歯科衛生士は歯科医院にとってなくてはならない存在です。しかし、歯科衛生士の採用は有効求人倍率が高いことに加え、離職率が高く、難しいと言われています。
本記事ではそんな歯科衛生士の採用が難しい理由だけでなく、歯科衛生士の効果的な採用方法やおすすめ媒体、歯科衛生士の採用で失敗しないためのコツなどを解説します。
本記事を読むことで、歯科衛生士の採用がうまくいき、優秀な人材を確保しやすくなりますので、ぜひ最後までご覧ください。
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歯科衛生士の採用が難しいと言われる理由
歯科衛生士の採用が難しいと言われる理由には、主に3つの理由が考えられます。
- 歯科衛生士の有効求人倍率が高い
- 他の歯科医院との差別化が難しい
- 歯科衛生士の離職率が高い
本項目では、上記3つの理由について、データを交えて解説します。
歯科衛生士の有効求人倍率が高い
歯科衛生士の採用が難しい理由として、歯科衛生士の有効求人倍率が高いことが挙げられます。
一般社団法人全国歯科衛生士教育協議の「歯科衛生士教育に関する現状調査の結果報告」によると、令和4年度に歯科衛生士の学校を卒業した人は全国で7,162人いました。一方で、求人人数は148,289人とここ数年では最大で、有効求人倍率は20.7倍と「超売り手市場」であることがわかります。
また厚生労働省の「令和4(2022)年医療施設(動態)調査・病院報告の概況」によると、2022年10月時点の歯科医院の数は67,755か所と、歯科衛生士の学校を卒業した人数と比べればケタ違いの多さです。これらの歯科医院が1か所につき2人ないし3人の求人を出したと考えれば決して不思議なことではありません。
そのため、新卒の歯科衛生士を確保しようにも、明らかに人材が足りておらずかなり激しい争奪戦が展開されていることがわかります。
他の歯科医院との差別化が難しい
歯科衛生士の働き方は基本的にどの歯科医院でもさほど変わらず、他の歯科医院との差別化が難しい背景があり、採用の難しさにつながっていると言えます。
歯科衛生士は一般的に週5日勤務で、土日祝が休み、残業が少ないなど、比較的労働環境の良い職種と言われています。また、歯科衛生士は女性が多いこともあり、近年では育児・介護休暇制度など、福利厚生に力を入れるケースも珍しくありません。
こういった背景からどの歯科医院でも同じような待遇があり、同じような訴求を行っているため、他の歯科医院との差別化が難しくなっているのです。結果的に「どこも同じ」という状況を生みだし、採用につながりにくい状態に陥っています。
一方で、ユニークな福利厚生を展開しようにも、歯科医院は保険診療で運営されており、予算を割くのも大変です。こうした状況も似たような求人が並ぶ原因となっています。
歯科衛生士の離職率が高い
仮に採用できたとしても、歯科衛生士は離職率が高いため、再度採用活動をしなければならないケースも少なくありません。
公益社団法人 日本歯科衛生士会の「歯科衛生士の勤務実態調査報告書」によると、日本歯科衛生士会が5年おきに行う「歯科衛生士の勤務実態調査」において、最新の2020年の報告書を見ると、「勤務先の変更経験」の質問があります。この質問で、「勤務先を変わったことはない」と答えた歯科衛生士の割合は22.2%と低く、8割近い歯科衛生士は1度以上離職経験があることがわかります。
また変更経験の回数についても、4回以上の変更経験を持つ人は全体の19.6%と高い数字です。主な変更理由は、結婚や人間関係、出産・育児、給与・待遇の面が目立ちます。スキルアップを目指して辞めるというよりも、ライフステージの変化や人間関係などが中心です。
そして、今の勤務先を替えたいと思っている歯科衛生士の割合は過去に考えたことがある人で5割近く、現時点で考えている人で2割近くと過半数の歯科衛生士は何らかの時に勤務先を変えたいと考えていたのです。
特に現時点で勤務先を替えたいと考えている歯科衛生士の年代別のデータを見ると、若い人ほど転職を考えていることがわかります。新卒の歯科衛生士を採用しても、転職が常に選択肢の中にあることがわかります。
歯科衛生士の効果的な採用方法とおすすめ媒体
歯科衛生士を効果的に採用する方法はいくつかあります。その中でも主な採用方法は以下の通りです。
- 求人サイト
- ハローワーク
- 人材紹介サービス
- リファラル採用
- 自社サイト
- SNS
- 大学/専門学校で求人を掲載してもらう
ここからは、歯科衛生士の効果的な採用方法について、おすすめ媒体と合わせてご紹介します。
求人サイト
歯科衛生士の採用方法で最も一般的なのが求人サイトです。その理由として、歯科衛生士に特化した求人サイトが多く、求人サイトごとに特色がみられるのもポイントです。
例えばジョブメドレーでは、「スピード返信の歯科衛生士の求人」という項目があり、応募をすればすぐに返信がある求人が並んでいます。
歯科衛生士に特化した求人サイトであれば、業務内容に多少専門的なことを書いた方が仕事のイメージがしやすく、応募につながりやすいでしょう。採用活動をする際にはジョブメドレーやクオキャリアなどの求人サイトの活用がおすすめです。
ハローワーク
ハローワークは掲載が無料なため、コストを最小限に抑えて採用活動ができます。ハローワークを利用する際には最寄りのハローワークに行って、求人申し込みをするだけです。
求人募集までのハードルが低いほか、地域に住む人に向けて情報発信がなされるため、地方の歯科医院にとっては最も効果的な採用方法と言えるでしょう。
一方で、ハローワークに掲載される情報は簡単なもので、詳しい業務内容などは一目ではわかりません。そのため、応募後に、面接などで認識に食い違いが発生するなどのマイナス面も考えられます。
人材紹介サービス
転職エージェントなどに歯科衛生士を紹介してもらうという方法も存在します。例えばデンタルワーカーという転職エージェントでは、歯科衛生士専門のコンサルタントがおり、求人情報を多く提供するのが特徴です。
また「Dental Happy」は歯科衛生士専門の転職エージェントであり、スタッフが全国の歯科医院を訪ねて院長に取材を行うなど、医院内の雰囲気を確かめられるのがポイントです。
歯科衛生士に特化した転職エージェント・人材紹介サービスであれば、モチベーションの高い人材を確保しやすいでしょう。
リファラル採用
歯科医院に在籍中の歯科衛生士に対して、優秀そうな人を紹介してもらう「リファラル採用」もおすすめです。歯科衛生士の学校で知り合った友達のほとんどは歯科衛生士なので、知り合いを紹介してもらいやすいのが特徴的です。
働きやすい職場であれば、「知り合いを紹介して一緒に働きたい」と考えてもらえます。また、すでに知った人がいるためよりいい雰囲気になっていくほか、紹介した歯科衛生士の離職防止にもつながります。
あとはリファラル採用が行われやすい環境整備が大切です。具体的には紹介した歯科衛生士などへのボーナスや普段からのコミュニケーションが挙げられます。
自社サイト
自らの歯科医院のホームページ上で採用ページを作り、求人を載せるのも1つの手段です。ページ作成のコストこそかかりますが、掲載しているだけであればコストはほとんどかからず、自由に情報発信を行えます。
仮に採用ページへの流入が少なければ、Googleなどの検索エンジンに表示されるリスティング広告などを活用していくことも可能です。
ブログなどで日々の状況を書いていくと、その歯科医院の雰囲気がある程度把握できるため、応募者も働くイメージが持ちやすくなります。
SNS
SNSを活用する採用方法も存在します。この場合のSNSとはX(Twitter)やインスタグラム、TikTokなど若い女性が利用するSNSです。SNSを通じて歯科医院の雰囲気が伝わりやすく、どのような人が働いているかがわかります。
歯科衛生士にインタビューを行って働き方などを聞いていくなど、働くイメージを持ってもらいやすい形で運用していくことも可能です。「こんなはずじゃなかった…」と悪いギャップを持たれないようにできるのもSNSを活用した採用方法の特徴と言えます。
大学/専門学校で求人を掲載してもらう
大学や専門学校に直接コンタクトを取り、求人を掲載してもらう方法もあります。一般的に各学校では求人依頼のページがあり、求人申し込みを専用フォームから行えるようにして、学生がいつでも求人を確認できるようになっています。
学生がすぐに求人情報にアクセスできる環境であれば、色々吟味をしながら選んでもらえる可能性ある上に学校としても就職をアシストしてくれる可能性もあるため、新卒の歯科衛生士を採用したい歯科医院は周辺の学校に求人を掲載してもらうのがおすすめです。
歯科衛生士の採用で失敗しないためのコツ
歯科衛生士を採用する際に失敗しないためのコツを、以下6つに分けてご紹介します。
- 給料や給与を慎重に設定する
- 魅力的な求人内容を作成する
- 明確な求人情報を提供する
- 従業員からの意見も参考にする
- 面接を丁寧に行う
- 内定後のフォローも忘れない
給料や給与を慎重に設定する
採用を成功させる場合、給与面の設定は慎重に検討していく必要があります。特に常勤の歯科衛生士の採用にあたっては、給与・待遇が採用に大きな影響をもたらすからです。
公益社団法人 日本歯科衛生士会の「歯科衛生士の勤務実態調査報告書」によると、「歯科衛生士の勤務実態調査」において過去に「勤務先を変わったことがある」と答えた人の中で、常勤の歯科衛生士が勤務先を変更した理由の上位2位に「給与・待遇の面」がランクインしています。ちなみに1位は「経営者との人間関係」でした。
また現時点で勤務先を替えたいと思っている歯科衛生士は、その動機として「給与・待遇の面」を挙げる人が最も多いのもアンケートで明らかになっています。給与面・待遇面を正しく設定しないと、不満を持たれやすく、最終的に離職につながってしまうでしょう。
給与面・待遇面が弱ければ、魅力的な求人にはなりません。特に他の歯科医院と比べて給与や待遇が弱いと競り負けやすくなってしまいます。
魅力的な求人票を作成する
歯科衛生士にとって魅力的だと感じられるような求人であれば、多少給料などが安くても目をつぶって応募してくれる可能性も出てきます。ここでポイントとなるのがどのような内容だと「魅力的な求人」と思われるかです。
前述した「歯科衛生士の勤務実態調査」では、ライフステージの変化や人間関係が離職のきっかけになることが明らかになっています。そのため、例えば福利厚生面を充実させて結婚・出産・子育てを挟んでも戻ってきたくなるような制度を用意するのも1つの手です。
また、歯科衛生士に関する資格を取得すれば資格手当を提供する形にすれば、スキルアップに積極的になり、モチベーションがアップしやすくなるでしょう。他の歯科医院にはないような制度を見つけて導入し、魅力的な求人にしてていくことがコツです。
明確な採用情報を記載する
求人情報に書かれている内容をより具体的かつ明快に記載することで、少しでも不安を払しょくできます。例えば、単に「資格手当あり」と書かれていても、どんな資格を得たら毎月いくらもらえるのかという具体的な情報がなければ、「本当はもらえないのではないか…」と思われがちです。
しかし、日本歯科衛生士会が認定する「認定歯科衛生士」になったら資格手当を出すなどの情報を明記すれば、「この歯科医院はスキルアップに熱心だ」という印象を与えられます。求人情報を通じてその歯科医院のカラーがはっきりと伝われば、歯科医院のイメージアップなどにつながるでしょう。
従業員からの意見を参考にする
歯科衛生士を採用する際には、従業員からの意見を参考にすることも大切です。歯科医院には歯科衛生士だけでなく歯科助手もいます。歯科助手もまた女性が多く、女性の立場からみて、どのような求人だったら魅力的に思えるかをアドバイスしてもらうのも必要です。
SNSを活用して採用活動につなげる場合には、従業員にも参加してもらい、SNSの運用をしてもらうなどして、歯科医院のイメージを高めていくこともおすすめです。女性が自らの言葉で歯科医院の良さを伝えることで説得力が生まれやすく、その歯科医院で働くイメージがつきやすくなります。
面接を丁寧に行う
面接を通じて、応募者の人となりやモチベーションの高さを感じ取っていくことになりますが、この面接を丁寧に行うことが重要ですす。面接を丁寧に行うことで、採用後のミスマッチを防ぎ、離職する可能性が下がりやすくなります。
面接は応募者と歯科医院それぞれが相手を理解する場であり、お互いに理解し合うことでギャップを防げます。裏を返せば、相互理解が進まないとミスマッチにつながりやすく、早期離職につながります。
面接を丁寧に行うためにおすすめなのが「面接質問シート」の導入です。面接質問シートは複数の質問、質問を行う意図が書いてあり、それを見ながら質問を行えるようにしたものです。面接質問シートがあることで、質問をし忘れたり、担当者によっての評価のブレをなくすことができます。
この面接質問シートは面接を重ねていく中で改良を重ね、面接の中身をよりよいものにしていけます。
内定後のフォローを忘れない
無事に内定が出たら、それで満足してはいけません。むしろ内定を出してからが勝負であり、内定後のフォローを忘れないことが重要です。歯科衛生士志望の人が複数の歯科医院の選考に参加している場合、他の歯科医院からも内定を得ていたら比較検討の末に内定辞退になる可能性が考えられます。
内定辞退につながりやすいケースは、内定が出てから連絡が乏しく、段々と不安が増してくるケースです。不安になってしまうと払拭するのは大変で、連絡がなければないほど気持ちも離れていきます。
頻繁に連絡を入れてフォローを入れていくほか、内定者を集めた研修、食事会を開催してコミュニケーションを深めていくなどの対策が必要です。手を尽くした末に辞退される可能性もありますが、働き始めてから辞退されるよりもマシと言えます。
少なくともフォローを一切しないで内定辞退を招くことは避け、フォローを入念に行うことを考えましょう。
自院に合った方法で歯科衛生士を採用しましょう!
歯科衛生士を採用するのは大変であり、特に新卒の歯科衛生士を採用するには、学校で求人を掲載してもらうほか、SNSの積極的な活用などが必要です。男性の歯科医師が院長を務める歯科医院の場合、SNSを使いこなせるか微妙なケースも考えられるため、歯科助手や歯科衛生士の女性にSNSの運用を任せるのも1つの手です。
あとは自院に合った方法を見出して、効果的に歯科衛生士を採用していきましょう。そして、採用してからも働きやすい環境を整える努力を怠らないことが離職率の低下につながります。