリット

それでは、費用対効果なども踏まえた上で、改めて採用代行サービスを利用するメリットをご紹介します。

メリット

採用業務の質を担保でき、素早く課題改善ができる

採用代行を利用する最大のメリットは、「実績のあるプロに任せることができる点」です。採用代行企業はさまざまな企業の採用成功経験と失敗経験があり、多方面で豊富なノウハウを持っています。そのような過去のデータを用いることで、より採用活動における全てのクオリティが上がることが期待できます。

採用担当者が面接などの重要業務に時間を割ける

面接日程のアレンジや応募者の管理など、ノンコア業務は必ずしも採用担当者に限定されるものではありませんね。これらのノンコア業務を外部に委託することで、多忙な採用担当者に時間的な余裕が生まれます。

採用ターゲットの設定や面接、内定者へのサポートなど、重要なコア業務により集中できるため、内定者の質の向上や内定辞退率の低減にも寄与します。

指示する必要がなく、自ら採用活動をすすめてくれる

業務範囲や内容を予め設定して認識をすり合わせておけば、採用代行サービスの担当者が一連の業務に対応してくれることも採用代行のメリットです。

採用手法を適切に選ぶことでコストを削減できる

就職・転職サイトの見直しや、求人原稿の作成を採用のプロに頼むと、コスト削減に繋がる可能性があります。

というのも、適切な求人広告媒体の選定や原稿の作成が不十分だと、思うように応募が集まらず、結果として採用コストが増大しまいますが、採用手法に対して多くのデータを保有している採用のプロに手法の選定を頼むことで、最適な媒体の選定や原稿作成が可能となり、結果的に採用コストを削減できるのです。

採用ノウハウを学ぶことができる

採用のプロから学べる知見やノウハウは、採用代行を利用する大きな利点の一つです。

課題の洗い出しや改善提案を受けることで、採用プロセスやノウハウの向上が期待できます。

採用の経験が不足している企業や、採用活動が十分に機能していない企業にとっては、是非とも活用したいメリットと言えるでしょう。

デメリット

ここまで説明してきた通り、採用代行は魅力的な選択肢ではありますが、導入にあたってはいくつか懸念事項もあります。ここでは2つを挙げておきますので、確認してみましょう。

採用のノウハウが自社に溜まらない

プロが採用活動を遂行することで、成果を上げやすく時間と手間も削減できますが、代行業者へ完全に丸投げするのは勧められません。

その理由は、代行業者に全てを委ねてしまうと、自社内での採用ノウハウが蓄積されないからです。

採用活動においてアドバイスを受けたり、サポートとして採用代行サービスを活用することで、経験値やノウハウを段階的に蓄積していくことが重要です。

応募者との接点が減る

面接や内定者フォローなどを採用代行サービスに委ねると、当然ながら応募者との接点が減少し、信頼関係の構築が難しくなります。

また、代行業者は自社の社員ではないため、打ち合わせが不十分だった場合や、代行業者の質が良くないと、会社の雰囲気や社員の人柄などが、応募者に適切に伝わらない可能性があり、入社後のミスマッチに繋がることも検討されます。

こうした問題を回避するためにも、代行業者に全てを委ねず、積極的に応募者とコミュニケーションをとることが重要です。

自社に合う採用代行(RPO)サービスを選ぶポイント

これまでに採用代行のメリットや利用時の留意点について説明してきましたが、それでは実際にどの採用代行会社を選ぶべきか、どの基準で判断すれば良いのでしょうか。採用代行のプロバイダーは数多く存在し、選択肢が多いため、どれを選ぶか決めるのは迷うこともあるかもしれません。

ここでは、採用代行会社を選ぶ際の3つの要点を挙げて解説していきます。

①採用ノウハウがあるか

採用業務において実績や専門知識があるかどうかを確認しておきましょう。採用代行のプロバイダーは数多く存在し、その背景や強みは様々です。中には、他の事業を主軸にしながら「儲かりそうだから」といった理由で採用代行業務を手がけている企業もあります。

自社の採用業務を委託するのであれば、できるだけ「人材のプロ」「採用のプロ」に頼むことが成功の近道です。採用はビジネスにおいて重要な要素ですので、コストだけでなく、採用において実績のあるプロフェッショナルを選ぶことが重要です。

②自社と似た会社の実績はあるか

採用代行業者がどれほどの規模や業種に対する実績を有しているかです。自社と同様の規模や業種において成功した経験があるかどうかは、信頼性を判断する上での大きな要素です。

実績のない企業に採用業務を任せるのはリスクが伴いますので、企業の導入事例や実績を確認し、過去の成功体験を理解することが重要です。

③情報セキュリティ対策を行っているか

採用代行業者がどれほどの規模や業種に対する実績を有しているかです。自社と同様の規模や業種において成功した経験があるかどうかは、信頼性を判断する上での大きな要素です。

実績のない企業に採用業務を任せるのはリスクが伴いますので、企業の導入事例や実績を確認し、過去の成功体験を理解することが重要です。

また、情報セキュリティ対策を行っていない場合や正しく事業申請していない場合は採用代行を依頼すること自体が違法にあたる場合もあります。

まとめ

採用業務の外部委託が可能な採用代行サービスは、採用活動をスムーズに進める手段となります。ただし、委託業務の内容やサービスのプランによってはかえってコストがかさむ可能性があります。

採用代行サービスを有効に活用するためには、具体的な目的を定め、委託する業務範囲を明確に決定することが不可欠です。今回お話ししたしたポイントを踏まえて、採用代行サービスの利用をご検討いただければと思います。

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この記事の監修者

井上愛海のアバター 井上愛海 株式会社ミギナナメウエ 執行役員

2022年9月東京大学大学院在籍中に株式会社ミギナナメウエの執行役員に就任。
即戦力RPO事業の事業部長を担い、これまでに150社以上の採用支援に携わる。
【以下実績】
・シリーズBのスタートアップ企業の20名のエンジニア組織を40名まで拡大
・CTO、PM、メンバークラスを採用しゼロからのエンジニア組織を立ち上げに成功

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