【面接官必見!】採用面接の質問内容とは?「本当に良い人材」を見抜く質問例100選

採用面接の面接官になったけれど、どんな質問をすればいいかわからない」

「面接時の質問のバリエーションを増やしたい」

「形式的な面接になってしまい、候補者の本心が引き出せない」

と感じている面接担当者もいるのではないでしょうか。

採用面接は、組織に適した人材を見極め、入社後の成功を左右する重要なプロセスです。しかし、面接官の選択した質問内容によっては、誤った採用やミスマッチのリスクを引き起こすこともあります。

そこで、本記事では「どんな面接でも使える実用的な面接質問事例」や「職種に応じた質問」のほか、「選考プロセスでの注意点」や「人材評価のヒント」も共有します。

ぜひ、今回の記事を活用して面接の質を上げてください。

目次

採用における面接官の役割

採用活動において、面接官には主に以下の2つの役割が求められます。

1.人材を適切に評価し、入社後のミスマッチを防ぐこと

採用面接は、求職者が自社が必要とするスキルや能力を持っているか、自社のビジョンや文化とのマッチ度を評価するために行います。

まず、面接全体において以下のポイントを意識しましょう。

  • 応募者の経験やスキルが、要件に達しているか
  • 自社の文化や価値観にマッチするするか
  • 求められる人物像と一致するか
  • 入社意欲が高いかどうか

面接官は、履歴書や職務経歴書では分からない情報を面接の短い時間で収集し、適切な評価をしなければなりません。適切な評価ができなかった場合は入社後にミスマッチが生じるリスクが高まります。ミスマッチが発生すると、早期離職や採用活動の長期化など、自社に多くの悪影響を及ぼしてしまいます。

まず、面接官は面接の間で適切な候補者を見極めるという重要な役割を担っていることを自覚しましょう。

2.自社の魅力を応募者にアピールする

面接官の役割には「自社の魅力を伝える」ことも含まれます。なぜなら、応募者は面接の印象と得た情報に基づいて、選考を進めるかどうかを決断するからです。もし面接官が自社のメリットを適切に伝えられなければ、優秀な候補者を離脱させてしまうかもしれません。

面接官は、企業の「顔」でもあります。一つ一つの言葉遣いや姿勢が、応募者にとってその企業のイメージを決定づけるのです。応募者に「この会社で働きたい」と思わせるために、誠実で前向きな姿勢で面接に臨むことが大切です。

基本的な採用面接の流れ

通常、採用面接は以下の流れで進行します。

前半:アイスブレイク、企業説明、自己紹介

中盤:候補者への質問とスキル評価

後半:候補者からの質問、条件確認、終了案内

面接前半では、最初にアイスブレイクを行い、緊張をほぐします。その後、候補者に対して、企業の業務内容や募集ポジションについての説明をします。候補者が簡単な自己紹介を終えたら、面接官が質問に移ります。適切な候補者かどうかを見極めるためには、このフェーズが非常に重要です。

候補者への質問が終了したら、質問に答える時間を設け、候補者から自社に対する疑問点を解消します。最後に、条件の確認や今後の選考の案内を共有し、面接は終了です。

【基本の54選】面接フローに沿った質問例

採用面接において、どのような質問をするかは極めて重要です。以下では、面接の流れにそって具体的な質問事例を紹介します。

面接前半の質問例:

面接を始める前に候補者との関係を構築し、今までの経歴や携わったプロジェクトなど基本的な情報を得るフェーズです。

面接中盤の質問例:

候補者のスキルや適性を判断するための質問が中心です。候補者の能力と志向性を見極めましょう。

面接後半の質問例:

候補者からの質問に答え、今後の確認や終了手続きを行います。

採用面接では、まず初めにアイスブレイクを行い、お互いの緊張をほぐすことが大切です。その後、面接官は最初に自社の事業内容や募集ポジションについて説明し、改めて応募者に理解を深めてもらいましょう。

候補者からの簡単な自己紹介が終わったら、本格的に選考のための質問に移ります。この際、一問一答ではなく、候補者から返ってきた回答に対して深堀りを行い、応募者の本心価値観、仕事や日常における思考性などをできる限り見極めましょう。

また、面接の後半では「逆質問」として応募者から自社に質問する時間を設けましょう。これにより、事前に解消できなかった疑問を解決するだけでなく、入社への意欲や調査力も確認できます。また、応募者が逆質問を行いやすいように「例えば他の方はこんな質問をされています」という例を提示することも親切です。

そして最後に、条件面の確認や次回以降の流れについての業務連絡を行い、採用面接を終了します。

面接は「候補者を判断するだけの場」ではなく、「候補者から自社も見定められている」という意識を持って面接の場に臨むことが重要です。この意識を持たずに高圧的な面接をしてしまうと、有効な候補者に離脱されてしまう可能性が高まります。

段階を踏みつつ、候補者の意識の変化に合わせて以下でご紹介する質問例を利用しながら適切なフローで面接を行なっていきましょう。

◆アイスブレイクの際の質問

「アイスブレイク」とは、採用面接の冒頭でおこなうコミュニケーション活動で、面接参加者同士の緊張を和らげるための手法です。

採用面接が始まると、応募者も面接官も緊張感が漂います。この状態が続くと、応募者は本音をうまく伝えられない可能性があり、面接官もスムーズな対話が難しくなります。

アイスブレイクは、和やかな雰囲気を作り出し、双方がくつろげるようにするために重要です。例えば、以下の質問を活用してみることがポイントです。

例えば以下のような質問で、応募者との面接の空気感を形成しましょう。

  • 今日は電車に来ましたか?混み具合はいかがでしたか?
  • (候補者)様のこの記事、拝読しました。
  • 弊社までの道は迷いませんでしたか?
  • 暑くなってきましたね。お住まいの地域ではいかがですか?
  • ◯◯が得意なのですね。いつ頃、習得されたのですか?
  • ◯◯が趣味なんですね。実は、私も好きで続けているんですよ。
  • カメラや音声に問題ありませんか?(オンライン面接時)
  • オンライン面接は初めてですか?(オンライン面接時)

また、アイスブレイクでは、はい/いいえで答えられる簡単な質問から始め、次に具体的な情報を求める質問に移ることで、候補者が自然に会話しやすくなります。

初めから「自社を知ったきっかけ」などの深い質問を投げかけるのは避けるべきです。候補者は突然本題に突入されたと感じ、緊張感が高まったり壁を作られて形式的な面接になってしまう可能性があるためです。アイスブレイクの成功のポイントや例については、以下の記事でも詳しく説明されています。ぜひご参考にしてください。

◆応募者の自己紹介を求める質問例

次に、自己紹介と職務経歴に焦点を当てた質問について説明します。

  • 自己紹介をお願いします。
  • 1分程度で自己紹介していただけますか?

自己紹介では、候補者が情報を簡潔にまとめ、わかりやすく伝えることが求められます。通常、1分程度で行うことが適切です。ここでは、自己紹介の内容だけでなく、応募者のコミュニケーションスキルや人柄も把握できます。言葉遣い、話し方、表情、そして面接時の姿勢や目線にも注目し、今後評価の参考にしましょう。

履歴書や職務経歴書の内容を聞く質問

次に、すでに履歴書などで見た情報をもとに深掘りを進めて行きます。

  • これまでの職歴を簡単に教えてください。
  • どのような仕事をしてきましたか?
  • これまでの職歴の中で実績を残したことは何ですか?どのように実現しましたか?
  • 成功したと思える体験はありますか?成功できた理由は何ですか?
  • 仕事で大変だと思った経験はありますか?そのとき乗り越えた方法を教えてください。

これらの質問は、候補者の情報を深く理解するためのものです。過去の実績や経験に焦点を当て、候補者の内面に迫ります。回答において、事実の列挙だけでなく、その背後にある思考や行動についても尋ね、候補者の経験や仕事に対する価値観をより理解できます。

また、履歴書と職務経歴書は面接前に確認し、関連する質問事項をまとめておくことが重要です。書類を事前に熟読することで、適切な質問を考えやすくなり、スムーズに面接を進行することができます。企業側もしっかりと準備をして、面接に臨みましょう。

◆志望動機を確認する質問

志望動機についての質問は、採用ミスマッチを防ぐために非常に重要です。自社が求める人物像と応募者の志向が一致しているかどうか、さまざまな角度から慎重に確認しましょう。

以下は志望動機を探るための質問の例です。

  • 志望動機を教えてください。
  • 当社で達成したい目標は何ですか?
  • どの業務に特に興味がありますか?
  • 当社以外に応募した企業や業界はありますか?
  • なぜこの業界を志望しているのですか?
  • 当社の印象を教えてください。
  • なぜこの職種を選びましたか?
  • 当社のビジョンや企業理念に共感していますか?

上記の質問を通じて、志望職種に対する動機を詳細に把握するだけでなく、当社への志望度も明らかにすることができます。

面接中盤の質問例

面接の中盤では、自社に適した人材を見極めるための質問が中心的です。以下は、応募者の仕事観を評価するための質問の例です。

  • 仕事を通じて、何が最も重要だと考えていますか?
  • どのような仕事にやりがいを感じますか?
  • 仕事に対するあなたの定義は何ですか?
  • 長期的にモチベーションを維持する方法は何ですか?
  • チームで協力する際、どのように貢献しますか?

仕事観に関する質問は、入社後の成功を予測する上で非常に重要です。採用にあたって、面接官は応募者が自社の採用基準に合うかどうかを確認する必要があります。多角的な質問を通じて、応募者の価値観と仕事観を明らかにしましょう。

◆職務適性や人間性を見極める質問

面接では、応募者の職務適性や人間性を評価することが重要です。以下の質問は、自社に最適な人材を見極めるだけでなく、性格や人間性に重点を置く採用プロセスにも役立ちます。

  • 友人や知人から、どのような人だと言われますか?
  • 自分の強みは何だと考えていますか? それを弊社でどのように生かせますか?
  • 過去に大きなミスを犯したことがありますか? その際、どのように対処しましたか?
  • 仕事中にストレスを感じた経験はありますか?
  • 以前の仕事で不満を感じた業務は何でしたか?
  • あなたのパフォーマンスを向上させるために最適なマネジメント方法は何だと考えていますか?

ここでは、応募者の自己評価を尋ねるだけでなく、前職の上司や同僚、友人からの評価を聞く質問も効果的です。これにより、応募者に対する新しい視点が得られます。

また、応募者がストレスを感じる時にどのように対処し、自分にとって最適なマネジメントスタイルをどのように考えるかという情報も、入社後の人材配置に役立ちます。ストレス耐性の程度や適性をこの時点で理解しておくことで、早期離職の予防にもなります。

◆今後のキャリアプランを確認する質問

採用面接の中盤では、応募者の将来像を理解し、その将来像が自社で実現可能かどうかを判断するための質問が重要です。

以下は、将来のキャリアプランを明らかにするための質問例です。

  • 今後のキャリアプランについて教えてください。
  • 弊社で達成したい目標はありますか?
  • 興味を持っている業務内容や領域は何ですか?
  • 5年後や10年後に、どのような立場になりたいですか?
  • 達成したいことや挑戦したいことはありますか?

応募者の回答を通じて、面接官は将来のキャリアプランを評価し、自社で実現可能な目標かどうかを判断できます。また、面接の段階で現実的でない計画がある場合は、適切に伝えることが重要です。無理に期待を持たせず、正直かつ建設的にコミュニケーションを図りましょう。将来のキャリアに関する誤った期待を持たせることや、都合の良い虚偽情報を提供すると、もし採用できても早期離脱につながってしまいます。

面接後半の質問例

採用面接の後半では、応募者に自己アピールの機会を提供し、また条件や詳細について再確認する質問を行います。以下は、この段階で使用できる質問のいくつかです。

◆自己アピールを促す質問

この質問は、応募者に自身をアピールする機会を与えます。

  • 自己PRをお願いします。
  • なぜあなたが最適な候補者でしょうか?
  • 強みや特技について教えてください。
  • お休みの日は何をされていますか?
  • 過去の成功体験を教えていただけますか?
  • 今までで一番自信のあるプロジェクトを教えてください。

◆条件面を確認する質問

ここでは、具体的な条件や詳細に関する質問が行われます

  • 給与や福利厚生についての希望や質問はありますか?
  • 勤務時間やシフトについて、何か配慮が必要ですか?
  • 休暇や休日出勤について、どのような予定や要望がありますか?
  • 今後、副業の予定はありますか?
  • 企業に対して希望する条件はありますか?

◆応募者からの逆質問

最後に、応募者からの質問に応じる時間を設けます。こちらも非常に重要です。

  • 社内で文化が浸透していると思える場面を教えてください
  • 今後のキャリアパスについて、どのような機会がありますか?
  • 具体的な業務内容やチーム構成について、詳細を知りたいです。
  • 資金調達後の予定はありますか?

この後半の質問によって、応募者は自身をよりアピールし、また自社の詳細な情報を把握する機会を得ることができます。また、面接官も応募者との相互理解を深め、双方にとって最適な決定を下す材料を集めることができます。

【質問46選】職種別に使える質問例

これまでは、一般的な採用面接の流れに合わせた質問例を提供しました。しかし、採用プロセスは様々な状況に合わせて調整されることがあります。以下では、新卒採用、中途採用、エンジニア採用における質問例を示します。それぞれのシーンに合わせて、最適な質問を活用しましょう。

◆新卒採用

新卒採用者には、学業やインターン経験に焦点を当てた質問が有効です。

  • その大学を選んだ理由を教えてください
  • その専攻を選んだ理由を教えてください。
  • 大学での主要な学びやプロジェクトについて教えてください。
  • インターンシップで得たスキルや経験を挙げてください。
  • サークル内ではどのような存在でしたか。
  • 学生時代にリーダーシップを発揮した経験は何か教えていただけますか?
  • 学生時代全体で一番力を入れたことはなんですか?
  • ゼミでの研究内容を教えてください。
  • 最近、関心の高いニュースを教えてください
  • 大学で一番興味深かった講義内容を教えてください

新卒の採用面接では、応募者が会社に適した人材であるかどうかを判断するだけでなく、入社後に組織に適応し、成長し、活躍するポテンシャルを持っているかどうかを想像することが重要です。

◆中途採用

中途採用の場合、前職の退職・転職理由を確認しましょう。なぜなら、前職と同様の問題や課題に遭遇した場合、同様の理由で当社も早期退職する可能性があるからです

  • 社会人生活で最も重視していることを3つ教えてください。
  • 前職での成果やプロジェクトについて詳しく説明してください。
  • 新しい環境での適応能力や変化への対応経験を教えてください。
  • 弊社に中途採用として志望する理由は何ですか?
  • これまでの経験をどのように活かすことができますか?
  • 後輩の育成をする際に気を付けるポイントを教えてください
  • 弊社は10年後にどうなっていると思いますか?
  • 転職の軸を教えてください。
  • 弊社で成し遂げたいことを教えてください。

前職に関する質問は、応募者からネガティブ発言があっても問題ありません。ただし、あまりにも否定的発言が続く場合には慎重に評価する必要があります。

  • 長時間の残業が多かった
  • 上司との関係が合わなかった
  • 給与水準が合わなかった
  • 仕事にやりがいを見出せなかった
  • チームでプロジェクトを完遂できなかった
  • 顧客との間で大きなトラブルが発生した

こうしたネガティブな要素だけでなく、応募者から将来に対するキャリアや成長に対するポジティブなビジョン/意欲が伺えるかどうかも重要です。

なお、新卒で入社した後、3年以内に退職した人材を「第二新卒」と呼びます。第二新卒は社会経験があるため、中途採用の質問例も適用できます。

◆エンジニア採用

エンジニア採の面接では「いかにエンジニアとしてのスキルを見抜くか」が重要です。

  • エンジニアになったきっかけを教えてください。
  • プロジェクトにおいてやりがいに感じているポイントを教えてください
  • なぜその技術やツールを選びましたか?
  • 今後、やりたくないことはありますか?
  • 今学んでいる言語を教えてください。
  • 外部エンジニアとの交流を行なっていますか?
  • どのようなサービスの開発経験がありますか?
  • 使用経験のある言語やツールは何ですか?
  • 今後どのようなキャリアを志望していますか?
  • スキルの勉強にどれくらい費やしていますか?
  • 弊社サービスの課題をどのように解決できますか?

エンジニア職の選考には、専門知識が必要となります。そのため、できれば事前に現場のエンジニアと連携を行い、人材要件を明確にしたうえで質問を考えなればいけません。

また、エンジニアの採用市場はかなり競争が激化しているため、「質問の回答次第で落とす」というよりも「選ばれている」という意識も同時に持っておきましょう。

採用面接の質問で人材を見抜くコツ

面接での成功には、質問の選択だけでなく、それらをどのように活用し、評価につなげるかが重要です。以下に、意識すべき3つのポイントをご紹介します。

  • 適切な採用要件を明確にする
  • 応募者の回答を深掘りする
  • リラックスした雰囲気を醸成する

これらの要点を押さえることで、効果的な採用面接を行えます。

採用要件をしっかり定義する

採用活動の基盤となるのは、まず採用要件を明確に定義することです。自社がどのような人材を求めているかを明示することは、成功につながる採用活動の鍵です。

採用要件が明確でないと、質問内容や評価方法が一貫性を持たず、異なる結果が生じる可能性があります。統一された基準がなければ、限られた面接時間内で適切な人材を見極めるのは難しいでしょう。

採用要件を効果的に定義する方法については、以下の記事も参考にしてみてください。

要件定義のサイト

応募者の回答をさらに深掘りする

前述の質問例は非常に有用ですが、さらに応募者の回答を詳しく掘り下げることも重要です。質問と回答の対話を通じて、応募者の考えや価値観をより深く理解できます。以下のアプローチを検討してみましょう。

  • なぜ?
  • もっと具体的な例は?
  • それをどのように感じましたか?

これらの深堀りワードを組み合わせることで、応募者のスキル、性格、および適性をより包括的に評価できます。

緊張を和らげる雰囲気づくりを意識する

採用面接において、多くの応募者は自身が評価される場であると感じ、緊張します。この緊張により、本来の自己表現が難しくなり、結果として適切な評価ができないことは少なくありません。

したがって、面接官は緊張を和らげる雰囲気づくりをしなければいけません。アイスブレイクのタイミングで各応募者に対して穏やかな態度で接することが大切です。現代社会において、わざと威圧的な態度を取る「圧迫面接」は自社の評判を傷つける可能性もあるため、避けるべき手法です。

ポジティブな雰囲気で面接を進行し、応募者が十分に自己表現でき、面接でさえも楽しい経験として感じるようにすることで、自社への志望度向上に寄与することが期待されます。

採用面接で確認しておくべき5つのポイント

採用面接で人材を見抜くためには、質問内容のほかにも確認しておきたいポイントが5つあります。

1.面接の開始時間を守っているか

時間を守ることは、社会人としての基本的なマナーです。面接の予定時間には会場に到着し、余裕をもって待機することが求められます。特にオンライン面接の場合は、カメラやマイクのテストを事前に済ませ、予定通りにスムーズに開始できるように心掛けましょう。

当たり前のことのように思えますが、実際に時間を守れない応募者も存在します。したがって、面接を通じて応募者が時間を守ることができるかどうかを確認することは重要です。

ただし、遅刻の原因として電車の遅延や急な体調不良など、やむを得ない状況も考えられます。その場合、事前に遅れる旨の連絡があったか、遅れて到着した場合に謝罪の言葉があったかどうかなどを判断材料として考慮しましょう。

このような側面からも、応募者が社会人としてのマナーを遵守できるかどうかを見極めることが可能です。

2.服装や髪型などに清潔感があるか

服装や髪型、そして持ち物に清潔感があるかどうかも確認すべきポイントです。たとえば、シワだらけの服を着ていたり、髪型が乱れていたりする場合、最低限の身だしなみを整えることができない印象を受けるかもしれません。

ただし、近年では働き方の多様化が進んでおり、企業によっては従業員に対してスーツでの出社を強制しない、ビジネスカジュアルが許容される、ネイルなども許可されるなど、さまざまな柔軟なルールが存在します。各企業で許容される基準やルールが異なるため、応募者がそ自社にふさわしい身だしなみを整えているか、面接時に注意深く確認する必要があります。

3.待機時や面接中の表情・態度はよいか

面接中はもちろん、待機している際の態度や表情も重要な要素です。待機室でだらしない姿勢で座っていないか、腕や足を組んでいないかなど、候補者の振る舞いから日常の態度や性格の一端が見受けられることがあります。

面接官が注意すべき点として以下が挙げられます。

  • 明るく自然体な表情をしているか
  • 入室前に適切なマナーを示しているか(例: ノックするなど)
  • 礼儀正しい挨拶ができるか
  • はっきりと自己表現できているか
  • 適切なタイミングでお礼が言えるか

面接前における態度が悪かったのに、面接が始まった瞬間に態度が豹変する場合もあるため、終始注意深く観察することで候補者の本来の態度を見極めるのが重要です。

4.スムーズなコミュニケーションが取れるか

入社後のスムーズな業務遂行には、コミュニケーションスキルの評価も重要です。

  • 質問に適切に答えられているか
  • 回答が問題のポイントから逸れていないか
  • 面接官が要点を把握できるように簡潔に説明できているか

面接中に緊張でコミュニケーションがスムーズでない場合も考えられます。その際は面接官として、応募者の緊張を和らげ、円滑なコミュニケーションを促す環境を提供することが重要です。

5.熱意を感じられるか

志望動機や自己PR、逆質問などから、応募者の熱意を汲み取ることができます。

  • 熱意を持って自身の長所を前面に出そうとしているか
  • 働く意欲が言動や態度から伝わっているか
  • 自社に対する調査と理解を事前に行おうとしているか

これまでの経歴が優れているとしても、自社に対する熱意が不明確な場合、入社後の成果にはつながりにくいでしょう。応募者の発言だけでなく、表情や態度なども合わせてトータルで評価しましょう。

熱意や本音が見えにくいオンライン面接でも、確認すべきポイントは変わりません。パソコンのカメラに映り込まない場所にカンペを置いていないか、何かを読み上げていないかなども確認することができます。

面接官のNG行動とは?

面接官が留意すべきポイントは、主に以下の3つにまとめられます。

  • 適切でない質問の禁止事項
  • 面接官の対応が企業の評判に影響する
  • 第一印象や過去の経歴に惑わされず、公平な評価を行う

面接中にしてはいけない質問がある

面接の主な目的は、応募者のスキルや適性を評価し、自社にフィットするかどうかを判断することです。このため、評価に関係のない個人情報や家庭環境などについての質問は避けるべきです。

面接官が避けるべき質問の例を以下に示します。

  • 本籍地
  • 家族の出身地
  • 現住所の場所や環境、立地
  • 応募者本人や家族の個人情報
  • 家庭環境
  • 資産の有無
  • 宗教
  • 支持政党
  • 差別にあたる発言

面接官の対応が自社の印象に影響する

採用面接において、面接官は企業の代表として応募者と向き合います。したがって、面接官の言動や態度は企業のイメージ形成に直結し、入社の意思決定にも大きな影響を与えます。

面接官が避けるべきNG行動は以下の通りです。

  • 面接中に準備不足が伝わる
  • 面接官主導でコミュニケーションがうまく取れない
  • 高圧的で横柄な態度をとる
  • 社員の事例を適切に伝えられない
  • メモやパソコンに没頭しすぎて、応募者と目を合わせない
  • 表情が暗いか、声が小さい

また、面接官は企業の魅力を伝える役割も果たします。応募者に「この会社で働きたい」と感じてもらうために、適切な情報提供が重要です。

企業の魅力を伝える際には、強調すべきポジティブな要素だけでなく、現状の課題やネガティブな側面も率直に伝えるべきです。隠して採用することは入社後のミスマッチにつながる可能性がある

からです。

したがって、面接官は応募者に良い印象を与えつつ、適切な情報提供を心がけるべきです。

第一印象や経歴に惑わされずに公平な評価をする

面接官を務める際、面接の印象や応募者の学歴や職歴などに基づいて評価を行うことは一般的です。しかし、第一印象や経歴だけに偏った評価をすると、自社とのマッチ度を見誤る可能性があり、結果的に採用ミスマッチや早期離職につながることがあるのです。

たとえ経験豊富な候補者であっても、人材を適切に評価するためには「認知バイアス」に気を配る必要があります。認知バイアスとは、直感や先入観、個人の願望などが正当な判断を妨げる傾向を指し、これに気付かないと公平な評価が難しくなるのです

まとめ

採用面接を行う前には、明確な採用基準を設け、現場担当者も含め評価における共通の認識を持つことが不可欠です。面接が複数回にわたる場合、面接評価シートを活用して面接担当者間で情報共有を行うことで、候補者を公平に評価できます。これにより、優秀な候補者を見逃すリスクを減らし、適切な選考を実現できます。

また、採用面接においては、候補者の資質やスキルを正確に評価するために、あらゆる角度から質問を行い会話を広げると同時に、候補者のモチベーションを引き出し、現場のメンバーとの面談をセッティングするなど、自社に対する志望度を高め、離脱を防ぐことも重要です。

本記事によって、貴社の採用面接が少しでも好転することを祈っています。

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この記事の監修者

井上愛海のアバター 井上愛海 株式会社ミギナナメウエ 執行役員

2022年9月東京大学大学院在籍中に株式会社ミギナナメウエの執行役員に就任。
即戦力RPO事業の事業部長を担い、これまでに150社以上の採用支援に携わる。
【以下実績】
・シリーズBのスタートアップ企業の20名のエンジニア組織を40名まで拡大
・CTO、PM、メンバークラスを採用しゼロからのエンジニア組織を立ち上げに成功

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