最近では、新卒・中途を問わず、求職者とのファーストコンタクトとして「カジュアル面談」を取り入れる企業が増えています。
一方で、実際にカジュアル面談を実施するとなると、「どんな質問をすれば本音を引き出せるのか」「どのように進めるべきか」と悩む方もいるかと思います。
本記事では、カジュアル面談の基本的な流れや進め方に加え、新卒・中途・エンジニア別の質問例を紹介します。カジュアル面談の質を上げながら、採用効果を高めたい企業に役立つ内容となっていますので、ぜひご活用ください。
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カジュアル面談とは
カジュアル面談とは、リラックスした雰囲気の中でお互いのことを知る、選考とは切り離された面談を指します。
採用活動の一部ではあるものの、あくまでも選考ではなく相互理解を深めるための場として設定されるケースが多く、候補者が企業文化や仕事内容のリアルな情報を知る一方で、企業側にとっても候補者のリアルな人柄や価値観を知る貴重な機会となります。
近年では新卒・中途問わず導入する企業が増えており、「面接のようにかしこまらずに話ができる」と感じている求職者も多く、企業と応募者のミスマッチを減らす目的でも注目されています。

カジュアル面談を行う企業が増えている背景
近年、カジュアル面談を取り入れる企業が増えていますが、その背景には採用市場の大きな変化があります。
少子化による人材不足と採用手法の多様化によって採用活動が深刻化する中で、企業は転職潜在層との接点を増やし、母集団を広げる手段として面接よりも接触ハードルの低いカジュアル面談を導入するようになりました。また、働き方や価値観の多様化が進む今、入社後のミスマッチによる早期離職などを防ぐためにも、事前にお互いをよく知る場の重要性が高まっていることも大きな理由の一つです。
実際に、株式会社学情の「カジュアル面談に関する調査(2024年)」によると、約3社に1社がカジュアル面談を導入しています。また、カジュアル面談をまだ実施していない企業の半数は「実施を検討している」と回答しており、この流れは今後さらに広がると予想されます。
面接との違い
カジュアル面談と面接の大きな違いは、「選考が前提の場であるかどうか」です。
面接が応募者の合否を判断し、スキルや経験、志望動機を確認する場であるのに対し、カジュアル面談は基本的には選考とは無関係とされ、相互理解を深めたり逆に企業が候補者側にアトラクトして志望度を高めたりすることを目的とした場です。事前に履歴書や職務経歴書の提出が求められないことも多く、その名のとおりカジュアルな雰囲気でお互いに話すことができます。
また、面接では企業側が質問の主導権を握ることが多いですが、カジュアル面談では求職者が仕事内容やチームの雰囲気、働き方の柔軟性などについて自由に質問できます。あくまで双方向のやりとりが前提であり、互いの理解を深める機会として活用されます。
20代では8割以上がカジュアル面談の参加を希望
株式会社学情が20代を対象に行った調査によると、対象者の8割以上が「カジュアル面談に参加したい」と回答しています。
終身雇用が前提ではなくなりつつある現在、働き手自身がキャリアを主体的に築こうとする傾向が強まっています。若手の間では「いつかは転職も視野に入れる」という考えが広がっており、企業が提供する働き方や環境が、自分のキャリアの方向性と合っているかどうかを見極める手段として、カジュアル面談が注目されています。
実際、同調査では「知りたい情報を得る手段」として最も多く選ばれたのが「カジュアル面談や座談会」であり、これは第二新卒・中途・ハイレイヤーなどのいずれの層でも共通しています。
カジュアル面談のメリット
カジュアル面談は、企業と求職者の双方にとって多くのメリットがあります。ここでは、カジュアル面談の代表的な3つのメリットをご紹介します。
① 採用のミスマッチを防げる
先述したとおり、カジュアル面談は選考前の段階で企業と求職者がフラットに話せる場です。
本格的な選考に移る前に、に仕事内容や社風、働き方などの情報をすり合わせることで、求職者は自分に合う職場かどうかを見極めやすくなります。一方で企業側も、応募者の価値観や志向性を把握でき、入社後のギャップによる早期離職などのリスクを軽減できます。こうした双方向のやりとりが、結果的にミスマッチを防ぎ、長期的に活躍できる人材との出会いにつながります。
とくに20~30代の若手は「まずは企業の話を聞いてみたい」というスタンスが多いため、気軽に話せる場を用意することで、自然に関係を築いていくことができます。
② 転職潜在層に出会える
人材獲得競争が続く昨今、転職をすぐには考えていない「転職潜在層」へのアプローチは、採用活動においてもはや欠かせないものとなっています。こうした層は、求人情報を見てもすぐに応募することは少なく、多くの人が「いきなり面接はハードルが高い」と感じています。
その点、カジュアル面談は、そうした層にも企業と気軽に接点を持ってもらえるきっかけになります。たとえすぐ採用に結びつかなくても、中長期的な関係構築のきっかけとなり、将来的な応募や入社へとつながる可能性を広げることができます。
③ フラットに相互理解を深められる
カジュアル面談は、あくまで「選考ではない場」として設定されているため、上下関係のないフラットな対話がしやすいのが特徴です。
このため、求職者は自分の考えや本音を伝えやすく、企業はそれをしっかりと把握することができます。企業側も一方的な質問にとどまらず、仕事内容や組織の雰囲気、成長できる環境など、具体的な話を伝えることができ、お互いの理解が深まります。
形式ばった会話ではなく、自然な対話の中で価値観や考え方のすり合わせができることで、双方にとって納得感のある採用につながる土台が整うのです。
新卒採用|カジュアル面談の質問例
新卒採用のカジュアル面談では、学生生活や就職活動の様子、普段どんなコミュニティに属しているのかなど、話しやすいテーマからスタートするのがおすすめです。緊張をやわらげながら、少しずつ自社への関心度合いやキャリアプランについても聞いてみましょう。
① カジュアル面談への参加理由
カジュアル面談に参加した背景を知ることで、その学生がどのようなきっかけで自社に関心を持ったのか、また、就職活動の進捗状況も把握できます。この質問の際にもあまり形式ばらず、自然な会話を意識しましょう。
- どうして今回カジュアル面談に参加しようと思われたのですか?
- 今回の面談では、どんなことを知りたいと思って参加されましたか?
- ほかにも他社様で同じような面談に参加したことがありますか?
② キャリアの方向性
新卒や第二新卒層の場合はキャリア観が明確でない場合も多いため、理想の働き方や興味のあることを自由に語ってもらうことが大切です。価値観や思考の方向性を知ることで、自社との接点や将来の可能性を探るヒントになります。
- 将来やってみたい仕事や働き方はありますか?
- 今興味のある分野やテーマはありますか?
- 社会人になったら大事にしたいことはなんですか?
③ 企業選びの軸
候補者がどのような基準で企業を選ぼうとしているのかを知ることで、自社の魅力をどう伝えると関心を持ってもらえるかを検討する手がかりになります。
- 企業選びで重視していることはありますか?
- 参考までに伺いたいのですが、最近よいと思った企業はありますか??
- 会社に対して求めることはどんなことですか?
④ 大学時代の経験
学業や課外活動を通じて、どのように考え、行動し、成長してきたかを聞くことで、仕事への向き合い方のイメージができます。結果よりも、その過程や気づきに注目して質問しましょう。
- 学業以外のサークルや趣味で頑張ったことはありますか?
- 大学生活の中で「これはちょっと大変だったな」と感じた出来事はありますか?
- やってみて楽しかった活動や印象的なことはありますか?
⑤ 就職活動の状況
就活の進捗やほかに見ている企業群を聞くことで、どのような情報を提供すべきかが明確になります。
- 就職活動は今どんな状況ですか?
- ほかにどんな業界・職種を見ていますか?
- 企業を見るときに注目している点はありますか?
中途採用|カジュアル面談の質問例
中途採用のカジュアル面談では、候補者のこれまでの経験や価値観に触れながら、自社に興味を持ったきっかけや今後の展望について自然に会話できるような質問が効果的です。無理なく本音を引き出す雰囲気づくりを意識しましょう。
① カジュアル面談への参加理由
転職活動前の情報収集段階である場合も多いため、「話を聞いてみたい」といったスタンスも歓迎する姿勢を見せることが大切です。興味を持ったきっかけや注目ポイントを聞いて、対話の糸口にしましょう。
- 今回この面談に申し込んでくださったきっかけは?
- 何をきっかけに当社を知っていただきましたか?
- 現時点で弊社のどの部分に興味を持っていただいていますか?
② 経歴やスキル
これまでの経験からどのような強みがあるか、どのような仕事にやりがいを感じてきたかを聞くことで、どのポジションがフィットしそうかが見えてきます。単なる職歴の羅列ではなく、価値観や得意分野に注目して会話をしましょう。
- これまでどんな業務を経験されてきましたか?
- 得意なことや好きな仕事のスタイルを教えてください
- 自分らしく働けたと感じる瞬間はどんなときですか?
③ 転職理由
転職の意思が固まっていないケースも多いため、深く追及せず、現職で感じている違和感や理想とのギャップをやわらかく聞きましょう。何を大切に働きたいかを知ることで、自社アピールにも厚みが出ます。
なお、事前に求人票やエントリー内容から転職希望時期が把握できている場合は、そのスケジュール感に合わせて会話を進めるのがポイントです。
- 今後どんな働き方をしていきたいと考えていますか?
- 今の職場で感じている課題や違和感はありますか?
- 仕事を選ぶ上で大切にしていることはなんですか?
④ 今後のキャリアの方向性
「この仕事がしたい」と明確でなくても、興味や関心がある分野、磨きたいスキルなどを聞くことで、長期的な可能性を探れます。理想像から逆算して話を広げられると、さらに会話が深まります。
- 今後やってみたいことはありますか?
- どんなスキルを身につけていきたいと考えていますか?
- 理想の働き方やキャリアのイメージはありますか?
⑤ 企業選びの軸
候補者がどんな環境や条件を求めているのかを知ることで、自社のどのポイントが響くかが見えてきます。給与・裁量・文化など、重視する項目の背景を丁寧に掘り下げることが大切です。
- 企業選びで大事にしていることは何ですか?
- どんな職場に魅力を感じますか?
- どのような人と働きたいと考えていますか?
⑥ 転職活動の状況
転職活動の進捗を把握することで、今後どのような情報を提供すればよいかを検討しやすくなります。ただし、転職をすぐに検討していない方や情報収集中の方もいるため、無理に踏み込まず、参加者のスタンスに合った対話を心がけましょう。
- 今はどんな形で情報収集をされていますか?
- 他社さんともお話を進めていますか?
- いつ頃までに転職を考えていますか?(※希望時期がはっきりしている場合)
【番外編】エンジニア採用|カジュアル面談の質問例
エンジニア採用におけるカジュアル面談では、スキルやこれまでの経験はもちろん、どんな働き方を理想としているか、どんな環境で力を発揮できるかなど、参加者の価値観に触れる質問も効果的です。
技術的な話に偏りすぎず、チームワークやコミュニケーション、仕事への取り組み方などについても尋ねることで、自社のカルチャーやチームとの相性を確認できます。
さらに、候補者の長期的なキャリアビジョンに触れ、どのような成長を目指しているのかを知ることも重要です。自社で成長できる環境を提供できるか、候補者がどのように貢献していけるかを見極めるために、キャリアパスや成長機会についての質問を含めるとよいでしょう。
以下、質問例です。
- これまでに携わった開発プロジェクトで印象に残っているものはありますか?
- 好きな技術スタックや、普段よく使っているツールは何ですか?
- どんな開発環境だと力を発揮しやすいと感じますか?
- チーム開発で大切にしていることは何ですか?
- 今後、どんな分野や技術に挑戦してみたいと考えていますか?
- エンジニアとして「こうなりたい」というイメージがあれば、ぜひ聞かせてください
- 理想の働き方や、重視しているワークスタイルはありますか?
- どのような企業文化やチームの雰囲気が自分に合っていると感じますか?
- 今までの経験を踏まえて、「こんなふうにチームやプロダクトに貢献できそう」などがあれば教えてください
カジュアル面談でよく聞かれる逆質問と回答例
当然ながら、相互理解を目的とするカジュアル面談では、候補者からの逆質問が多く寄せられます。以下に、実際によく聞かれる質問例と、回答時に意識したいポイントを紹介します。
よくある逆質問の例 | 回答時に意識したいポイント |
---|---|
入社後の具体的な業務内容について | 業務の流れや関わるチーム、任される役割などをできるだけ具体的に伝える |
どのような人が活躍しているか | 成果を出している社員の共通点や行動パターンなど、社風に合う人物像を交えて伝える |
チームの雰囲気や働く環境について | 年齢構成、コミュニケーションの頻度、リモート・出社のバランスなども含めて伝える |
キャリアアップ事例について | マネージャーや新卒などの昇格・活躍事例を伝える |
入社後のオンボーディング・研修内容について | 入社後1週間〜1ヶ月の流れやサポート体制について具体的に説明 |
ワークライフバランスについて | 福利厚生とあわせて、平均残業時間や有給取得率など、定量的な情報もあわせて伝える |
働き方(リモート、フレックスなど)について | 制度の有無だけでなく、実際の活用状況や活用している社員の声を紹介 |
入社前後でよくあるギャップについて | ポジティブ・ネガティブ両面から正直に話すことで、親近感がわきやすい |
今後の事業展開やビジョンについて | 中長期的な方針や、今取り組んでいる課題などを共有する |
評価基準について | 定量・定性両方の評価軸や、定期面談の有無などを明確に伝える |
これらの質問は事前に想定し、採用担当者や現場メンバーの間で回答方針をすり合わせておくことが大切です。回答次第では、候補者の企業に対する印象が大きく変わることを意識しましょう。
カジュアル面談を行う際の準備
せっかくカジュアル面談の機会を設けても、事前準備を怠ってしまうと、面談がスムーズに進まないだけでなく、最悪の場合は参加者の志望度を下げてしまうことにつながりかねません。カジュアル面談を行う前には、以下の事前準備を必ず行いましょう。
企業説明資料の準備
候補者が自社について簡単に理解できるよう、会社のビジョン、ミッション、カルチャー、事業内容などを簡潔にまとめた資料を用意しましょう。資料を使いながら話すことで、自社の特徴を視覚的に伝えることができます。
ポジションごとの業務内容の整理
候補者が自身のスキルセットやキャリアビジョンと照らし合わせて判断できるよう、各ポジションの業務内容や求められるスキルを整理しておきましょう。
予想される逆質問への回答準備
先ほど挙げたような候補者からよくある質問に対する具体的な回答を事前に準備しておきましょう。これにより、面談中の急な質問にも落ち着いて対応でき、候補者に安心感を与えることができます。
参加者の情報把握
面談前に候補者の経歴や志向を把握しておくことで、その人に合った質問や訴求ができるのはもちろん、スムーズに会話を進めやすくなります。
カジュアル面談で企業が伝えるべき5つの情報
この章では、カジュアル面談で企業が候補者に伝えるべき情報について、具体的なポイントを5つ紹介します。
① 企業のミッション・ビジョン・カルチャー
「何のために存在する会社なのか」「どんな未来を目指しているのか」といった根っこの部分は、求職者が共感できるかどうかを判断する大きな手がかりになる一方で、求人票だけではなかなか伝わりづらいものです。
カジュアル面談では、たとえば「○○業界の仕組みを変えたい」「△△に寄り添うサービスをつくりたい」といった想いや背景を、自分たちの言葉で直接伝えることができるため、企業の姿勢や価値観がよりリアルに伝わります。
② 具体的な業務内容やチームの雰囲気
求人票に「〇〇の運用担当」と書かれていても、実際にどんな業務を行うのかまではイメージしづらいことがあります。
カジュアル面談では、実際に働いている社員が「週次でチームミーティングを行い、意見を出し合いながら進めている」「少人数チームで裁量を持って動ける」といった具体的な働き方に触れることで、仕事のリアルな様子が伝わりやすくなります。
また、「Slackで気軽に相談できる雰囲気がある」「メンバー同士の距離が近い」など、チームの空気感を共有することも、安心感や親しみにつながるポイントです。
③ 働き方・福利厚生
近年はワークライフバランスを大切にする声が高まり、「どれだけ働けるか」ではなく「どんな働き方ができるか」を重視する人が増えてきました。どんなに仕事内容に魅力があっても、家庭やプライベートと両立できるかどうかは、多くの求職者にとって大切な判断材料です。
カジュアル面談では、「フルリモートOK」「フレックスタイム制」「副業可」といった制度を紹介するだけでなく、「育児中のメンバーも複数在籍しており、保育園のお迎え時間に合わせて勤務を調整しています」といった実際のエピソードにも触れるのがポイントです。こうした具体例があることで、求職者も自分のライフスタイルと重ねながら働く姿をイメージしやすくなります。
④ 現在の課題や今後の展望
カジュアル面談では、自社のよい面だけでなく、現在直面している課題も率直に伝えることが大切です。
そのうえで、「今どんな方向を目指しているのか」「どのように乗り越えようとしているのか」といった展望もあわせて話すことで、候補者はより自社の状況に共感しやすくなります。たとえば、「まだ仕組みが整っていない部分があるが、メンバー主導で改善を進めている」といった話から、「自分もその変化に携われるかもしれない」という前向きな想像が生まれることもあります。
⑤ キャリアパスや成長機会
「この企業で働いた場合、どんなキャリアを積んでいけるのか?」というのは、求職者が企業選びで重視するポイントのひとつです。
昇進のタイミングやスキルアップの機会、成長をサポートするための研修制度などを伝えると、求職者は自分の将来を具体的にイメージしやすくなります。とくに、長期的に自分が成長できる環境が整っているかどうかを知ることは、入社後のモチベーションにも大きく影響します。
また、「未経験からスタートした社員が2年後にはリーダーとして活躍している」「外部研修や資格支援制度を活用してスキルアップできる」といった実例があるとより訴求力が高くなります。
カジュアル面談の進め方・当日の流れ
次に、スムーズにカジュアル面談を進めるために、面談当日の流れについて説明します。
① アイスブレイク・自己紹介
カジュアル面談とはいえ、緊張や不安を抱えている候補者も多いです。まずはアイスブレイクを交えながら、お互いに自己紹介をしましょう。自社や自分の役職について簡潔に伝えた後、軽い会話や趣味について触れると、フランクに話せる雰囲気が作りやすくなります。
また、このフェーズでは仕事以外で意外な共通点が見つかることも多いので、その点を活かして「会話を楽しむ」ことを心掛けましょう。
② 自社説明
次に、企業のミッションやビジョン、カルチャーなどについて伝えます。このとき大切なのは、事前に候補者の経歴や志向を把握しておくことです。一方的に話すのではなく、候補者の関心に沿って伝えることで、自社の強みや価値観がより伝わりやすくなります。
また、「異業種から未経験で入社した社員が、今ではチームの中核として活躍している」といった、候補者と似た境遇の実例を交えると、自分の将来像と重ねながら話を聞いてもらいやすくなります。
③ 候補者へのヒアリング
次に、補者へのヒアリングを行いましょう。カジュアル面談では、候補者のこれまでの経験や実績だけでなく、今後どのようなキャリアを描きたいのか、どのような働き方を望んでいるのかといった点も丁寧にヒアリングすることが大切です。
質問攻めにならないよう会話の流れを意識しながら、モチベーションや価値観に踏み込むことで、自社がどのようなメリットを提供できるかを自然に伝えられます。ヒアリングを通じて、候補者の目指す方向性と自社の考え方や環境が合っているかを見極めることが、今後の選考やポジション提案を検討するうえでの手がかりになります。
④ 質疑応答
面談の後半では、候補者が気になっていることを自由に質問できる逆質問の時間を取りましょう。
このとき、聞かれた内容には、できるだけ誠実にわかりやすく答えることが大切です。候補者が知りたいと感じている情報を丁寧に伝えることで、自社の雰囲気やカルチャーへの理解も深まります。
また、質問の背景にある本音や関心をくみ取る意識を持つと、候補者がどんな点を重視しているのかも見えてくるはずです。
⑤ 今後の意向確認とフロー共有
面談の最後には、候補者の今後の意向をしっかり確認しましょう。どのポジションに興味があるか、次に進むステップについてどう考えているかを聞くことで、選考をスムーズに進めるための方向性が見えてきます。その後、選考プロセスや次のステップ(面接日程や必要書類など)を明確に伝えることで、候補者も安心して準備を進められます。
また、「ぜひ選考を受けてほしい」と感じた候補者には、自社への志望度が下がらないうちに、その場で次のステップを案内するのがおすすめです。ポジティブな気持ちで面談を終えてもらえるよう心掛けましょう。
【コピペOK!】カジュアル面談後のメール例文
以下、カジュアル面談後に送るメールの例文です。カスタマイズしてお使いください。
件名:面談のお礼と今後のステップについて |
本文: 〇〇様先日はお忙しい中、カジュアル面談にご参加いただき、誠にありがとうございました。 お話しいただいた内容を通じて、〇〇様のご経験や考えに対する理解が深まり、弊社として大変嬉しく思っております。今後の選考プロセスにつきましては、次のステップ(面接日程や必要書類など)について改めてご案内いたしますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。何か不明点があれば、いつでもご連絡ください。 それでは、今後ともよろしくお願い申し上げます。〇〇(自分の名前) [会社名] [役職名] [連絡先] |
カジュアル面談を成功させるコツ
カジュアル面談を成功させるうえで、以下の5点を押さえることが大事です。
① 「選考ではない」と最初に明言する
面談の冒頭に、「選考ではなく、あくまでお互いを知るための機会である」ことを伝えましょう。候補者も気負わずに話せるようになり、リラックスした雰囲気の中で会話が進めやすくなります。
安心して話せる環境があることで、候補者の考えや人柄も自然と見えてきます。
② 本音を引き出せる雰囲気をつくる
カジュアル面談では、候補者が気兼ねなく話せるような、オープンな雰囲気を心掛けましょう。
服装や面談場所も、面接のような堅さを感じさせないように工夫すると、本音を話したり質問しやすい空気が生まれやすくなります。
③ 一方的に話すのではなく、5:5の会話を心掛ける
カジュアル面談は、双方向のコミュニケーションが基本です。たとえば、企業紹介の合間に「ここまでで、わかりにくい点や、もう少し詳しく聞いてみたいところはありますか?」といった問いかけを挟むことで、候補者も話しやすくなります。
こちらが一方的に話すのではなく、候補者にも自由に話をしてもらうことで、双方の理解が深まり、面談がより有意義な時間になります。
④ 候補者に合わせたアピールをする
自社のカルチャーや働き方について伝える際は、候補者のバックグラウンドや関心を踏まえた話し方を意識しましょう。全員に同じ説明をするのではなく、その人にとってとくに魅力に映りそうなポイントを中心に伝えることで、より自社に関心を持ってもらいやすくなります。
そのためには、事前に候補者の経歴や志向を把握しておくことが不可欠です。一人ひとりに合わせたコミュニケーションを意識することで、面談の内容がより濃いものになります。
⑤ できるだけリアルな情報を伝える
カジュアル面談では、自社のよい点だけでなく、リアルな状況や課題についてもオープンに伝えることが重要です。候補者は実際の環境や現状を知ることで、より自分に合った企業かどうかを正確に判断できるようになります。これにより、信頼も深まります。
よい面ばかりを見せてしまうと、たとえカジュアル面談に力を入れても、後々ミスマッチが起こりやすくなります。正直で透明性のあるコミュニケーションが、長期的な関係構築につながるのです。
まとめ
これまでご紹介したとおり、カジュアル面談は選考に入る前に求職者と気軽に話せる場として、近年採用活動で注目されています。求職者の本音や適性を知ることでミスマッチを減らせるだけでなく、母集団の裾野を広げられるため、激化する人材獲得競争が続く採用市場において、まさにぴったりな採用手法といえるでしょう。
一方で、うまく活用するためには新卒や中途、エンジニアといった職種など、それぞれの特徴に合わせて進めることが重要です。この記事を参考に、採用の幅を広げてよりよい出会いにつなげていただければ幸いです。