入社前に候補者のスキルを把握するためには、ワークサンプルテストの実施がおすすめです。ワークサンプルテストとは、事前に業務内容と近しい課題に取り組んでもらい、スキル面でのマッチ度合いを測る手法です。
そこで本記事ではワークサンプルテストの詳細や、導入企業の例題をご紹介していきます。入社後のミスマッチなど、課題を感じている企業の方はぜひ参考にしてください。
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ワークサンプルテストとは?
ワークサンプルテストとは、事前に候補者に受けてもらう課題のことを指します。具体的には、入社後の業務を想定したテストを実施し、候補者のスキルマッチを測る手法です。
ワークサンプルテストを実施することで候補者のスキルを事前に把握し、オンボーディングがうまく行きやすかったりやパフォーマンスが発揮しやすくなったりします。ビジネスチャットツールを開発する株式会社kubellや、世界的に有名なIT企業であるGoogle合同会社など、多くのIT企業で導入されています。
ワークサンプルテストは選考フローのどのタイミングで実施してもよいですが、おすすめのタイミングは最終選考前です。一次面接や二次面接を突破している候補者であれば、最低限のスキルセットやマインドセットは持ち合わせているはずだからです。
そのため、最終的な確認段階として入社後をリアルに想定したテストを実施することで、お互いに「どの程度のスキルを持ち合わせているのか」「どれくらいのスキルを必要とされているのか」を掴めるようになるでしょう。
ワークサンプルテストの重要性
候補者が入社後、早期に成果を上げるためにもワークサンプルテストは重要視されています。本章では、なぜワークサンプルテストを実施する企業が増えてきているのかについて解説していきます。
限られた人手で成果を上げる
ワークサンプルテストを実施することで事前にスキルや適性を把握できるため、適材適所な人材配置ができるようになり、少ない人数でも高い成果をあげられるようになります。
入社後に的確な部署配属が行えたり、その人がどんなスキルを持ち合わせているのかをある程度知ることで業務効率も向上します。
結果的に社員数が少ない企業でも、少数精鋭で高いパフォーマンスを発揮できる組織を目指すことができます。
売り手市場により求人倍率が高まっている
次に有効求人倍率が高まり売り手市場となっている今、採用難易度が上がってることもワークサンプルテストが重要視される理由の一つです。
求人倍率が高くなっているということは、採用活動をしても理想とする人材を採用しづらいということです。期待通りの人数の採用が難しい現代、よりターゲット像を明確にし、当てはまる人材を見つけることが採用成功に繋がります。
採用要件を緩和したりハードルを下げたりしても応募を集めづらい昨今では、事前にワークサンプルテストを実施して、少人数でも理想的な人物像と一致する人を採用することが重要です。
ワークサンプルテストの導入目的
ワークサンプルテストは、事前に候補者のスキルを把握するために実施することが一般的ですが、その他にも目的があります。具体的には、以下のような理由があります。
要件にマッチする優秀な人材の採用
第一に、優秀な人材の確保を目的としてワークサンプルテストを導入するケースもあります。ワークサンプルテストは、入社後の業務を想定した「実践に近い課題」です。
テストを通して、入社後に活躍できるか、能力的にミスマッチなのかを判断できるので、特に即戦力人材を採用する際は、ワークサンプルテストを導入することで、入社後の活躍可能性を判断することができます。
このように事前に候補者が活躍できるか、十分なスキルを持ち合わせているかを判断し、より優秀な人材を採用するうえでもワークサンプルテストは大切なフローです。
離職率向上の抑制
ワークサンプルテストを実施することで業務理解も深まり、入社後の早期離脱や離職率向上を抑えるという狙いもあります。
ワークサンプルテストを実施することで、候補者のスキルをはかるだけではなく、候補者に仕事内容を理解してもらうことにもつながります。求職者が入社後に「思っていた仕事内容と違う」など、業務内容に齟齬を感じると早期退職されてしまう可能性があります。
しかし事前にワークサンプルテストを通して、実際の仕事内容をリアルに体感することで、入社後に仕事内容に感じる違和感を抑えることができます。結果的に、仕事内容のミスマッチが理由となる離職率の向上は抑えられるでしょう。
スキル面での採用後のミスマッチの防止
最後の導入目的として上げられるのが、スキル面での採用後のミスマッチの防止です。ワークサンプルテストを実施し、お互いに仕事内容やスキルを把握したうえで採用することで「予想と違った」というミスマッチの発生を減らすことができます。
また、事前に把握しておいたスキルによってOJT内容や関わり方を変えることで、入社後、仕事が順調に進めることができたり、より効率的に高いパフォーマンスを発揮することができモチベーションが上がることも考えられます。候補者から見て仕事内容が理想通りであることはもちろんですが、その後業務を通してやりがいや手ごたえを感じられることも重要なポイントです。
入社後の成長やステップアップが順調になることで、転職に関するミスマッチを感じづらくその後の定着率も高まるでしょう。
ワークサンプルテストのメリット
ワークサンプルを実施することで企業が得られるメリットは様々あるので、それぞれ詳細を解説していきます。
自社に合う人材を見極められる
ワークサンプルテストを実施する最大のメリットは、入社前に候補者のスキルを把握し、スキル的に自社に合う人材かどうかを見分けられることです。
経歴や面接での話の中では要件にマッチしていると感じたものの、採用後、実際に稼働してみたら自社に合わない、仕事を任せられないといったことを事前に防ぐこができます。
入社後早い段階で活躍してくれる可能性も高く、同じスキルレベルの既存社員とのスムーズな連携にも期待できます。
またOJTなどの育成にかかる時間の短縮にもつながります。候補者が入社後、できるだけ早く業務を開始できることからも適切な人材を採用することはメリットとなります。
入社後すぐに高いパフォーマンスを発揮してくれる
前述通り、自社に合う人材を見極めることは、早期にパフォーマンスを発揮してくれることにつながります。
事前に業務内容に近いワークサンプルテストを実施したうえで採用した人材であれば、入社前にある程度「自分がどのような仕事を振られるのか」を理解しているため、スムーズに現場に馴染むことができます。
特に経験者採用やマネージャー採用といった、レベルの高い採用においては前職でどれくらいの実績があるのか、どんなことができるのかなど、候補者のテスト結果をもとにスキルレベルを知ることで、文字通り「即戦力人材」の採用ができるようになります。
採用コストの削減
ワークサンプルテストを実施しミスマッチを防ぐことで、採用活動の長期化や余計な採用費用を抑えられます。ワークサンプルテストを実施する費用や人事のリソースはかかってしまいますが、一度ワークサンプルテストを組み込んだ採用フローの型ができてしまえば、その後は継続的なコストはかかりません。
また、前述の通りワークサンプルテストを実施すると、自社に合う人を採用することで早期退職の防止にもつながります。その結果、採用した人材が長く活躍してくれるため複数回にわたる採用活動を行うのに必要になる追加の採用費用の発生を防ぐことができます。
早期離職や新しい人材の確保によって発生する求人広告費や人材紹介の費用、採用にかかる時間的リソースの削減にもつながることも、ワークサンプルテストのメリットです。
ワークサンプルテストのデメリット
ワークサンプルテストを実施するメリットが多数ある一方で、以下のようなデメリットもいくつかあります。。
選考フローが長くなる
ワークサンプルテスト最大のデメリットは、選考フローが長くなり、候補者の負担が増えることです。入社までのフローが長いと、選考途中で離脱が発生する可能性があります。
より良い採用のために行なっているワークサンプルテストの導入によって逆に候補者が離脱してしまうと本末転倒なので候補者が離脱しないように「背景説明」や「依頼するタイミング」を工夫する必要があります。
ディレクション工数が増加する
選考フローの途中にワークサンプルテストを実施すると、問題の作成や確認の時間といった工数が発生するため、新たなリソースを割く必要があります。
人事部のメンバーが多い企業であれば問題ありませんが、そもそも専任の採用担当がいなかったり、人数が少ない企業の場合は、このリソース発生がデメリットになるかもしれません。
ワークサンプルテストを実施するのであれば、自社に十分なリソースがあるか、もしくは一時的なリソースの増加に耐えられるかを把握したうえで進めましょう。
選考辞退の可能性がある
ワークサンプルテストの存在そのものが、応募や選考辞退に繋がる可能性もあります。
特に求人倍率が高い現代では、求職者は基本的に「企業を選べる立場」です。そのため企業はなるべく早く内定を出し、優秀な人材を採用したいという思いから選考のスピードを求めていくことが必要不可欠です
しかしワークサンプルテストがあることで、候補者が面倒くささを感じて選考の途中で辞退が発生するケースも想定されます。
ワークサンプルテストの作成方法
ワークサンプルテストを作成を考えている企業の方は、以下の手順を参考にしてください。
【ワークサンプルテストの作成手順】
- ペルソナ設計
- 課題・評価基準の設計
- テストの作成
- 実施
まずは具体的にどんな人材が必要なのか、ターゲットを明確にしてペルソナを設計します。設計したペルソナから逆算し、どのようなテストを実施すべきか、評価方法をどうするのかなど事前準備を進めます。
必要な情報が揃ったら、次は実際にテストを作成して採用フローに落とし込みます。
具体的にどのような例題があるのかなど、詳細は次の章の具体例を参考にしてください。
実際のワークサンプルテストを例題をもとに解説
今後ワークサンプルを実施したいと考えている企業のために、実際に導入されているワークサンプルを、例題をもとに解説していきます。
ナイル株式会社
企業名 | ナイル株式会社 |
設立 | 2007年1月15日 |
事業内容 | ホリゾンタルDX事業/自動車産業DX事業 |
社員数 | 238名 |
ナイル株式会社はWebメディアの作成や、マーケティング支援をメイン事業としている企業です。
ナイル株式会社ではワークサンプルテストとして、ポジションごとのペーパーテストが実施されています。時間は約60~90分で、リモートで実施しているとのことです。採用広報であれば具体的なコンテンツ内容の策定、プロットの作成、広告運用ポジションでは、ビックキーワードから連想される戦略の立案など、限りなく実務に近い例題が出題されています。
参考:「お互いのミスマッチをゼロにしたい」ナイルが採用活動において大事にしていること
ラクスル株式会社
企業名 | ラクスル株式会社 |
設立 | 2009年9月1日 |
事業内容 | 印刷・広告のシェアリングプラットフォーム「ラクスル」の運営 |
社員数 | 533名 |
ラクスル株式会社は印刷、広告産業のデジタル化を行っており、印刷シェアリングプラットフォーム「ラクスル」を運営している企業です。
デジタル領域の採用が多いラクスルのワークサンプルは、一次面接と最終面接の間に実施されています。サーバーサイド職では「文字列の整理」「データ登録処理の実装」「データベースの設計」が例題として出題されています。
応募職種に応じてコーディング内容を変えており、ポジションに応じて細かく例題を設定していることがラクスルの特徴です。
株式会社ログラス
企業名 | 株式会社ログラス |
設立 | 2019年5月30日 |
事業内容 | 新しいデータ経営の在り方を生み出すDXサービスの企画・開発・販売 |
社員数 | 130名 |
株式会社ログラスはクラウド経営管理システムの開発、提供を行っている企業です。
2019年設立と比較的新しい企業ながら、社員数は130名と今注目を集める成長ベンチャー企業です。
ログラスでは主に、以下の職種別にワークサンプルテストが実施されています。
- エグゼクティブ
- セールス
- マーケティング
各部署ごとに例題を作っており、候補者が実際にテストを受けていくようです。現場で働くメンバーが主体となりテストを作っているようで、より実践の業務に近いテストができたり、人事のみに負担がかからないような設計になっていることがログラスの特徴といえるでしょう。
優秀な人材を採用するためにワークサンプルテストはおすすめ
ワークサンプルテストを導入している企業の例題を見ていくと、実際の業務内容に近い課題が出されていることがわかります。
入社前に候補者とのスキルマッチを把握できるのがワークサンプルテストを導入する一番の目的であり、採用活動の生産性向上のために重要な内容といえるでしょう。
より優秀な人材を採用したい、スキル面でのミスマッチを避けて採用活動を行いたいと考えている企業の方は、一度ワークサンプルテストを導入することをおすすめします。