採用広報を採用手法のMUST戦略として取り入れる企業が増えてきた今、誰でも文章や写真、イラストなどのコンテンツを掲載できるメディアであるnoteが企業の採用広報として非常に有力であると注目が集まっています。
0円から利用が可能なのと、ブログ形式で簡単にコンテンツを作成できることなどから、採用広報が初めての企業でもリスクを最大限に抑えて始めることができ、大企業のみならずベンチャーや中小企業でも導入しやすいことがポイントです。
本記事では、そんなnoteの各種プランや特徴、実際にnoteを活用した採用事例などを紹介いたします。
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noteとは?
noteは、写真や文章、動画などのコンテンツを投稿できるメディアプラットフォームです。
無料で利用できるのが最も大きな特徴ですが、用途によっては有料コンテンツを販売することもできるため、利用ハードルの低さと利便性の高さから長年人気を誇っているプラットフォームです。
これまでは個人での利用が多かったですが、最近では企業や自治体が法人向けサービスのnote proを活用し、企業の公式ブログや採用広報として運用しているケースが増加しています。他にも企業の一メンバーとしてnoteを活用し、個人の考えをnoteにまとめる人も増えています。
利用者数は2023年5月末時点で663万人を超えており、法人アカウントは2023年10月時点で3万件を突破しています。
noteのプラン
noteには「note」「note プレミアム」「note pro」と3つのプランが用意されています。各プランの料金やできることについてみていきましょう。
引用:https://www.help-note.com/hc/ja/articles/360000621702
note (通常プラン)
通常プランは完全無料で使うことができます。
機能も基本的なものであれば利用することができるので、個人の発信としてnoteを活用したい方やにおすすめです。
note プレミアム
月額500円で利用でき、noteで収益化コンテンツを販売したいクリエイターにおすすめのプランです。
プレミアムプランの会員は下記の機能が利用できます。
定期購読マガジンの申し込み
定期購読マガジンの申し込みが可能になります。
定期購読マガジンとは、月額制で記事を販売しているサブスクサービスです。あらゆるジャンルのクリエイターが、記事を投稿することで、自分の考えや知識を共有したり、ファンの方への発信を行ったりできます。
予約投稿機能
日付と時間を指定して、予約投稿することができます。予約機能を使い、よくみられる時間帯に投稿することで、インプ数やいいね数を上げることができます。
コメント欄のON/OFF
記事にコメント欄を設けることができます。無料プランだとコメントができないため、ユーザーからのリアルな声を聞くことが難しいです。しかし、コメント機能があることで、今後の記事の改善やブラッシュアップに繋げることができます。
販売価格の上限アップ
有料記事やマガジン、メンバーシップは金額を設定して販売することが可能です。無料プランでも販売が可能ですが、プレミアムプランを使うことで、上限を5万円から10万円まで設定することができます。
数量限定販売
有料noteの数量限定販売を行うことができます。人は限定品に弱いため、数量を限定することで特別感あるものになり、注目を集めることができるでしょう。
6. マガジン作成可能数が1,000記事
無料プランだと、同時にマガジンを作成できる数が21個までと限られていますが、プレミアムプランだと1,000記事まで作成することが可能です。
note pro(法人向け)
note proは月額8万円から利用することができ、利用者のほとんどが法人のお客様です。
プレミアムプランと重複する内容もありますが、そのほかにも下記のような様々な機能が追加されます。
予約投稿機能
プレミアムプランにもある予約機能をproでも使うことができます。ターゲットとなるユーザーがどの時間帯に記事を見ることが多いのかABテストを行い、その結果のもと予約投稿するといいでしょう。
詳細なアナリティクスが見れる
無料プランにもダッシュボード機能はついていますが、好きの数やビュー数などざっくりとした数値しか見ることができません。一方のnote proは、読了率や参照元など細かく日付を絞った上で、より詳細な数値を見ることができます。
参考:https://www.help-note.com/hc/ja/articles/360000621762
note公式からサポートを受けられる
キックオフミーティングの際に「戦略設計」をサポートしてくれます。戦略を練ることで、ターゲットに訴えるコンテンツを提供できたり、コンテンツの方針を明確にできるため、初めてnoteを採用する企業でも安心してサービスを導入できます。
その他にも「noteの勉強会」や「契約者同士のコミュニティ参加」など様々な特典がついています同業他社と情報を共有したり、交流することもできます。
独自のドメインを設定することができる
note proでは、ドメイン部分を自由に設定することができます。ドメインとは「https://note.com」の「note.com」を指します。
ドメインを設定することで、Google Analyticsを利用することができるので、より詳細な数値分析を行うことが可能です。
独自のロゴを設定することができる
note proでは、左上に出ているnoteのロゴを自社のロゴに変えることができます。自社ロゴにすることで、独自の採用ページのような見た目に近づくことができます。
また、2024年6月のアップデートによって、note proを利用している企業のみ株式会社HERPが提供する採用管理システムのHERP Hireと連携できるようになりました。これによって、noteの中に直接求人情報を組み込めるようになり、noteコンテンツを見た読者が直で企業に応募できるようになりました。
少しの差のように感じますが、候補者にとっての手間や不便さを少し取り除くだけでも応募ハードルが大幅に下がるので、ぜひnoteの利用を検討している方はnote proも視野に入れてみてください。
「note × 採用広報」が注目されている理由
採用を行うにあたってnoteが活用されているのには、どんな理由があるのでしょうか?
ここからは、企業が採用広報としてnoteを取り入れる際の理由を3つに分けてご紹介します。
①コスト0円から始めることができる
近年、企業は自社の採用広報に力を入れ、多くの企業が様々な手法を用いて自社の採用広報を始めました。Wantedlyのような広報機能がついている媒体や、SNSで自由に情報を発信するやり方がありますが、その中でも注目を集めているのがnoteです。
noteは0円から始められるため、リスクを抑えて導入することができます。また、後からプラン変更が可能なので、採用広報の波が乗り始めたタイミングで有料プランに切り替えることもできます。
もし無料プランで採用に至った場合は採用単価がほぼ0円になるため、大幅なコスト削減が可能です。有料プランでも最大でも8万円しかかからないので、採用媒体や人材紹介に比べて半分以下の費用で済みます。
②認知を広げることができる
noteの利用者数は2023年5月末の時点663万人と多くのユーザーが活用しており、今後も増加が予想されます。利用者数が多いとその分たくさんの人に見てもらえるため、利用し始めて間もない場合でも、質の高いコンテンツがあれば見られる数を増やすことができます。
また、「X(Twitter)」「Facebook」「LINE」など、各種SNSを連携することができたり、気に入った記事は、SNSで共有されることができます。そのため社名の知名度やアカウントパワーが弱くても、良質なコンテンツであれば認知に繋げることができます。
③潜在層にアプローチすることができる
noteは約663万人利用者の全てに対して記事を公開することができるため、転職顕在層ではない「転職潜在層」にもアプローチすることが可能です。例えば、自社のエンジニアが過去に取り組んだプロジェクトの内容や勉強会の様子を公開することで、ユーザーの興味を引き、応募に繋がるケースもあります。
そのため、採用に焦点を当てすぎず、むしろ自社の「認知」や「興味」を引くためのコンテンツを中心に投稿し、それを通じて採用に結びつけるアプローチが良いでしょう。
また、noteではハッシュタグを活用できるので、ペルソナが興味を持ちそうなキーワードを設定することも大事です。
noteで採用広報を成功させるためのコツ
noteを活用した採用広報を成功させるためのコツについて解説していきます。
ペルソナを決める
広報用のコンテンツを作成する際には、まず採用ペルソナをしっかりと設計しましょう。
ペルソナとは自社が採用したい理想の人物像のことを指します。スキルを重視する企業もいれば、マインド面を重視する企業もいるため、事前にどのような人物像を採用したいか明確に決めておくことで、発信する内容を決めやすくなります。
ペルソナを設計するポイントは、なるべく詳細に条件を出すことです。本当に自社が採用するならこんな人が望ましいという条件を出しましょう。ただ、自社提供できる内容に対して求める条件が高すぎると、母集団形成に苦戦するため、市場や他社を分析した上で決めることが重要です。
概要:どんな人物か
年齢:ターゲットとしている年齢
職種:現職で行なっていること
年収:現職の年収
志向性:仕事に対してのマインド
転職先に求めるもの:プロダクト/給与/福利厚生/社風など
上記の項目をもとに、例を作成してみます。
概要:自社プロダクトを運営しているベンチャー企業で、バックエンドエンジニアとして5年従事。
年齢:28歳
職種:バックエンドエンジニア(PHP,Java)
年収:700万円
志向性:スキルチェンジ(Go言語)をしながら自分の市場価値を上げたい。
転職先に求めるもの:現年収より50万以上下がらない環境で、Go言語を活用した開発を行っている企業
KPI設計
続いてKPIを設定していきます。最終目標は「採用」に繋げることですが、いいね数やビュー数をKPIにおくことで、コンテンツの質をブラッシュアップすることができます。
いいね数
noteはいいね数が最も重要です。いいね数をたくさん獲得することで、数年経過しても定番記事の上位に載り続けることが可能です。
いいね数を獲得するには「良質なコンテンツ」が重要です。
情報が溢れかえる現代社会では、有益な情報が数多く存在します。そのためユーザーはどの情報を参考にすればいいか迷いがちになります。さらに、似たような内容の記事が多く出回っているため、記事の差別化が求められます。
そのためには、世には出回っていない一次情報をベースにしたコンテンツを提供することが成功の鍵です。ユーザーは「また読み返したい」「誰かにも共有したい」という感情になるので、自社にしか出せない差別化要素があるコンテンツを提供しましょう。
投稿頻度
noteの投稿頻度の「行動ベースのKPI」を定めましょう。
継続して投稿することが最も重要ですが、同時に投稿頻度を増やすことも重要です。なぜなら投稿頻度が多いことで、自社の記事を特定のカテゴリーで上位に表示させることが可能になるからです。
また、noteはトレンドハッシュタグやお題コンテストなどを定期的に開催しています。これに参加することで、自社の記事を上位に表示させられる可能性があります。採用関連のハッシュタグがお題に上がることもあるので、ここを見逃さずに投稿をすることでビュー数を上げることができます。
応募数
noteを活用して採用広報を行う最終目標は「採用」に繋げることです。そのため、どんなにスキを獲得しても採用につながらなければ意味がありません。
メディアのKPIだけでなく、採用のKPIも立てることが重要です。
応募数はこれまでの歩留まりを参考に設計するといいでしょう。
SNS連携を行う
noteはX(Twitter)やFacebook、Instagram、YouTube、TikTokなどさまざまSNSと連携することができます。SNSを連携させることで、違うチャネルにも流すことができるため、複数のチャネルを運用している場合は、必ず連携させた方がいいでしょう。
また、ユーザー側が拡散しやすいよう、SNS共有の機能も備わっています。SNS上でどのようなコンテンツが拡散性が高いかリサーチし、ユーザーのニーズを読み取ったコンテンツを作成しましょう。
コンテンツはマガジンで分ける
noteにはマガジン機能があり、自社が書いた記事をさらに種類ごとに分けることができます。よくあるのは「社員インタビュー」や「職種」ごとにマガジンを作成し、候補者が見やすいUIしておくことです。
マガジンを作ることで回遊率も上がるので、記事を作成する前にどのような種類で分けるか決めまておきましょう。
人気のコンテンツ
続いてnoteでよく掲載されている人気コンテンツについて紹介します。
会社紹介
ほとんどの企業が作成しているコンテンツですが、自社について紹介する記事です。自己紹介noteは伸びやすい傾向にあります。
また、一番はじめに会社紹介をいれることで、「会社が目指しているビジョン」や「どんな人を採用したいのか」など、候補者も前提条件を理解した上で他の記事を読み進めることができます。
社員インタビュー
社員インタビューを行うことで、ファンをつけさせることができます。
というのも、入社を希望する人の中には、ある特定の人物に憧れて入社を決めたケースがあるからです。社員インタビューはその人がこれまでどんな経歴を歩んでいたのか、またなぜこの会社に入社を決めたかなど、候補者目線で参考になることがたくさんあります。
社員インタビューの人選は、変わった経歴を歩まれた方や自社で大きな功績を残した方などだと、インプ数を上げやすいです。また社員も個人でSNSを持っている場合は、自社の社員に協力してもらい、拡散に繋げましょう。
イベントや勉強会などの社内行事の様子
社員のリアルな交流の場を見ることができます。
社内行事は仕事とはまた変わって、プライベートな交流も入るので、社員同士の距離や素顔を見ることができます。ただ文章では伝わらないため、写真を掲載することを推奨します。
勉強会の場合は当日どんな資料を使って行ったのか、PDFを掲載するのもいいでしょう。オフラインでも車内の雰囲気が伝わるように工夫することが重要です。
noteを活用した採用広報の成功事例
実際にnoteを用いて採用広報に成功した企業の事例を3つご紹介します。
内定承諾率9割以上 / ベーシック株式会社
ベーシックが運営しているサービスの「ferret」や「ferret One」の知名度は高いにも関わらず、「ベーシック」という社名自体の認知度は低く、これが原因で入社してもカルチャーに合わず、早期離職する社員も多かったようです。
そこで、もっと「ベーシック」の認知度を広げるためにTwitterと組み合わせてnoteを活用。
結果として
・知名度が上がり、自社の採用サイトからダイレクトに応募する人が約3倍に増加
・他社負けしていたが、活用後に内定承諾率は9割以上に
など、大きな採用成果を出すことができました。
採用エントリー数が1.5倍に / くふうAIスタジオ
広報と採用が一度にできるWantedlyを活用していたが、もっと広報の選択肢を広げたいという意味からnote導入に。
記事の最後にWantedlyにURLを掲載したことにより、エントリーが週間比で1.5倍に。すでに記事を読んだ人がエントリーをしてくれるので、会社説明を省いても面接がスムーズに行えるだけでなく、カルチャーマッチ人材の採用にも繋がり、入社後の早期離職を防ぐことができたようです。
コンテスト投稿3000件以上 / キリンビール株式会社
すでに活用していた他のSNSでは、顧客にベネフィットを与える要素が強くなることが多く、「社員がどんなことを思っているのか」という思想の部分を伝えられることに魅力を感じnoteを導入。
「KIRIN交差点プロジェクト」と題して行われた投稿コンテスト「#社会人1年目の私へ」は、募集開始から1週間で600件、2ヶ月の応募期間で3000件を超える投稿を集め、KIRINの認知度をさらに広げることに成功しました。
ターゲットからの応募率400%増 / 株式会社SAKIYOMI
インスタグラムマーケティング支援を実施する株式会社SAKIYOMI。採用ペルソナの一つとして、「主婦層」が自社採用とマッチすることが判明し、主婦層からの応募獲得を増加すべく、noteを駆使した主婦層向け採用ブランディングを実施。
目的である主婦層からの応募率400%増といった圧倒的な成果を出すことができました。
▶︎株式会社SAKIYOMIのnoteを制作した株式会社OTOGIはコチラ
採用広報はnoteを活用しよう!
今回の記事では、企業がnoteを採用広報に活用する際のメリットや成功のポイントを詳しく解説しました。
noteは基本無料で利用できますが、プレミアムやproプランなど法人向けの有料プランもあり、目的に合わせてプランを選択することができます。
「採用広報を始めたいけど、何からすればいいかわからない…」
「採用サイトとかは制作せずに、低コストで採用広報を行いたい」
などの課題をお持ちの方は、低コストかつ簡単な操作で開始できるnoteをおすすめします!
自社に最適な採用広報がわからない方は「即戦力RPO」にお任せください!
株式会社ミギナナメウエが運営する採用支援サービス「即戦力RPO」では、採用戦略設計から採用広報、エージェント管轄まで、採用活動における幅広い課題のご支援を行っています。少しでも採用活動にお困りごとがある方は、ぜひお気軽にご相談ください。