中小企業の採用戦略|苦戦する理由や成功させるポイント、成功事例を徹底解説!

予算や知名度などの理由から、大企業に比べて苦戦しがちな中小企業の採用活動。そんな中小企業が採用活動において成果を出すためには「採用戦略」を工夫する必要があります。

この記事では、

  • 中小企業の採用活動が苦戦する理由
  • 中小企業の採用活動を成功させるポイント
  • 中小企業の採用成功事例

についてご紹介します。中小企業の採用担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

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目次

中小企業の採用市場の現状

近年は、少子化による労働力不足の影響で採用の売り手市場化が加速しています。しかし一言で「売り手市場」と言っても、その実態は大企業と中小企業で大きな差があります。

リクルートワークス研究所株式会社リクルート)の「2025年3月卒業予定の大卒求人倍率(大学院卒含む)に関する調査」によると、2025年卒の求人倍率は5,000人以上企業で0.34倍、1000~4999人企業で1.14倍、300~999人企業で1.60倍、そしてなんと300人未満企業では6.50倍と、企業規模が小さくなるにつれて採用難易度が格段に高くなっているのがわかります。

2025年3月卒業予定の大卒求人倍率(大学院卒含む)に関する調査

上記のデータからもわかるとおり、中小企業における人手不足や採用難は今後もますます深刻になることが予想されるため、企業はできるだけ早い段階で「採用活動における自社なりの打開策」を見つけていおく必要があります。

中小企業の採用活動が苦戦する理由

中小企業の採用活動が苦戦する理由を、具体的に見ていきましょう。

① 認知度が劣る

採用活動でないところでもPRを行っている企業とは異なり、中小企業は知名度の部分で圧倒的に他社に劣ります。

以前から名前を知っている企業であれば、会社のイメージもつきやすく、ある程度の求職者のエントリー数は確保できます。一方、中小企業はそもそも「認知される」という大きなハードルがあるうえに、もし就職サイトなどで見つけてもらえたとしても、候補者に刺さる訴求を打ち出せていなければなかなか応募に繋がりません。

実際に、株式会社リクルートマネジメントソリューションズが行った「2024年新卒採用 大学生の就職活動に関する調査」によると、24卒の55.1%が内定企業にエントリーしたきっかけを「社名やグループ名を知っていたから」と答えています。

内定企業に応募したきっかけ

このような背景から、中小企業は知名度以外で勝負できる要素を見つけることが必要であるということがわかります。

② 採用活動のリソースが不足している

当てはまる方も多いかと思いますが、中小企業の多くでは専任の採用担当者がおらず、総務や営業などほかの業務と兼任していたり、経営者が自ら採用活動をおこなっているケースが少なくありません。

そのような場合、採用計画や面接、内定者フォローなどそれぞれの業務に十分な時間がかけられず、全体的に曖昧な採用活動になってしまう可能性があります。加えて、振り返りやデータ分析などの振り返り作業にも手が回らず、社内で採用ノウハウを蓄積できていないことも多いでしょう。

こうした事態に陥ってしまうと、いつまで経っても採用活動の質が上がらず、遠回りな採用活動になってしまうのです。

③ 採用にかける予算が少ない

多くの中小企業にとって、採用にあまり予算を充てられないのも大きな悩みの1つではないでしょうか。下のデータからもわかるように、採用にかけられる費用は企業規模によって大きく異なります。

3~50名51~300名301~1000名1001名以上
求人広告30.3万円72.1万円127.9万円263.5万円
合同企業説明会19.7万円48.6万円82.2万円257.7万円
採用ブランディング15.0万円38.4万円74.9万円183.2万円
(参考:株式会社マイナビ中途採用状況調査2024年版(2023年実績)

採用コストを積極的に捻出できる大企業や成長企業に比べ、多くの中小企業は限られた予算で採用活動を行わなければならないため、中小企業は費用対効果を考えながら効率的な採用活動を行う必要があるのです。

④ 条件面で大企業(他社)に劣る

給与や福利厚生といった条件面でも、大企業や特徴的な制度を設けているベンチャー企業などに比べて中小企業はどうしても不利な状況になりやすいです。

応募の段階で待遇面に満足できず興味を持ってもらえなかったり、たとえ内定に至ったとしても最終的に他社と条件面で比較され辞退されたりするケースもあります。

また、候補者本人には入社の意志があったとしても、「安定性」という観点で両親や周りの人々に反対され、辞退させられてしまう例も意外と少なくありません。

中小企業の採用活動を成功させる7つのポイント

この章では、中小企業の採用活動を成功に導くポイントを7つ記載します。

  • 採用活動を始める前に採用戦略をたてる
  • 自社の魅力を洗い出す
  • SNSなどの広報を強化して知名度を上げる
  • 採用ブランディングを行う
  • 手厚い内定者フォローを行う
  • リソース不足をカバーする
  • 中退共など補助金を活用する

① 採用活動を始める前に採用戦略をたてる

中小企業の多くは、現場から「人が足りない」と要望され、それから急いで採用活動を始めているケースが多いと思います。

しかし実は、採用リソースが不足しがちな中小企業こそ、しっかりと採用戦略を立て計画的に採用を進めることをおすすめします。なぜなら、適切な採用戦略が設定されていれば、採用にかかる無駄なコストや工数を省くことができるからです。一見「時間もかかるし、採用戦略なんて面倒なものを考えている暇はない」と感じるかもしれませんが、結果的により良い人材を採用できたり、コストの削減に繋がったりと多くのメリットがあります。

▽採用戦略の立て方の具体例

  • 採用目的・採用目標を明確にする
  • 採用ターゲット・ペルソナを設定する
  • 自社の強みを分析して、訴求ポイントを明確にする
  • 採用チャネル・手法を選定する

採用戦略を立てる際には、ぜひ以下の記事もご覧ください。

② 自社の魅力を洗い出す

中小企業の中には「どうせ大手には勝てない」「自社には魅力がない」といったネガティブな固定概念を抱えてしまい、自社の魅力に気づいていない方も多くいらっしゃいます。しかし大企業には大企業の、中小企業には中小企業のそれぞれ違った魅力があります。

条件面や知名度などわかりやすい要素だけでなく、競合調査や実際に働く社員にヒアリングをすることで、さまざまな角度から自社ならではの魅力を洗い出すことができます。。

▽ よくある魅力の例

中小企業・経営者との距離が近く、自分の意見が社内に反映されやすい
・仕事の裁量が大きい・早いスピードで昇格できる可能性がある・幅広い業務ができる
・社員間の風通しがよく、コミュニケーションが取りやすい
ベンチャー企業、スタートアップ企業・企業の成長を肌で感じられる
・企業の意思決定スピードが早い
・個人の成長スピードが速い
・ビジネスに革新性があり、世の中を変えられる期待感がある

③ SNSなどの広報を強化して知名度を上げる

拡散性の高いSNSを利用することで、多くの人材に自社を知ってもらうきっかけを作ることができます。現在では20〜30代を中心とした多くの求職者がインターネットやSNSを通じて就職・転職活動を行っており、実際にInstagramやTwitter、YouTubeなどを積極的に利用して知名度を上げている中小企業も多く見られます。

SNSなどのメディアでは、採用に関する情報だけでなく社員紹介や職場の雰囲気、社内イベントの様子を投稿することで、募集要項だけでは伝わらない企業のよりリアルな雰囲気を伝えることができます。

④ 採用ブランディングを行う

採用ブランディングとは、採用ターゲットに合わせて自社の魅力を固めて(=ブランディング)戦略的に認知を広げていく広報施策の一環です。

繰り返しになりますが、条件面や知名度だけでの勝負になってしまうと、中小企業が大企業に勝つことは難しいです。しかし、「企業文化」「ワークライフバランス」「案件の特徴」といった自社独自の魅力に共感してくれる人材を集めることができれば、知名度や企業規模に頼ることなく自社のファンを増やすことができます。

また、少々尖ったブランディングを行うことで、万人ウケではなくなり母集団のボリューム自体が減ってしまったとしても、有効応募の割合が増えたり入社後のミスマッチが減ったりというメリットもあります。

⑤ 手厚い内定者フォローを行う

採用活動の中でも、とくに新卒採用の場合は採用から入社までの期間が長く、その間により条件のよい企業を目指して就職活動を続けられてしまったり、周りの意見に左右されて内定辞退に繋ってしまうケースもよくあります。また、中途採用でも、内定後に他社との比較で負けてしまうこともあるでしょう。

こうした事態を避けるために、内定が出たからと言って安心せず、入社までのフォローを積極的に行うようにしましょう。

内定者数が多く一人ひとりのフォローに手が回りにくい大企業に比べ、中小企業は1対1でのフォローがしやすいというメリットがあります。カジュアルな面談を定期的に行ったり、食事に行ったりと丁寧なフォローを行うことで「自分を本当に採用したいと思ってくれている」「自分に期待してくれている」などと内定者との信頼関係の構築につながり、内定辞退を防ぐだけではなく入社後の活躍にもよい影響があります。

▽ 内定者フォローの例

  • 定期的なフォロー面談
  • 配属先の現場社員との面談
  • 座談会、会食
  • メールやLINEなどの定期的なメッセージ

⑥ リソース不足をカバーする

既述のとおり、多くの中小企業では採用業務に時間も人手も割けない状況です。そのため、必要に応じて、以下のようなアウトソーシングに頼るのも選択肢の一つです。

採用代行や採用コンサルティングサービス(RPO)を利用する

一言で採用代行や採用コンサルティングと言っても、採用戦略の立案、日程調整、採用媒体運用、面接代行、内定者フォロー、データ分析など、サービスによって対応範囲が大きく異なります。導入を検討する際には、「自社にはどういった課題があるのか」「どんな人材を採用したいのか」などの点を考慮しましょう。

SNSやWebサイト運用などの採用広報をアウトソーシングする

SNSやWebサイトを活用した採用広報は、多くの求職者に認知を広げることができますが、SEOの知識やアルゴリズムの理解など専門知識があってこそ効果を得られます。そのため、SNSや採用広報の専門的な知識がある業者を慎重に選ぶようにしましょう。

ATS(採用管理システム)で業務を効率化する

また、ATS(採用管理システム)を利用するのもおすすめです。ATSとは採用業務を一元管理できるツールのことで、操作に慣れられれば日程調整などの工数やそれにかかる人件費などのコストを大幅に削減することができます。

⑦ 中退共など補助金を活用する

中小企業が国から受けられる補助金や助成金も、採用に活用することができます。

補助金や助成金にはさまざまな種類がありますが、一定の要件を満たせばスムーズに受給できるものも多いです。下記でご紹介するものを中心に、自社で使える助成金や補助金を活用して社内の環境を整え、福利厚生の面で訴求したりなどうまく採用に活かしましょう。

▽ 助成金制度の例

助成金制度
中小企業退職金共済(中退共)中小企業のための退職金共済制度で、企業が支払った掛金の一部が国から助成される
育児休業等支援育児休業の取得や職場復帰の取り組みを行った中小企業に対して助成金が支払われる
出生時両立支援(子育てパパ支援助成金)男性労働者が育児休業を取得しやすい環境を整えた中小企業に対して助成金が支払われる
介護離職防止支援労働者の円滑な介護休業の取得や職場復帰などに取り組んだ中小企業に助成金が支払われる
働き方改革推進支援助成金テレワークの導入など、中小企業が働き方改革に取り組む際の費用の一部が助成される

各種制度は、厚生労働省中小企業庁(経済産業省)のHPでご確認ください。

中小企業の採用成功事例3選

この章では、実際に成果を上げている中小企業を3社ご紹介します。

株式会社doors(ドアーズ)

株式会社doorsは、インフラ補修や建設事業を展開している岩手県の企業です。地域開発プロジェクトや花火大会の開催など、地域のための取組みを重ねながら知名度を向上させることで、企業ブランディングに成功しています。

(自社のビルを地域コミュニティの場として提供)

また、社員一人ひとりの好きなことや得意なことを経営陣が日々の会話の中で把握し、「やってみたい」と思った企画にはリスクを恐れず挑戦することを企業として推奨しています。

現在では地域からユニークな会社として認識されるようになり、意欲的な若手人材の採用に成功しているほか、中には1.5倍もの増員に成功している事業もあるそうです。

新光重機株式会社

千葉県内11営業所で建設機械レンタルを行っている新光重機株式会社。当初はハローワークや大手求人サイトを利用していましたが期待どおりの成果が出ず、とくに若手層の採用が急務でした。

そのような状況の中、「建機レンタル業界=古臭い」といった世間のイメージが課題であると捉え、若い求職者のニーズに合わせた採用活動に乗り出しました。「合同説明会でのブース装飾やパンフレットのデザインを若者向けにする」、「若手を惹きつける会社説明を行う」といったさまざまな施策を行いましたが、SNSで採用広報がとくに反響があり、結2024年は新卒5名と20~30代の中途15名が入社し、2025卒は15名が入社予定だそうです。

Xのフォロワー数はなんと6万人以上)

株式会社ヒーロープロデューサー

株式会社ヒーロープロデューサーは、認可外保育所「ヒーロー幼児園」を運営しています。

元々は人材紹介会社を利用して社長一人で採用活動を行っていました。しかし、自分が動けないときは採用活動のすべてがストップしてしまう状況に限界を感じ、RPOを導入。導入後は、「使うべき媒体の提案」や「スカウトメールなどの改善提案」、「自社の魅力に関する客観的アドバイス」などで特に支援の効果を感じたそうです。結果的に4名の採用に成功しています。

<<株式会社ヒーロープロデューサーの詳しい採用事例を見る>>

まとめ

この記事では、中小企業が採用に苦戦する理由や成功するための採用戦略について解説しました。

大企業と比べて、中小企業は知名度や待遇など不利になる要素があるのは事実です。しかし、先ほどご紹介した成功事例からもわかるように、適切な戦略を練れば中小企業でも優秀な人材を安定的に採用することも可能です。

採用に関するお困りごとがございましたら、お気軽に弊社までお問い合わせください。

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この記事の監修者

井上愛海のアバター 井上愛海 株式会社ミギナナメウエ 執行役員

2022年9月東京大学大学院在籍中に株式会社ミギナナメウエの執行役員に就任。
即戦力RPO事業の事業部長を担い、これまでに150社以上の採用支援に携わる。
【以下実績】
・シリーズBのスタートアップ企業の20名のエンジニア組織を40名まで拡大
・CTO、PM、メンバークラスを採用しゼロからのエンジニア組織を立ち上げに成功

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