開始時期の早期化や採用期間の長期化など、年々変化が激しい新卒採用。「競合の会社って、どれくらいのコストをかけてどんな人材を採用しているんだろう?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
もしくは、「新卒採用を任されたはいいけど、予算があまりにも少なすぎるから上司を説得したい」という方もいるでしょう。
そこで本記事では、新卒採用の相場やコストを抑えるポイントを今すぐ取り入れていただけるTipsも含めてご紹介していきます。
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新卒採用コストの相場
まずは、世間一般的に企業が新卒採用にかけているコストについて、2024年の最新データを元にご紹介していきます。
一般的に新卒採用にかかるコスト
結論、株式会社マイナビが行った「2024年卒 企業新卒内定状況調査」によると、24年卒の新卒採用の全体コストは平均で287万円と言われています。
新卒採用コストとは、新卒者を企業に迎え入れる際に発生する費用のことを指しており、具体的には、求人広告の作成や掲載、選考会や面接の実施、採用内定者との連絡、そして採用後の教育・研修など、新卒者を一人採用するまでに必要な全ての費用が含まれます。
また、このコストは内部コストと外部コストに大きく分けることができます。内部コストとは、社内で発生する人件費や教育研修費などを指し、外部コストとは求人広告費やエージェントへの手数料など、社外へ支払う費用を指します。
また、新卒に限った話ではありませんが、採用活動は多くの要因から影響を受けやすいので世間の経済状況や自社内のリソース、求める学生像などによってコストは大きく変動するということを念頭に置いておきましょう。
新卒採用の平均コスト
先述した通り、新卒採用の平均コストは企業規模や業界により異なるものの、新卒採用の平均コストは約300万円とされています。
これには、以下のような要素が含まれます
内訳 | 費用相場 |
---|---|
採用活動費 | 約100万円 |
教育研修費 | 約150万円 |
早期退職による損失 | 約50万円 |
採用活動費には、求人広告費や面接運営費などが含まれ、教育研修費には、新入社員の育成にかかる費用や時間をカウントします。また、早期退職による損失は、採用ミスマッチから生じる損失を示しています。
新卒採用にかかるコストの内訳
内部コスト
新卒採用コストには「内部コスト」と呼ばれる部分が大きな割合を占めます。内部コストとは、一般的に社内のリソースのみを利用した採用活動に伴うコストのことを指します。
以下が「内部コスト」と呼ばれるコストの代表的な例です。
- 採用担当者の人件費: 採用に関する業務を行う担当者の給与や賞与。
- 面接運営費: 面接官の人件費、面接場所の準備
これら内部コストは、企業の採用戦略や規模により変動します。適切な採用計画を立てることで、これらのコストを有効に活用し、無駄を減らすことが可能です。
外部コスト
新卒採用コストには、内部コストと同じくらい「外部コスト」も大きな要素として存在します。これは企業にもともとあるリソース(コスト)だけではなく、外部のサービスや代理店・専門家に対して発生するコストのことです。
具体的な外部コストとしては、採用広告費、採用支援サービスの利用費用、新卒者向けの合同説明会やジョブフェアへの参加費用などがあります。
これらは一見削減しやすい費用に思えますが、これらを通じて採用活動をより効率的に行うことができるので、自社にマッチする学生を採用するためには必要不可欠な投資ともいえます。
また、新卒への入社後の研修や教育プログラムの企画や運用を外部の専門機関に委託する場合も、外部コストが発生します。これらは新入社員のスキルアップや社会人としてのマナー教育に大きく影響するため、採用活動とは別の人材育成コストとして捉えることも可能です。
以下が具体的な外部コストです。
例 | 詳細 |
---|---|
採用広告費 | 新聞、ウェブサイトなどへの採用広告掲載費用 |
掲載費用 | 採用情報サイトへの求人情報掲載費用 |
合同説明会費用 | 企業説明会やジョブフェアへの参加費用 |
研修費用 | 新卒者向け研修や教育プログラムの委託費用 |
具体的なコスト要素
新卒採用コストの具体的な要素を見てみましょう。
まず、内部コストとしては、「人事部門の人件費」や「採用活動にかかる時間コスト」が挙げられます。次に、外部コストでは、「求人広告の出稿費」、「採用イベントの運営費」、「採用代行業者への手数料」などが考えられます。
以下に詳細な内訳を表で示します。
内部コスト | 外部コスト | |
---|---|---|
人事部門の人件費 | ◯ | |
採用活動にかかる時間コスト | ◯ | |
求人広告の出稿費 | ◯ | |
採用イベントの運営費 | ◯ | |
採用代行業者への手数料 | ◯ |
このように、新卒採用コストは多方面にわたって発生します。これらを抑えるための戦略を立てることが、経済的な効率性と優秀な人材の確保という二つの目標を達成するカギとなります。
新卒採用コストを増大させる要因
広告費用
新卒採用における一大費用要素として挙げられるのが、広告費用です。企業は学生に対する認知度向上を目指し、各種求人サイトでの掲載やキャンパス広告、リクルートパンフレット作成などに多額の広告費を投じます。
具体的には、以下のような広告活動における費用が発生します。
- 求人サイトへの掲載費用
- キャンパス広告の制作・掲示費用
- リクルートパンフレットの制作・印刷費用
これらの費用は、企業規模や採用体制により大きく変動します。しかし、これらを適切に抑えることで、全体の新卒採用コストを下げることが可能です。次節では、具体的なコスト削減策を解説します。
人件費
新卒採用コストには、人件費も大きな要素を占めます。これは、採用活動に関与する全てのスタッフの給与や、採用選考の際にかかる時間コストを指します。具体的には、以下のような項目が含まれます。
- 採用担当者の人件費:採用活動を行う担当者の給与や、選考作業にかかる時間のコスト。
- 選考面接者の人件費:面接を行う担当者の給与や、面接にかかる時間のコスト。
これらの人件費は、採用活動を内部で行う企業にとっては避けて通れないコストであり、大量の新卒採用を行う場合、これらのコストは相当な額になることもあります。
人件費を抑えるための方法としては、効率的な採用プロセスの構築や採用活動のアウトソーシングなどが考えられます。
ミスマッチによる早期離職
新卒採用には大量の経費がかかることは明らかですが、そのコストを増大させる要因の一つが、「ミスマッチによる早期離職」です。
貴重な採用リソースを投入して採用した新卒社員が、入社後すぐに会社を去ってしまうと、その離職は企業にとって二重のコストとなります。
まず一つ目のコストは、新卒社員への教育・トレーニング費用です。新卒社員に会社の業務を理解してもらうためには、時間と経費を投入する必要があります。
二つ目のコストは、再度、採用活動を行うための経費です。早期離職により、採用した社員がいなくなってしまった場合、再度採用活動を行わなければなりません。
このように、ミスマッチによる早期離職は企業にとって大きな採用コストとなります。これを防ぐためには、適性を見極める採用方法や、新卒社員へのフォローアップが重要となります。
新卒採用コストを抑える戦略
費用効果の高い採用手法の導入
新卒採用における費用効果の高い手法として、まず「ダイレクトリクルーティング」が挙げられます。これは企業が直接学生にアプローチする方法で、大々的な広告や仲介者を経由しないためコストを抑えられます。
また「インターンシップ」も効果的な手法です。これにより事前に学生との接点を持つことができ、相互の理解を深めることで採用ミスマッチを防ぎます。さらにインターンシップは企業の魅力を伝える良い機会でもあります。
以下にダイレクトリクルーティングとインターンシップのメリットとデメリットを表にまとめます。
採用手法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
ダイレクトリクルーティング | 広告費用の削減、適性のある人物への直接アプローチ | 時間と人的リソースが必要 |
インターンシップ | ミスマッチ防止、企業魅力のアピール | 適切なプログラム設計と運営が必要 |
これらの手法を適切に組み合わせることにより、新卒採用コストを抑えつつ質の高い人材を確保することが可能となります。
採用ミスマッチの防止
新卒採用で起こるミスマッチは、企業にとって大きなコストとなります。その防止策の一つとして、適性検査や面接による「適合性の評価」があります。
まず、適性検査により、応募者が持つスキルや性格、価値観といった要素を把握し、それが企業の求める人材像と合致するか確認します。これにより、見込みのある応募者の選出を効率化することが可能です。
また、面接では応募者との対話を通じて、その人格やモチベーションをより深く理解します。これにより、企業文化に適合するかどうかを評価することができます。
重要なのは、これらは採用前だけでなく、入社後も継続的に評価し、必要に応じて教育や指導を行うことです。この流れをしっかりと確立することで、採用ミスマッチを防ぎ、新卒採用コストを抑えることができます。
求人媒体の見直し
新卒採用コストを抑える一つの方法として、「求人媒体の見直し」があります。これは、企業が自社の求人広告をどの媒体に掲載するか、その選択を見直すことです。
例えば、一部の企業では大手の求人サイトに広告費を大量に投じています。しかし、その結果として必ずしも採用効率が良いわけではありません。高い広告費を払っても、自社に合った新卒生を採用できなければ無駄なコストとなります。
そこで、自社のターゲットとする新卒生がよく利用する求人媒体、または自社の業界特化型の求人サイト等に広告を掲載することを考えてみましょう。採用コストを抑えつつ、より効率的な採用が可能になるかもしれません。
また、就職フェアや学校の合同企業説明会など、直接学生と触れ合う機会を利用するのも一つの手段です。これによって、企業の魅力を直接伝えることができ、ミスマッチを防ぐことにも繋がります。
以上のように、求人媒体の選択を見直すことで、新卒採用コストを抑えつつ、質の高い採用を行うことが可能です。
新卒採用に投資すべき理由
新卒採用のメリット
新卒採用には多くのメリットがあります。まず最初に、企業文化や業務内容を最初から学ぶことが可能なため、自社のビジョンや価値観に合った人材を育成することができます。これは、経験者採用では得られない大きな利点です。
メリット | 説明 |
---|---|
自社文化への馴染み | 慣れ親しんだ環境で働くことで、自社の価値観に共感しやすい |
育成余地 | 業務の基礎から学ぶことで、自社のニーズに合わせたスキルを身につけるのが可能 |
また、新卒採用は将来性を考慮した採用です。新卒者はキャリアの早い段階であるため、長期的に見て会社の成長に貢献する可能性があります。これらからも、新卒採用はコストを抑えつつ企業成長を目指すための有効な手段であると言えます。
ダイレクトリクルーティングの活用
ダイレクトリクルーティングとは、企業が直接学生と接触し、採用活動を行う方法です。新卒採用コストを抑えるために活用することが推奨されます。
その優れた点は、求人広告費用や仲介手数料を削減できることです。また、企業と学生との直接のコミュニケーションにより、適性と期待値を正確に理解し、ミスマッチを防ぐことも可能です。
メリット | 詳細 |
---|---|
コスト削減 | 求人広告費や仲介手数料が不要 |
ミスマッチ防止 | 企業と学生が直接コミュニケーションを取ることで理解を深める |
しかし、ダイレクトリクルーティングには時間と人材が必要となるため、そのコストも考慮に入れるべきです。企業の状況と目的に応じて最適な採用戦略を選ぶことが重要です。
まとめ
本記事では、新卒採用コストの現状と内訳、増大させる要因について詳しく解説しました。
広告費用や人件費、早期退職等が主なコスト増大要因となることを理解した上で、費用効果の高い採用手法の導入やミスマッチ防止、求人媒体の見直しなど、コスト削減の具体的な戦略を見つけていきましょう。
また、新卒採用に投資する理由も考えました。新卒者の長期雇用による安定した人材確保、企業文化への適応力の高さ、そしてダイレクトリクルーティングの活用による採用成功率の向上など、新卒採用には多くのメリットがあることがわかります。
企業の成長と持続的な成功を目指すためには、新卒採用を戦略的に行うことが必要です。コストを効率的に抑えつつ、最適な人材を確保するための方策を、これからも引き続き模索していきましょう。