【人事向け】Wantedlyのインターン採用とは?メリットや成功のポイントを解説

昨今、新卒採用を見据えた学生向けのインターンシップが注目を集めています。

2018年から、日本経済団体連合会(経団連)が「就活の一斉解禁」の制度を廃止したことにより、より企業の新卒採用活動は激化しています。また、就活生に対してのインターンシップの実施も採用に直結できるようになったことによって、さらにインターン経由での採用を強化する企業が増えています。

そこで、本記事では採用媒体として注目を集めるWantedlyを利用したインターンシップ採用について、メリットや成功させるコツなどを詳しく解説します。

目次

そもそもインターンシップの目的とは?

インターンシップは、学生・学校・企業それぞれにおいて異なる目的が発生しています。

学生は将来のキャリアを考える機会として、また就職活動の一部としてインターンシップに参加します。

Wantedlyが2022年に実施した長期インターンシップに関する調査では、学生の主な参加目的として、「社会に出る前に経験を積みたい(72%)」、「自分らしいキャリアを考えるための参考になる(60%)」という回答がありました。

一方、大学は企業で学んだ知識や受けた刺激をもとに、改めて学習に意欲高く向き合ってほしいと考えています。

そして、私たち企業側は、自社に興味を持ってもらいながら、採用ターゲットとしてマッチする人材かどうかを確かめることを目指しています。

株式会社月刊総務が25卒の新卒採用を実施する企業に対して行なった調査によると、「今年度、インターンシップを実施する予定か」という問いに対して、「実施する」という回答が72.1%と7割以上を占めた。

また、「インターンシップを実施する理由」を尋ねたところ、「早期選考で優秀な学生を確保するため」が最も多く、その下に「入社後のミスマッチ軽減」や「学生とのネットワーク構築」などが続いています。

インターンシップを行うメリット

学生と早い段階で接点を持てる

新卒採用には、政府が定めた採用ルールが存在し、採用活動を開始できる時期が明確に定められています。

しかし、インターンシップはその時期よりも前から「広報活動」として新卒採用を始めることができます。新卒採用の早期化が進んでいる今、早期に優秀な学生と接点を持って、企アプローチすることができると、企業は非常に有利な状態で採用活動を進めることができます。

また、インターンシップを通じて、書類選考や面接では見えない学生の優れたスキルや特性を発見し、その学生を採用候補として育てていくことも可能です。

企業のイメージアップ

インターンシップは企業の知名度向上やイメージアップに効果的な手段です。特に、認知度やネームバリューにあまり自信のない企業が新卒さいようを行うには、まず「自社を知ってもらう」ことが重要です。

そこで、インターンシップを通じて学生や学校に企業の魅力を伝えることで、評判が広まり、自社の認知度を広げることができます。

インターンを通してイメージアップをするためには、他社とは異なる独自のコンテンツを企画したり、学生に手厚いサポートを行うことで、学生にとって「いいインターンだった=いい企業だ」というイメージを持ってもらうことができます。

採用後のミスマッチを防ぐことができる

中途採用に比べてコストが発生する新卒採用においては、早期離職は企業にとって大きな損失です。厚生労働省の調査によれば、新規大卒就職者の約3割が入社から3年以内に離職しています。この原因は、人間関係や仕事への不適合が主な要因とされています。

インターンシップは、こうした問題も解決することができます。選考ではない場において、カジュアルに自社の社風や業務内容を伝えることができるので、入社後のギャップを減らし、早期離職を抑制できる可能性が高まるのです。

学生側からしても、事前に企業の雰囲気や業務内容を体験し、自らの適性や志向とマッチするかどうかを確認できるため、より企業に対しての理解度が深まり、定着率も高まります。

インターンシップの種類

ひとくくりにインターンシップといっても、全てが同じ形式ではありません。以下では、インターンシップとして開催されるイベントにおける主流の形式をご紹介します。

講義セミナー型

講義セミナー型のインターンシップは、企業の業務内容や業界の状況を学生に講義のように伝える形式です。このスタイルのインターンシップを通じて、学生は自身が目指す企業や業界に関する知識を獲得し、就職活動における視野を広げることができます。

企業側から見ると、講義セミナー型は多くの学生と一度に接点を持つことができるインターンシップです。これによって企業の認知度向上や業界全体への情報発信効果が期待されます。学生との交流を通じて企業の魅力や特色を伝えることで、多くの学生に興味を持ってもらう機会となります。

業務体験型

業務体験型のインターンシップは、学生と企業の間で貴重な接点を生み出すものです。

学生は実際の職場を見学し、実際の業務に触れることで、企業の雰囲気や仕事内容を身をもって体験することができます。同時に、企業は自身の特徴や魅力をより深く学生に伝えるチャンスとなります。この形式のインターンシップは、入社後のミスマッチによる早期離職を防いだり、研修前時点での適応において非常に有効です。

ワークショップ型

ワークショップ型のインターンシップは、業務に関連したテーマに基づいてグループワークやディスカッション、プレゼンテーションなどを行う形式です。

この形式のインターンシップは若干選考に近く、学生のコミュニケーション能力や協調性、そして問題解決能力などを企業側が評価することができます。

学生たちは、実際の業務に関連した課題に取り組むことで、チームワークやリーダーシップスキルの向上を図ることができます。また、実践的な体験を通じて、社会的に求められるスキルを体感したり、自己成長を促進したりできる機会になります。

実践型(長期インターン)

実践型のインターンシップでは、一定の期間、実際の職場で業務に従事する形式が取られます。このスタイルは、特に企業や特定業種・業界での就職を希望する学生や、既に業務に関連するスキルを持つ学生が参加する傾向があります。

実践型のインターンシップでは、参加者は実際の業務に携わることで、より深く企業を理解することができます。また、長期間にわたって業務を行うため、実践的なスキルを身につけることができ、ビジネス環境に触れる機会を得ることができます。

企業は、学生に対してじっくりと時間をかけて魅力付けできるため、自社への志望度を多角的に高めることができ、社員とコミュニケーションをとってもらうことによってさらに離脱されずに採用に繋げることができます。また、入社前に自社の業務に触れているため、長期インターン経由で採用した人は育成コストがかからないことも大きなポイントです。

Wantedlyでインターンを募集するメリット

インターンにおいて学生を募集する手段として、自社サイトや求人サイトへの掲載など複数の方法があります。その中でも、Wantedlyを利用する際のポイントは、次の3つです。

採用広報として魅力を発信しやすい

Wantedlyでは、「ストーリー」というブログ記事の投稿機能があります。インターンの施策においては、以下のように活用することができます。

  • 自社の事業内容や取り組みの発信
  • 社内でのイベントや活動
  • 過去のインターンシップの実績や内容

これらの情報を通じて、企業の魅力や雰囲気をより詳しく伝えることができ、多くの学生に興味を持ってもらう良い機会となるでしょう。

コストを抑えることができるため費用対効果が良い

Wantedlyは他の求人サイトと比較して比較的低価格で導入することができるので、他の求人サイトと比較してもWantedlyでは月額料金内でインターンだけでなく正社員やアルバイト採用にも利用できるので、非常に費用対効果が高い媒体といえます。

Wantedlyを利用する際の詳しい料金や運用後の費用対効果については、下記の記事も参考にしてみてください。

新卒以外の採用媒体としても利用できる

一般的に、就活サイト・求人広告媒体やエージェントは、インターン募集と中途採用について異なるプラットフォームを提供しています。

しかし、Wantedlyではインターン募集後に契約プランを継続することで、採用のプラットフォームとしても利用できる利点があります。これにより、異なるプラットフォームを切り替える手間が省け、候補者の管理や選考をスムーズに進めることができます。

Wantedlyでインターンを募集する際のデメリット

Wantedlyでのインターン募集は、メリットだけではありません。ここからは、Wantedlyでインターン募集/採用をする際のデメリットや注意点についてご紹介します。

コンテンツをちゃんと作成しなければいけない

「想い」で訴求することが前提のWantedlyでは、企業の魅力と強みを際立たせ、学生が共感し応募することが大前提です。

そのため、インターンの募集を行うさいも募集ページやストーリーには、業務内容や企業情報だけでなく、企業の魅力が伝わる内容をしっかりと記載しましょう。

業界的な競合や、自社と社風が似ている、いわゆる「採用競合」を把握した上で、自社だからこそ訴求できる魅力を分析し、それをうまく伝えらえるコンテンツを作成する必要があります。

少し工数はかかってしまいますが、なぜその事業に取り組んでいるのか、ビジョンやミッションを明確に伝えることが重要です。どのような人材が活躍し、どんな貢献を期待しているのかを詳細に記述することで、学生が自社に興味を持ち、インターンに応募する可能性が高まります。

定期的に発信しなければいけないためリソースが必要

Wantedly内には「一定のアルゴリズム」が存在し、それを最大限に活かすにはコンテンツを定期的に発信することが必要不可欠です。

募集記事にしても、ストーリー記事にしても、定期的に更新することによって学生の目に触れる可能性が高くなり、インターンシップ採用の施策をより効果的なものにすることができます。

例えば、採用活動の開始時や募集締め切りが近づいた際など、定期的な更新があると、積極的に採用を進めている企業と認識され、多くの学生が興味を持ちやすくなります。

インターンシップ実施の期間と時期

一般的に、インターンシップは採用広報活動が解禁される3月以前に実施されます。具体的には、採用広報解禁の前年6月からインターンシップの応募を受け付ける企業が増えています。

インターンシップの実施期間は、大まかに短期と長期に分かれます。短期は1日から1週間程度で行われ、長期では1ヶ月以上の期間を設定することもあります。

短期のインターンシップでは、講義セミナー型や業務体験型、ワークショップ型のスタイルが多く、多くの学生との接点を持つことができます。

一方で、長期のインターンシップは主に実践型で、学生が実際に職場で働くことで能力や特性を評価されます。また、入社後の育成にも役立ち、入社前後のギャップの軽減にも効果があります。

Wantedlyでインターンを成功させるポイント

では、実際にWantedlyを利用してインターンを成功させるポイントをご紹介します。

インターンを実施する目的を決める

インターンを自社で募集する際には、まず目的を明確にすることが大切です。企業がインターンを実施する主な目的は3つあります。

  • 優秀な人材に早期にアプローチすること
  • 採用時のミスマッチを防ぐこと
  • 企業の知名度を向上させること

これらの目的に応じて、募集やストーリーに掲載する内容を調整する必要があります。例えば、自社をとりあえず知ってもらいたいなら「就活相談会」を実施したり、「昨年新卒入社したメンバーのインタビュー」などが適しているでしょう。

学生に刺さる訴求を練る

「自社に応募するであろう学生」への解像度を上げ、学生たちがインターンに求める内容を予測し、仮説を立てることは、より多くの学生からの応募を集めるために必要不可欠です。

一般論として、文部科学省と日本学生支援機構が実施した国公私立大学の学生向けアンケート調査によると、学生がインターンに期待する内容は、主に以下の5つでした。

  • 職場内の見学
  • 実務のシミュレーション・体験
  • 業務の説明
  • 社員に対する質問会
  • 業務の同行

Wantedlyでインターン募集やストーリーでイベントの公開を行う際は、上記の内容を網羅できるような内容にすることが重要です。

参加ハードルを低くする

文部科学省と日本学生支援機構が実施したアンケート調査によると、インターンシップによってキャリアが明確化する割合が最も高かったのは、10日から1カ月未満の実施期間でした。その次に、5日から10日未満の期間が続きます。

この調査では、学生は10日未満の期間を、大学院生は10日以上の期間を希望する傾向が見られました。大学生と大学院生で希望するインターンの期間に違いがあることから、学生の負担を考慮した適切な期間を設定することが重要です。

また、いきなり自社の選考が垣間見えるようなインターンシップにすると、参加ハードルが高すぎる可能性があります。大手企業や注目業界ではない場合は学生が参加しやすいようなコンテンツを企画することはもちろん、定期的に開催して気が向いた際に参加できるようなスケジュールを組んだり、遠方の学生に配慮してオンラインとオフラインのハイブリッドにするなどの工夫をしましょう。

インターンシップから新卒採用につなげるポイント

「採用」から逆算して考える

インターンシップを行う最大の目的は「学生に早期にアプローチし、自社のよりリアルな魅力を感じてもらって、採用に繋げる」ということです。

そのため、他社がインターンを行うよりもなるべく早く開始し、いち早く学生と接点を持てるように早めに計画をたてましょう。

学生が求めているコンテンツを企画する

インターンシップの詳細は、学生のニーズに沿った内容を企画するのがおすすめです。

企業の認知度向上や学生との接触機会増加を目指す場合は、講義セミナー型のインターンシップを通じて多くの学生との接点を持つことが重要です。一方、優秀な人材を見つけることが目的なら、業務体験型や実践型(長期インターン)でのアプローチが効果的です。

また、インターンシップの募集時期や実施時期、内容、実施回数なども具体的に定めることで、計画をしっかりと整えることが重要です。

社内のリソースを調整する

インターンシップの実施時期と内容が確定したら、関係者のスケジュール調整を行います。また、関係者には早めに情報を周知しましょう。

特に長期インターンシップでは、教育担当などは特にリソースを多く必要とするため、スケジュールを早急に調整する必要があります。例えば、1ヶ月以上の実践型インターンシップの場合、受け入れ部署と教育担当者の調整や実際の業務内容を決定するための相談を行います。

また、10日以内の短期インターンの場合は、印象の良いメンバーに参加してもらうことで自社に良いイメージを持ってもらえるため、施策にアサインするメンバーの選定にも注意しましょう。

インターンシップ用の募集やコンテンツを配信する

これまでの前準備が整ったら、学生向けにインターンシップの募集を開始します。Wantedlyでの記事発信はもちろん、インターンの専用求人サイトの利用や大学のキャリアセンターや企業サイトでの告知などがあります。

専用求人サイトを利用する際には費用がかかるものの、学校での掲載にはあまり費用がかからないので、ぜひ試してみてください。

インターンシップを実施する

学生からの応募を受けて、実際にインターンシップを開催します。短期の場合は多くの学生を受け入れることができるため、抽選などを行わずに参加者を受け入れられる場合もあります。

一方、長期のインターンシップでは定員が限られるため、応募が多い場合は選考を行う必要が出てくるでしょう。

インターンシップ実施後にアフターフォローを行う

インターンを実施して終わりではありません。採用に繋げるには、適切なアフターフォローが絶対に必要です。

アフターフォローの流れは一般的に下記の手順になります。

  1. 現場で参加者アンケートを回収
  2. お礼メールの配信
  3. 早期選考の案内(選考の結果、ぜひ面接させていただきたく…と特別感を出しましょう)
  4. 本格選考
  5. 内定

Wantedlyでのインターンシップ成功事例

これまでご紹介してきたポイントを踏まえた上で、弊社が支援した企業様でインターンシップ採用に成功した企業様の事例を一部ご紹介します。

設立5年以内の都内SES企業

■前提

エンジニア志望の就活生の中でもSESの評判があまり良くなく、競合も多いためあまり応募が集まらなかった。

■コンテンツ

「エンジニアのキャリア相談会」や「【エンジニア志望の23卒限定】就活相談会」などを開催し、自社のことは知らないけどエンジニアの就活について知りたい学生に幅広く認知を広げ、そこから自社のメンバーとのコミュニケーションで自社に惹きつけるという施策を行なった。

■結果

「SESで経験を積むことの大切さ」や「他社ではなくて同社で働くメリット」をメンバーの口から訴求することができ、新卒7名の応採用に繋がった。

不動産系ベンチャー企業

■前提

昨年までは採用後のミスマッチが多く、新卒にビジョンが浸透しずらかった。

■コンテンツ

「不動産業界のリアル」「ES添削付き!社員懇談会」などの社員と触れ合えて、かつ建設業界に対する学生からのイメージを汲み取ることができるコンテンツを企画。

大手ゼネコン志望の学生や、まだ業界を絞っていない学生など、幅広い人の集客ができた。

■結果

ベンチャーマインドかつ地頭のいい、自社にマッチする新卒3名の採用に成功。

他のポジションの事例については、こちらからご覧ください。

Wantedlyでインターン採用を成功させましょう

インターンシップは企業と学生の双方にメリットをもたらす重要な採用施策です。2023年7月にインターンからの採用が公式に認められたこともあり、インターンシップを行う企業が増えています。

しかしながら、インターンシップを実施する際には「採用」や「選考」に偏りすぎないように注意が必要です。企業の利益だけでなく、学生のキャリア形成や就職活動のサポートを考慮した内容にすることが肝要です。

Wantedlyを活用することで、効果的な広報や管理が可能です。Wantedlyに登録する学生は、就活が始まる前からベンチャー企業の長期インターンを探す目的で利用するケースが多く、意欲的な優秀な学生が集まる傾向があります。

また、同一料金でインターンだけでなく新卒や中途、業務委託の募集も掲載可能です。採用の成功報酬料金も発生せず、全体の採用コストを抑えた効率的な採用活動が可能です。

ぜひ、Wantedlyを活用してインターン採用を成功させてください。

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この記事を書いた人

井上愛海のアバター 井上愛海 株式会社ミギナナメウエ 執行役員

2022年9月東京大学大学院在籍中に株式会社ミギナナメウエの執行役員に就任。
即戦力RPO事業の事業責任者を担い、これまでに80社以上の採用支援に携わる。
【以下実績】
・シリーズBのスタートアップ企業の20名のエンジニア組織を40名まで拡大
・CTO、PM、メンバークラスを採用しゼロからのエンジニア組織を立ち上げに成功

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