少子高齢化の影響で優秀な人材の採用が難しくなり、新たな採用手法を導入する企業が増えました。ただ、昔と比べて採用手法が豊富になりどの手法を取り入れるのがベストなのか、わからない企業も多いと思います。今回は手法の紹介だけでなく、悩み別でアプローチ方法についても触れましたのでぜひご覧ください。◆中途人材の採用が難しい理由人材の採用ができない原因は内的要因と外的要因に分かれています。内的要因は改善の見込みがあるもので、一方で外的要因は自社の力で改善することは難しいです。各要因ごとに何が原因なのか見ていきましょう。◆内部要因以下は、採用の母集団形成に影響を与える可能性のある内的要因の詳細です。人事のリソース不足ベンチャーやスタートアップ企業では、人事のリソースが限られていることがよくあります。媒体運用、面接、入社後のフォローアップなど、採用業務に必要なメンバーが不足しているため、採用目標の達成が難しくなることがあります。採用の予算不足自社サイトからの流入やリファラルなど、お金をかけずに採用できる手法はありますが、会社の知名度が浅かったり、創業してまもない企業は、ある一定のコストをかけないと採用が難しいです。改めて事業の予算を整理し、採用計画を立てましょう。媒体選定ミス採用のノウハウが不足している人事担当者は、媒体選定において誤った判断を下すことがあります。媒体ごとに異なる特性があるため、自社の状況に合った媒体を検討する必要があります。新しい手法を採用していない採用市場は常に変化しており、従来の採用手法だけでは対応できない場合があります。市場の変化に適応し、新たな情報をキャッチアップすることが求められます。企業の知名度求人サイトに載っている情報だけでは、自社の強みや魅力などを伝えきることは難しいです。ブランディングを強化するためにも、採用広報に力を入れましょう。最近はnoteやNotionを活用している企業が多く、すでにフォーマットができているので初心者でも簡単に作れます。内定者の離脱内定者の離脱は「他社からのオファー」と「現職からの引き留め」が主な原因です。ただ、採用広報を活用してブランディングを強化したり、キャッチアップ能力が高い人事を採用するだけでも、他社の内定離脱は防ぐことができます。待遇面で勝負が難しい企業は「想い」の面で勝負しましょう。◆外的要因続いて自社の力で変えるのが難しい原因をみていきましょう。労働人口の減少近年、日本は少子高齢化が進行し、生産年齢層の人口が減少しています。1990年代にピークを迎えた後、減少傾向が続いており、今後も以前の水準に戻る見込みは非常に薄いと考えられています。働き方の多様化働き方の多様化は、働く時間の柔軟性や異なる分野でのスキル活用など、さまざまなニーズへの対応を必要としています。そのため、副業と兼業の奨励が近年注目されています。以前は、企業が「副業禁止」を就業規則に明記することも一般的でしたが、最近ではむしろ副業を奨励する姿勢を取る企業も増えています。これは、社会の価値観が変化している兆候とも見なされています。◆中途採用のおすすめ手法17選では実際に中途採用におけるおすすめ手法17選を見ていきましょう!ダイレクトリクルーティングー概要ダイレクトリクルーティングは、企業が積極的に求職者にアプローチする採用方法を指します。具体的には、求職者のレジュメをもとに、自社で活躍できそうな候補者に対してスカウトメールを送信する仕組みです。自社の理想の候補者にフォーカスしてアプローチできるため、効率のいい採用手法です。ー評価母集団形成:★★★候補者の質:★★☆人事の工数:★★★Indeedー概要Indeed(インディード)は、求人情報の検索に特化したプラットフォームです。勤務地や職種に関連するキーワードを使用して求人情報を検索することが可能です。無料掲載と有料掲載があります。無料掲載は掲載枠に制約があるため、有料掲載の方が母集団が集まりやすいでしょう。有料掲載にすると、求職者にクリックされた回数分の料金が発生します。ー評価母集団形成:★☆☆候補者の質:★☆☆人事の工数:★★★人材派遣ー概要派遣会社が雇用している社員を、企業に派遣する仕組みです。スタッフの専門性が高ければ高いほど、派遣料金も上昇することがあります。人材派遣は契約期間が明確に定められているため、必要なときに必要な人数だけを柔軟に採用することができます。例えば、忙しい時期にスタッフを追加採用する必要がある場合など、効果的です。ー評価母集団形成:★★☆候補者の質:★★☆人事の工数:★☆☆業務委託ー概要自社業務の一部を外部の企業や個人事業主に任せることを指します。 特徴は委託者と受託者の関係が対等であることです。フリーランスとして活躍したい方が多いため、スキルの高い人が登録している傾向にある。そのため今すぐ即戦力人材が欲しい企業にはマッチしています。また、従業員に支払う給与と違い、固定費ではなく、流動経費として計上できるメリットがあります。ー評価母集団形成:★★☆候補者の質:★★★人事の工数:★☆☆副業ー概要近年当たり前化しつつある副業とは、本職を持つ人が他の仕事などを通じて追加の収入を得ることを指します。 一部の企業は、セキュリティリスクなどを理由に副業を許可しないことがあります。優秀な人材を正社員より少ないコストで採用できるのが最も大きな魅力です。ー評価母集団形成:★★★候補者の質:★★☆人事の工数:★★☆人材紹介ー概要人材紹介会社に必要な人材の詳細を伝え、そのプロフィールに合致する候補者を仲介してもらうアプローチ方法です。費用は採用した人材の年収×費用(25〜40%)が発生します。人材紹介会社のエージェントが事前に求職者と面談などを行うため、スクリーニングされた候補者を採用候補として選定することができます。このため、採用プロセスの効率化や負担軽減に寄与します。ー評価母集団形成:★★☆候補者の質:★★★人事の工数:★☆☆転職フェアー概要転職フェアとは、転職を検討している個人に向けた合同企業説明会です。転職希望者と直接対話できる機会を提供し、場合によっては即座に面接や一次面接を行うこともできます。ただし、出展には費用がかかり、出展日数やブースの規模に応じて費用が変動することに留意してください。ー評価母集団形成:★★☆候補者の質:★☆☆人事の工数:★★★求人広告ー概要求人広告とは、企業が新しい人材を募集するために、求職者に向けて公開する広告のことです。 昔は、新聞やフライヤーなどの印刷物が一般的でしたが、現代では、ウェブ媒体が優勢です。 求人広告には、印刷とウェブの両方で、広告スペースのサイズに応じて異なる料金体系が設定されています。ー評価母集団形成:★★☆候補者の質:★☆☆人事の工数:★☆☆ミートアップー概要ミートアップは、共通の目的を持った人たちが集まる交流会を意味する言葉です。複数人でやることもあれば、カジュアル面談目的でマンツーマンで行うこともあります。中途採用において、候補者が気軽に会社のカルチャーを知る機会として、2015年以降広く活用されるようになりました。単なる採用活動だけでなく、企業のブランディングにも貢献できます。ー評価母集団形成:★★☆候補者の質:★★☆人事の工数:★★☆SNS採用ー概要SNSを活用した採用方法は、企業がFacebookやTwitterなどのSNSを通じて情報発信し、採用活動を行う手法です。最近は「Twitter転職」が流行っており、Twitterを通して求人を出したり、または候補者が自身のスキルを公開して逆求人を出すなど、気軽に採用活動できるのが魅力の一つです。ー評価母集団形成:★☆☆候補者の質:★★☆人事の工数:★★★RPOー概要RPOとは「採用業務の代行」 という意味で、候補者の管理や採用試験の日程調整だけでなく、採用計画の策定や母集団の形成、内定者へのフォローまで、さまざまな業務を依頼することが可能です。ー評価 母集団形成:★★★候補者の質:★★★人事の工数:★☆☆ヘッドハンティングー概要エグゼクティブサーチ型のダイレクトリクルーティングは、企業が必要な優れた人材を特定のネットワークを駆使して発掘し、転職プロセスを全般的にサポートするアプローチです。この方法を利用することで、適切なスキルと経験を持つ優秀な候補者を獲得できる一方、高額なコストがかかるという欠点も存在します。ー評価 母集団形成:★☆☆候補者の質:★★★人事の工数:★☆☆自社サイトー概要自社のウェブサイトを活用して、採用を行う方法です。転職サイトなどに求人情報を掲載するよりも自由度が高まり、より密度の高い情報を提供できます。ただ、企業の知名度がないとそもそもサイト自体見られないため、併せて採用広報に力を入れるのをお勧めします。ー評価 母集団形成:★☆☆候補者の質:★★☆人事の工数:★★☆リファラル採用ー概要リファラル採用は、自社の従業員が自身のネットワークから、適任と思われる人材を紹介する採用方法です。自社の社員が知り合いや友人に会社の雰囲気や魅力を伝え、アプローチを行います。社員からの紹介が信頼性が高く、紹介された候補者の性格やスキルに関する情報を把握しやすいという点が挙げられます。一方で、大量採用には向いておらず、紹介者との関係が悪化するリスクもあるため、入社後のサポートやフォローアップが重要です。ー評価 母集団形成:★☆☆候補者の質:★★★人事の工数:★★☆アルムナイー概要アルムナイ採用とは、自社の元社員を再雇用する採用戦略です。この「アルムナイ(alumni)」という言葉は、英語で「卒業生」「同窓生」を意味する「alumnus」の複数形であり、ビジネスコンテキストでは「元社員」として用いられます。日本の終身雇用制度が一般的で、自発的な退職が少なかった過去と比べ、現代では採用難や転職の頻度が高まっており、アルムナイ採用は新たな注目を浴びています。一方、転職市場が活発な欧米諸国では、アルムナイ採用が広く採用されています。ー評価 母集団形成:★☆☆候補者の質:★★★人事の工数:★★☆ハローワークー概要ハローワークは、日本の各都道府県の労働局が運営する公共職業安定所です。ハローワークの端末を通じて、求人情報を無料で掲載できます。ただし、求人情報の作成や選考プロセスは全て自社で行う必要があるため、それに必要なスキルが不足している場合は、作業に時間を費やすことになります。ー評価 母集団形成:★☆☆候補者の質:★☆☆人事の工数:★☆☆◆悩み別おすすめ採用手法最後に、自社にあった採用手法を悩み別に振り分けました。大きく「スピード」「量」「質」「コスト」「口数」に分けられます。自社が採用において一番重視している軸から考えてみてください。スピード重視内定承諾までのスピードを最短にしたい企業向けです。【人材紹介】自社が求めている候補者をヒアリングした上で紹介してくれるため、ミスマッチも少なくスピーディに内定承諾まで持っていくことができる。ただ人材紹介へのFeeが低いと紹介の優先順位が下がるため、予算が少ない企業は人材紹介を使うのは推奨しない。【SNS】昨今ではSNSを活用した採用手法が流行っており、企業が求人の詳細を書いたツイートを出して候補者を集うだけでなく、候補者自ら希望の条件を伝えて逆求人を出すこともあります。また転職希望日が即日の方が多いこともあり、条件さえマッチすれば選考に1週間もかかりません。【ヘッドハンティング】コストは高いですが、企業の要望にマッチする候補者を転職市場以外の経路から探し出してくれます。量重視大量採用したいことを一番軸においている企業向けです。【ダイレクトリクルーティング】スカウト送付の量・質・タイミングが良ければ毎月数十名の母集団形成も可能です。ただし、かなり工数がかかるため人事のリソースが不足している企業は、RPOなどに外注しましょう。【SNS】アカウントパワーが強ければ、1回の募集で数十名の応募が来ることもあります。また、候補者からの応募だけでなく、人材紹介業やRPO会社から連絡が来ることもあります。このように、日々のツイートは広報に役立つため、中長期的にアカウントを伸ばしていきましょう。【求人広告】広告が上位に表示されると、多くの候補者の目にとまるため、短期間で多くの興味を引くことができます。ただし、上位表示には費用がかかるため、予算をしっかり計画することが重要です。質重視コストや期間をかけてでも、事業の中核を担ってくれるコアな人材を採用したい企業向けです。【RPO】RPOは自社の採用要件に合致する候補者を効果的に採用するので、ミスマッチを最小限に抑えつつ、、質を担保した状態で母集団形成を行ってくれます。ただ、媒体の選択が非常に重要ですので、RPOと並行して媒体導入をする可能性もあります。【人材紹介】RPOと同様、企業の採用条件を満たした状態で候補者の紹介をしていただけます。事前に候補者と人材側が面談をするため、レジュメだけではわからない候補者の温度感や、企業に何を求めているのかなども知ることができます。【アルムナイ】自社にいた時の実績やカルチャーマッチを知ってる状態での再雇用なので、企業とのミスマッチが起きないことが一番の魅力です。【リファラル採用】会社の一メンバーとなる社員を紹介してくれることもあり、紹介者側もある程度スキルや自社とマッチしそうなメンバーを紹介してくれる傾向が高いです。【ヘッドハンティング】転職市場に出回っていない潜在層を紹介してくれるため、通常の採用では出会えないポジションと出会うことが可能です。しかしそのようなポジションは競争率が激しいため、候補者のグリップを握れるかどうかは企業の実力が重要になります。コスト重視プロダクトや事業に資金を費やしたい理由で、採用単価をなるべく安く抑えたい企業向けです。【リファラル採用】採用コストを一切かけず、優秀な人材と出会えるのが大きな強みです。ただし、現職の従業員が『知人に自社を紹介したい』と思えるようにするためにも、日頃のメンバーのフォローを大切にしましょう。【ハローワーク】厚生労働省が運営するサービスなので、求職者だけでなく企業も掲載無料です。ただし、実際に窓口に申し込みしたり、必要な書類もたくさんあることから求職者にとっては非常に工数がかかるため、人材紹介や求人媒体が当たり前となっている今では、あまり活用している企業がいないです。【自社サイト】初期に行うサイト構築には費用がかかりますが、一度開設してしまえばその後は数千円の維持費だけで済むので、コストパフォーマンスはいいです。ただし自然流入が難しいため、自社の認知を上げるためにSNSや媒体を活用して自社の採用広報に力を入れましょう。工数重視【RPO】媒体の運用から面接の一次対応まで、プロの人事がまるっと代行してくれるので人事の口数が大幅に削減されます。コストも人事一名雇うより安く済むため、採用の効率化を行いたい企業は外注を視野に入れてみるのもいいと思います。【人材紹介】候補者とのやりとりを人材紹介の方と行うので、母集団形成や最終選考までの日程調整など人材紹介川が行ってくれます。スムーズに対応するためにも人材紹介の方との関係構築は非常に重要になります。【ミートアップ】ミートアップには交流会のように複数人集めて開催する形式と、マンツーマン式がありますが、一度に複数人規模で開催すると複数の方に自社を認知して興味を持ってもらえるため、口数が大きく削減されます。◆まとめ中途採用は求める候補者のスキルによってコストや口数が変わりますが、そこも含めて改めて採用計画を立て直し、採用KPIを達成できるよう逆算して動いていきましょう。「リソースがない」「ノウハウがない」「コストを削減したい」中途採用において上記のお悩みを抱えている企業様は、弊社「即戦力RPO」にお問い合わせください。下記より資料ダウンロードできるので、興味がある方はぜひご覧ください!